見出し画像

somewhere in between

近所のおっさんがなくなった。
ほんとうに突然のことだった。
前日までふつうに仕事をしていたらしい。
お客さんの髪をきって髭をそっていたらしい。
せやからわたしはいまだにまだ嘘だと思っている。
思っていたいからじゃなくてほんとうに思っている。
 
日曜の昼過ぎ近所が騒々しかった。
白く物々しい車がサイレンを鳴らして来た。
お店のお客さんに何かあったんかな、
でも変につついたり訊いたりするんもちゃうもんな。
仕事や原稿やでいっぱいいっぱいで気になりながらも気にせずにいた。
きのう偶然にというかこちらから訊いた訳ではないのに耳にした。
まじか。でもマジやと思わない自分が今もいる。
 
と、いうと、深いかかわりや縁やエピソードがあったように思うでしょう?
 
ない。
 
たまに道ですれちがっていただけ。
たまにじゃない、しょっちゅうだっただけ。
なぜかいつも「今会うかね」みたいなタイミングで
ふーら、ふーらと歩いている、歩いてくる。うわ、また会った。
挨拶程度の挨拶はする。
でも「今会うかね」みたいなときだから
何もやましいことはないのにびっくりしてプチ挙動不審になる。
でもたまによく喋る。喋りかけられる。
そしてまた「今かい」みたいなタイミングで会う。
 
だからまたあちらの角から「おー」とか「よぉー」とかふらーり現れる気がしてならない。
 
80だったことも持病持ちで医者にかかっていたことも知らなかったし、元・反社だという噂とかもあって、ああ、まあその噂はほんまやねんやろなとも思っていた。けれど、だから? って感じだった。名前も知らない。
 
一日一日を大事にとか一期一会とか、やっぱり言葉は軽い。
気持ちに言葉はきっとずっと追い付かない、いつもだしこれからもだと思う。
言葉は気持ちを多く言いすぎる、せやのに全くといっていいほど言い尽くしてはくれない。優しくて優しくなくて優しくてつまりそれが言葉なんだろうと思ったりもする。
 
ちょうどこんな本を読んだ読んでた。

やはりまた「おー」とか「よぉー」とかふらーり現れる気がしてならないあちらの角からね。

◆◆◆
以下は、自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。

構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
ご連絡やお仕事の御依頼はこちらからもしくはDMでもお気軽にどうぞ。
めっちゃ、どうぞ。

lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。

先日、ご縁あって素敵なWebマガジン「Stay Salty」Vol.33の巻頭、
「PEOPLE」にも載せていただきました。

5月1日から東京・湯島の本屋「出発点」で2箱古本屋もやっています。

参加した読書エッセイ集もお店と通販で取り扱い中。

旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在19話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)です。

noteは「ほぼ1日1エッセイ」、6つのマガジンにわけてまとめています。

旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いています。

あなたとご縁がありますように。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

楽しんでいただけましたら、お気持ちサポート(お気持ちチップ)、大変嬉しいです。 更なる原稿やお仕事の御依頼や、各種メッセージなども、ぜひぜひぜひ受付中です。 いつも読んで下さりありがとうございます。一人の物書きとして、日々思考し、綴ります。