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その時に考えた事や感じた事をだらだらと書いていきます

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最近の記事

「イタい」という呪い

 僕は「イタい」という言葉が嫌いだ。 人とは違った主張をしたり、自分なりの表現をするとすぐに「イタい」と言われる。 僕はこの言葉が嫌いな癖にその言葉に呪われたかの様に生きてきた。 学生時代は特に人の目ばかりを気にして、とにかく目立たずに過ごせれば御の字と思っていた。 しかし、そんな気持ちとは裏腹に僕の好きなものはことごとく「イタい」ものばかりだった。 音楽も思想・哲学も政治も 興味のあるものを語れば誰とも価値観が合わず「イタい」とレッテルを貼られる。 きっとこう

    • 僕の使い道

       大学生の時、講義が終わるとよく大学の図書館へ行った。それまで勉強なんてした事もなければ、本すらまともに読んだことのなかった僕はそんな自分が少し誇らしくなっていた。  「なんの生きがいもない人生だと思っていたけれ   ど、俺だって何かできるかもしれない。」 そう思ったのも束の間だった。閉館の時間になり、借りた本を片手に意気揚々と歩いていた帰り道、  「グチャ」 僕は何かを踏んだ。 なんだろうと靴の裏を覗くと、そこにいたのは小さな芋虫だった。 これまでの人生にも何度

      • 「利他」と「支配」

         ぼくには認知症の祖母がいる。 認知症の人の言動はひとそれぞれだが僕の祖母は放心状態になることが多い。何かしようとしている祖母に「なにがしたいの?」と聴いても、困った表情をして「うん、よくわからない」と答えることが多い。 よくコーヒーを飲む祖母だがポットにお湯が入っていることを認識できない時があるようで、自分でお湯を沸かすことがある。しかいこれが危ない。 お湯を沸かしているのを待っている間に、そのことを忘れてその場を去ってしまうことがある。 そんなことがあってから台所

        • 氷とアイスコーヒー

           お盆が過ぎても暑さが去る気配がない。 この猛暑の中で僕の楽しみはキンキンに冷えたアイスコーヒーを飲むことだ。 これでもかという程に氷をいれたグラスにコーヒーをなみなみに注ぎ、一気に飲み干す。そしてもう一度注いで、二杯目のコーヒーはゆっくりと飲んでいく。それが僕の夏のアイスコーヒーの楽しみ方だ。 僕はカフェインに強いようでコーヒーを飲んでもすぐ眠れてしまうのだが、二杯目のアイスコーヒーを注いだまま昼寝をしていまう時がある。 起きるとさっきまでグラスに入っていたコーヒー

        「イタい」という呪い

          やまゆり園の事件から7年

          2016年7月26日 今日からちょうど7年前、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起きた。元職員であった男性が施設に侵入し、入所者19名を刺殺、職員も合わせて26名に重軽傷を負わせた。 彼はなぜこんな犯行に及んだのか。 「障害者なんてこの世にいらないんだ。だって役に立たないじゃないか。」 いわゆる「優生思想」その人や社会の勝手な物差しで「優れている」と判断した命は生きている価値があり、逆に「劣っている」と判断した命は殺してもいいんだ、生まれてく

          やまゆり園の事件から7年

          『君たちはどう生きるか』感想(ネタバレ無し)

          宮﨑駿監督最新作『君たちはどう生きるか』 上映が終わり、シアターが明るくなるが観客の腰は重たい。 「どういう事だったんだ。」多くの人がきっとそう感じたのだろう。 共に観に行った知人も、その後読んだ多くの人の感想や考察も、明確に全てを理解した人はいなかった。 そこがこの映画の評価が極化している理由だろう。 ああでもない、こうでもないと数日間映画の内容が頭から離れなかった。 そこで気づいたのは、逆に現代のあらゆるコンテンツは一瞬でわかりやすく、その時に消費されて終わっ

          『君たちはどう生きるか』感想(ネタバレ無し)

          避難所

          今日は大雨。 僕は地域の防災会に所属しているので、警報が出れば連絡網を回したり避難所の準備をする。 地域の公民館を開けて避難所を設置。普段は全く公民館を利用しない人も緊急時には避難してくる。 そして大雨が去ればそそくさと帰っていく。 ある時ふと避難所みたいな人になりたいと思った。 普段は見向きもされない。多くの人の人生には無関係なものとして生きている。 でもどんな人でも辛くて苦しい時がある。逃げ出したい時がある。そんな時に普段のしがらみから離れることができる様な、

          草むしり

           暑い日が増えてきた。毎年この時期になると庭に雑草が生い茂る。 僕は草むしりが嫌いだ。それは面倒だからではない。 名のある花は植えて愛でるのに、雑草はいつも邪魔者扱いされる。同じ植物なのに雑草は当たり前の様に抜いてしまう感覚が僕にはわからなかった。 数年前から実家に帰ってきて、庭の草むしりは僕の仕事になった。 最初の頃は無邪気に伸びる雑草を抜くのが申し訳なくて心の中で謝りながら抜いていた。そして何のためにやっているのか意味を見出せない虚無感に苛まれながら抜いていた。

          草むしり

          多様性

           多様性の議論にいつも突きつけられるのは僕たちは決して分かり合えないという事だ。 その事に辟易とした人達が「あなたと私は違うからお互いの為にもう関わらない方がいいね」と分断へ向かっている。 これがダイバーシティなのだろうか。 2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され亡くなった日本人医師の中村哲さん。 彼はアフガニスタンで医療だけでなく用水路や井戸を作るなど社会福祉活動にも従事してきた。 現地の人々の命を救う為には病を治療するだけではなく、水を供給する事で生活水

          苦手な番組

           実家で暮らす僕は夕食時に両親が好きなテレビ番組を横目で観ながら静かに食事をする。 我が家の定番は『プレバト』だ。中でも芸能人たちが俳句を詠み名物先生が添削するコーナーが両親は好きなようである。 「日本語としておかしい。」「この言葉は書かなくても伝わるから必要ない。」 次々と赤ペンがいれられていく。それを観て「なるほどなぁ。」「さすが先生!」と父は感心している。 僕はあまりこの番組が好きではない。なぜ好きではないのか最初わからなかった。 ある時、中村哲さんの本を読ん

          苦手な番組

          ChatGPTの出現に思うこと

          最近話題のChatGPT。 僕の周りにも使う人が現れ、その便利さをよく耳にする。この出現により多くの職業がAIに置き換えられていく事が加速したことは間違いない。 その未来には人間の仕事のほとんどは単純労働になるだろう。それ以外の労働力の多くは必要がなくなり、多くの人が働かずに生きていくという未来が来るかもしれない。 そこでは労働の駒として動く人間と、欲求に従い与えられたコンテンツをひたすら貪る人間が大量に現れてくるだろう。 果たして彼らは人間なのだろうか。 ハンナ・

          ChatGPTの出現に思うこと

          かかわり-トルコ・シリア地震を通して

           現在、トルコ・シリア地震の死者は2万人を超え、2011年の東日本大震災の死者数を現時点で上回るほどの大災害となっている。 災害が起こる度に議論になるのは支援についてだ。 多くの方がどうにか支援したいという思いで現地に赴いたり物資を送ったりするのだが、現地の状況は刻一刻と変わる為、人手も物資もかえって邪魔になる場合が多々ある。 私も実際に被災した経験や被災地へボランティアに行った時の事を思い返せば、そこまで大きな被害でないにしてもそのような状況が多数見られた。 そんな

          かかわり-トルコ・シリア地震を通して

          恋は盲目

           「恋に落ちると理性や常識を失ってしまう事」 恋は盲目とはこのような意味で用いられる。そして誰もが経験した事がある感覚だろう。 この言葉はシェイクスピアがよく使った表現だった。   「Love is blind,and lovers cannot see the    pretty follies that themselves commit.」   (恋は盲目で、恋人たちは自分達が犯す小さな    愚行がわからない。)『ヴェニスの商人』 しかし、本当にそう

          恋は盲目

          堕落は悪くない

          もう今日は何もする気にならない。 誰にも会いたくなければ、何の情報も耳に入れたくない。 そんな自堕落な一日の中で僕を襲ってくるのは自己嫌悪だ。 「何の為に生きているんだ。そんな生き方をして何になると言うんだ。」 善良な人間の仮面を被った僕が、僕自身を責め立ててくる。 「このままじゃダメだ。」 そう思って「善良な僕」が自己嫌悪から抜け出した時 つまり彼にとっての「善良な生き方」を取り戻した時、次の標的は他者になる。 「お前、そんな生き方をして恥ずかしくないのか!

          堕落は悪くない

          淀ちゃんの最期

           大阪湾に迷い込み世間を賑わせたマッコウクジラの「淀ちゃん」が先日、命を終えていった。 普段は間近で見る事のない大きな命に多くの人が心を奪われ、その命の最期に思いを寄せた。 死骸はガスが発生し爆発の恐れがある事などから海に沈める事となった。 作業船から重しをつけられて沈んでゆく淀ちゃんの姿に、僕は少しの憧れを抱いたのである。 クジラの死骸が海に沈むとその身体を多くの魚達が食べるだけでなく、その大きな身体の残骸が長い時間をかけて、あらゆるの生物の棲み着くある種の生態系と

          淀ちゃんの最期

          痛みを知る

           やっと歩ける様になった程の赤ちゃんが転けて泣いている。母親に抱かれても涙は止まらない。相当に痛かったのだろう。 もし僕が親なら、そんな赤ちゃんに何を教えたら良いのだろうか。 「転けない為にはもっと足元を確認して歩きなさい。」 「少々の躓きでは転けないように足腰を鍛えなさい。」 そんな事を言う馬鹿はいない。 「大丈夫?痛かったね。もう大丈夫だよ。」 そう声をかけるに違いない。それはただ慰めているだけで何も教えていないではないかと言われるかもしれない。でもそうではない

          痛みを知る