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私たちはサブスクの関係だったのか

最近は色んなサブスクがあるらしいですな。
家具、洋服、子どものおもちゃなどなど。
私が知らないサブスクもたくさんありそう。

そのサブスクリプションの元祖は「会社員」だという話を本で読み、え????と思ったものの、言われてみれば確かにその通りかもと思ってしまった。

本の中で「ストックとフロー」の話があり、会社員はどちらなのかという問いがあった。
従業員は資産だと考えている企業もあるので、そういう会社にとっての社員はストック。

一方で「月額定額制」で働いている会社員は(残業代は別)、「労務費」というフローの存在であり、元祖サブスクリプションだと本に書かれていた。
そうやって考えたこともなかった私には目からウロコだった。

会社員をサブスクと考えてみると、自分自身が商品の立場になる。
自分が商品だと考えてみると、「契約したけど解約するのを忘れている存在」になっていないか?と自戒につながる。

そして、会社に毎月お金を払っても良いと思ってもらうには、どうすればいいのか?という話もあり、こちらも興味深かった👇

「高額でも毎月払う価値があるサブスクのサービスの条件は何か?」と考えれば、「マンネリ化せずに毎月新鮮な価値を提供してくれる」「毎月のサービスが有機的に連動していてなかなか切ることができない」ものであるということがわかり、このことは勤め人としても参考になるところ大と言えます。

『「具体⇔抽象」トレーニング』より引用

「毎月新鮮な価値」というのが、ハードルの高さを上げに上げていると思うのだけど、これが働くということなのかもしれない・・・。
なんてことを考えていたら、この先の文章に、

ついでに言えば、この話、友人知人関係や夫婦関係、家族関係なども「ほとんど一緒」であることがわかるでしょう。

『「具体⇔抽象」トレーニング』より引用

と書いてあってビックリしてしまった。

え?
夫婦関係や家族関係も一緒なの???
「毎月新鮮な価値」を提供していくの???
そんな契約していませんけど??????
と、一人でわやわやしてしまった。

しかし考えてみると、私が夫に価値を提供できなければ離婚と言われても仕方がないのかもしれない。
そう思ったものの、価値が提供されていないようなので解約します(離婚します)と言われても、はいそうですか、と簡単に受け入れがたい。

ということで、夫に伝えたのは、
夫が私を解約したいと思っても、解約ボタンはありません。
解約するための電話は一切つながりませんのでご了承ください。
私は解約できる商品ではありません、と伝えた。
夫はケラケラと笑っていた。

個人をサブスクと考える、その考え方はなるほどなと思うけれど、これが自分事になると途端に恐ろしくなるから困った。
価値を提供するとかしないとかじゃなくて、ただただ静かに平和に暮らしていたい。

とはいえ、『「具体⇔抽象」トレーニング』は考え方として面白くて学びになる。
まだ序盤しか読んでいないけど(サブスクの話が衝撃だったのでここで止まってる)、この先も楽しみな一冊。

そんな最近の読書は『ときどき私は嘘をつく』

中盤から一気に読了してしまった。
夜中に読んだものだから、読み終わっても鼻息の荒い状態が続いて、なかなか寝つけなかった。

タイトルが『ときどき私は嘘をつく』なので、私は嘘をつくってこと??と思いながら読んでいたんだけど、中盤を過ぎたあたりで、明後日の方向からパンチが飛んできた!みたいな展開になってビックリした。
そしてラストは何が何なのか、私の頭では理解不能だった。
誰か答えを教えて欲しい…と、いま切実に思っている。

アリス・フィーニーさんの本で、以前に読んだ『彼は彼女の顔が見えない』でもそうだったんだけど、今作もサラ~っと静かな流れで、物語が途中からまったく違う話になってると気づかされる。
え??と思って最初から読み直してみても、まったくおかしなところはなくて、再読してるはずなのにまたサラ~っと静かに騙されてた。

何にもおかしなところは無いのに、読者を静かに別の世界へといざなうことができるなんて、文章のプロって本当にすごいなと思った。

ふだん何気なく使っている言葉をどう表現するかで、こうも面白く、心を揺さぶり、もっと読みたい!!と思わせる中毒性を与えてくれるなんて、本当にスゴすぎて言葉が出てこない(ここまで感想を書き散らかしてるのに?)。

アリス・フィーニーさんの本は、もう一冊手元にあるので、いまから読むのが楽しみ。

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