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[哲学] 地獄

地獄ってなんだろう?
暗い闇のような存在だろうか。

現代アートの表現者は孔を描いた。
これが地獄だと。
コンクリートに開いた孔をずっと私は見つめる
そこには何もなかった。
十分間。私は覗いた。
しかし何も見えることはなかった。

別の現代アートの表現者は喜劇のような映像を流した。
これが地獄だと。
永遠と繰り返されるビデオを私は見つめる。起承転結すらもわからない映像。
正直苦痛でしかなかった。

別の現代アートの表現者は光り輝くオブジェクトを飾った。
これが地獄だと。
地獄にしては少し派手な光輝くオブジェを私は見つめた。
ついつい、写真に収めたくなるような明るい作品に感じた。

私は結局、地獄についてよく分からなかった。
地獄、地獄ってなにがあるんだ。
何を持って地獄や天国なのか。
苦痛を持つから地獄なのか。
それなら私の生きるこの世界もある意味地獄的側面を持っている。

伊藤計劃は虐殺器官という作品で地獄についてこう述べだ。
地獄は私たちの頭の中にあると。
私は全く納得した。

これだけの作品の中で地獄に触れたが、十人十色たくさんの地獄があった。
もしかすると地獄は多面的であって、どこから覗くかで形を変えるのかもしれない。
ある時は暗く黒い孔かもしれない。
ある時は永遠に感じるような時間かもしれない。
ある時は光り輝く魅惑的なものかもしれない。

地獄はいつも私たちのそばに潜んでいる。
そう、私は地獄を抱えて生きていく。
いつも、すぐそばにある石ころみたいに。

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