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ペルセポリス (著:マルジャン・サトラピ)【やったぞサダムめ!「その日だけはマンガ紹介を祝った」】

ニューヨークタイムズや朝日新聞でよく紹介されてた。
一昔前のリベラル系マンガ。
著者はイランからフランスに亡命してきた女性マンガ家。

なんとなく自分の半生をマンガ作品で描き、
イランとイラン女性の現代史をさりげなく紹介している。

一昔前のリベラル寄せなので、
なんとなく現代では敬遠されるかもしれないが、
イラン世界を背景的に理解するには、基礎情報として役に立つ。
まったく知らないよりはバイアスがかかっていても情報がある方がいい。

まあ、マンガだし。
そこまで肩ひじ張らなくても読めちゃう。

イランイラク戦争から
オーストリアで生活したり(ワルトハイム時代)
実はやんごとない家系だったり。
(先々代王朝の縁戚?)

80年代辺りの日常生活が描かれる。実体験系。
上下巻。

イランは世界最古級の歴史がある国。
中国よりも古い。
中華はせいぜい三千年。
こちらは控えめに見積もっても軽く五千年の歴史がある。
しかもイラクやエジプトみたいに古代と断絶している度合いが少ないのではないか。

一時期は人口学的にも世界でもっとも繁栄した世界の中心だった。
(アケメネス朝時代)

しかしリアルなイランについて何も知らんので、
イラン版「ちびまる子ちゃん」の本書に手を出した。
もちろん場所だけに政治的な話が多いけど。
ノンポリで平和な昭和とはまったく違う。

どちらかというと既視感を感じるのは、昭和は昭和でも、
やはり昭和初期なんだろう。

ご存じのとおり、現在は枢軸国として先進国のほとんどとは距離がある。
アメリカは大日本帝国以来の厄介な相手と考えているらしい。
攻め込みにくいし、独自かつ異質な文化と歴史がある。
歴史が無い国に比べると歴史がある国の方が手ごわいイメージがあるようだ。
伝統があるゆえに簡単には威圧されない。

ただ著者はなんだかんだ言いつつ、恵まれているので外国に行っちゃったわけだが。
民衆の支持は得られんだろうなと思いつつ、そんなこと言われてもな。
実はお姫さまの家系に生まれたんは本人のせいやなし。

それに反体制の家庭と言っても一色ではなく、
やはり国が勝てばお祝いする程度の愛国心はある。
そういったモザイク度がとてもリアルでした。
現実は一色で塗りつぶされてなんかいない。

まあ、現代社会の一般教養として読んどいても良いマンガのひとつ。
知らないのは罪・・・でもないか。

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