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多様性
多様性の議論にいつも突きつけられるのは僕たちは決して分かり合えないという事だ。
その事に辟易とした人達が「あなたと私は違うからお互いの為にもう関わらない方がいいね」と分断へ向かっている。
これがダイバーシティなのだろうか。
2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され亡くなった日本人医師の中村哲さん。
彼はアフガニスタンで医療だけでなく用水路や井戸を作るなど社会福祉活動にも従事してきた。
現地の人々の命を救う為には病を治療するだけではなく、水を供給する事で生活水準自体を上げる必要があったからだ。
そんな活動が認められ、彼にはアフガニスタンの国家勲章や名誉市民権が与えられた。
様々な活動をしてきた中で現地の人が1番喜んでくれた事は何か。
それはイスラム教の礼拝堂であるモスクを建てた事だったという。
医療や用水路という命に直接関わる事より、礼拝堂が喜ばれたのだった。
そしてもう一つ注目すべき事は中村哲さんがクリスチャンである事だ。
布教という事が重要視されるキリスト教において、他国に宗教施設を建てるなら教会を建てれば良いだろう。
しかし彼はモスクを建てたのだ。
それを推するに自分にとって宗教心が大切なものだからこそ、相手の宗教心も尊重しなくてはならないと考えていたのだろう。
僕はこれが多様性だと思う。
私とあなたは違う。
でも私が大切にしているものを蔑ろにされたらこの上なく苦しい様に、あなたにも私とは違う蔑ろにされたくない大切なものがきっとある。
それを踏み躙らないようにしたい。お互いを尊重する為に。その為にはお互いの違いを語り合う必要がある。
「あなたと私は違う。だから関わらない。」
ではなく
「あなたと私は違う。だから話さなくてはならない。」
多様性は排他と分断を生むのではなく、対話と尊重を生むものであって欲しいと願う
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