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やまゆり園の事件から7年

2016年7月26日

今日からちょうど7年前、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起きた。元職員であった男性が施設に侵入し、入所者19名を刺殺、職員も合わせて26名に重軽傷を負わせた。

彼はなぜこんな犯行に及んだのか。

「障害者なんてこの世にいらないんだ。だって役に立たないじゃないか。」

いわゆる「優生思想」その人や社会の勝手な物差しで「優れている」と判断した命は生きている価値があり、逆に「劣っている」と判断した命は殺してもいいんだ、生まれてくるべきではないんだという考え方である。

確信犯という言葉があるが、この言葉の本来の意味は、確信をもって自分の中での正義の名のもとに行う犯行をいう。まさに相模原の犯人は確信犯だった。自分の正義を信じてやまなかった。

優秀な遺伝子のみを残していこうという優生学は昔、科学的に正しいとされていた。現代では生物多様性などの観点からも科学的に否定されている優生学だが、当時は科学的な裏付けがなされ、その正義の名のもとに多くの命が奪われてきた。

自分が見ている世界が全てではない。

そんな当たり前のことを人はすぐ忘れてしまう。

犯行を行った犯人がそれを正しいと思うに至った裏付けを与えたのは、社会の側かもしれない。

僕たちがどこかで抱えている差別心、自己責任論、優生思想…

誰も口には出さないが社会に蔓延しているそんな空気が、彼に確信を与えてしまったのかもしれない。

 「世界が歪んでいるのは 僕のしわざかもしれない」
    (THE BLUE HEARTS「チェインギャング」)

あんな事件が少しでも減ることを祈って

僕は僕の物差しを疑う営みを続けたいと思います

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