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プリンセスチュチュ(2002年)【アニメ感想でネタバレしたら私と結婚してもらいますよっ!(猫先生の決めセリフ。懐かしい)】

プリンセスチュチュは女児向けアニメです。
いわゆる魔法少女カテゴリに入ると思いますが。

架空の街で、動物も人間と同じように生活している町。
金冠町(聖地はドイツのネルトリンゲン。ちと遠い)

そこでバレエ学校に通う子どもたちの中にひとりだけ。
落ちこぼれの子がいて、
その子が魔法の力で、ものすごいプリマドンナになる。

そんな感じの話なんですが。

クラシックバレエミュージックを惜しげもなく使う背景音楽。
そしてミヒャエルエンデばりの深淵な哲学背景っぽい装置を多用。
というか、
なんとなく雰囲気がミヒャエルエンデの世界観っぽいんですよね。
奥行きがあり、深読みができる。
ゆえに大人の鑑賞にも耐えられる作品です。

お子さんがいたら、親御さんも一緒に付き合って、満足できる系の作品ですね。
クレしん映画版みたいな。
ただし第2部は面白さが失速します。
モラーリッシェファンタジー感が強いのは前半の第1部です。
もう少し間をおいてから、後半を作った方が良かったかもしれないし、
前半で期待値が高くなりすぎたせいかもしれない。

おちこぼれの主人公は実は、池に住んでた鳥のあひるで、
自分に優しくしてくれた人間の王子(っぽいひと)に、
憧れてしまいます。
でも種が違うし。

そこへ、この物語世界を駆動している作家(神)ドロッセルマイヤーに、
魔法の力(?)で人間の女の子にしてもらいます。
しかも2段階変身で、
完璧なプリマドンナ「プリンセスチュチュ」に変身できる能力付きです。
だけどただの人間の女の子の状態では、彼女は落ちこぼれ。
やることなすこと、猫先生をモヤモヤさせる結果ばかり。

それでも、あの王子様(みゅうとという名前)がなぜかピンチ。
そのタイミングでプリンセスチュチュに変身すると、
完璧なステップで、かっこよく王子様を助けることができます。
でも自分がどこのだれか名乗ることは許されません(そういうシステム)

普段の彼女は、鳥のあひる時代と同じく、遠くから王子様を見つめているだけ。

この状態で話が展開していきます。
ライバルの黒いプリマドンナ、るうも登場。
るうプリンセスクレールに変身できます。
(まあオデットとオディールですね)

みゅうとのそばにいるお付きの騎士、ふぁきあ
みゅうとを守っているのですが、みゅうとを成長させまいとして、
なぜかプリンセスチュチュを目の敵にしてきます。

さあ、この状態で話が進んでいきますよ。

****

作品紹介はこのくらいにしておきましょう。
この作品が失敗したのは、クライマックスを先に作っておかなかったことなんじゃないかな?と思います。
まあ村上春樹先生みたいに、行き当たりばったりで結末まで持っていける人も、いるっちゃいるですが、ぼやっとした感じでもエンディングひとつ前のクライマックスをどうするか。
考えておいた方がいいみたいです。
終わりよければすべて良しとも言いますし。
クライマックスを作ったら、そこから逆算して前半の話を創っていくんです。

ただ第1部では、きちんとクライマックス展開を考えていて、完璧でした。
やはり最後は「白鳥の湖」で締め!完璧!
完全に狙っていましたね。

でもそこで終わらず続きになった、
ということが、なんか第2部でもやもやする感じになってしまった理由なのかも。
もしかしたら続きは予定外だったのかもしれない!

モラールであることにこだわりすぎたのが敗因だったのかも。
モラールであることと、モラーリッシェファンタジーとは似て非なるものです。
前半とは違う展開にして・・・でもそうすると視聴者に怒られるから、
まあ厳しいですね。
悲劇は子ども向けには向いてないし。
私だったらこうやってああして、なんて想像力が膨らみますね。

なんというかマルチエンドRPGだと、最初のプレイでたどり着くAルートみたいな出来に第2部がなってしまいました。
バッドエンドじゃないけど。
トゥルーエンドではないですね。これは。
ゆえに現代での知名度は高くなく、思い出されることもなく、埋もれてしまっています。

もうちょっと考える時間があれば。
もう少し、うまいこと考えるスタッフがいれば。
タラれば言えばきりが無し。

そうだ!リメイクすればいいじゃん!

そろそろ20年も経っているし、リメイクのタイミングでしょ!
(これが他力本願寺だ!)

***追記***
物語を書いている人は、ドロッセルマイヤーの気持ち、割と分かるかも。

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