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ナイチンゲール(2020年)【「だから映画紹介じゃないって言ってんでしょうっ」まったく、まったくこれだから歴史ってやつは】

タスマニアのお話。

ナポレオン戦争から少しあと。
タスマニア植民地時代。
タスマニアに植民していた家族3人は、
妻であり母である女性をひとり残して、
とある不良軍人に殺されてしまいました。

すべてを無くした女性は、
偶然に出会ったタスマニア原住民の人に助けてもらいながら、
復讐の相手を追いかけてタスマニアの旅をします。

ざっくり言うとそういう映画。

リョナとかムナクソとか、
あとタスマニア原住民は人間狩りで絶滅させられていたりと、
道中でジェノサイドや露骨すぎる人種差別や性差別が描かれるため、
歴史の闇の部分を描いていく作品で、
まあ暗い作品です。病み映画です。

ただこういう時代背景を取り上げた作品はまれなので、
個人的にはありがたい。
私としては時代要素で視聴しました。

まあ復讐譚なので、とりあえずの結末には落着するのですが。
晴れ晴れとして作品ではないです。
ただ重いテーマに美しい自然の映像を重ねるというのは、
映像技術として鉄板でした。

こんな暗い歴史の物語でも、
背景世界がとてつもなく美しいのは幸いです。
ただ美しく視えるのは、
人間が自然を俯瞰して見れるからでしょう。

自然の中には、もっと恐ろしい世界が充満しているはずですが、
メタ的な視点から視ると美しく見えてしまう。

残酷で怖い歴史を描いているはずの本作を観て、
視聴者は感動してしまう。

メタ的な視点に立つと、残酷すら美しく感じるものなんですね。
逆に視点が同じ高さまで降りると、
耐えがたくなるという意味でもあります。
これが生命の本質なのかもしれない。

***

個人的に魅入ってしまったのは、
パブに行き、他の将校たちの目の前で女性が怨敵を糾弾する場面です。
日頃から評判が悪かったのか、周りの将校たちは彼を擁護しません。
ただじろーっと見つめています。
やっぱり普段から言ってることがおかしい奴は、やることもやばいということなんでしょうか。(こんなん書いて大丈夫かな)

イギリス軍の将校って独特だよな。
男の世界というか、実力で立てない奴には死ぬほど冷たい。

それとタスマニア人の彼が、戦士として死ぬことを選ぶ場面ですね。
彼の民族はほぼ滅ぼされてしまい、帰れる場所が無いので、
妥当な展開ではあるのですが。
戦士の文化があったことで、いくぶん救われたような意味合いになっていることです。
戦士の文化は、気持ちを救うんですね。
ふしぎです。

この辺にしておきましょう。

反植民地視点のポリコレ映画ではあるのかもしれませんが、
観ておもしろい作品でした。こういう言い方はなんですが。

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