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避難所
今日は大雨。
僕は地域の防災会に所属しているので、警報が出れば連絡網を回したり避難所の準備をする。
地域の公民館を開けて避難所を設置。普段は全く公民館を利用しない人も緊急時には避難してくる。
そして大雨が去ればそそくさと帰っていく。
ある時ふと避難所みたいな人になりたいと思った。
普段は見向きもされない。多くの人の人生には無関係なものとして生きている。
でもどんな人でも辛くて苦しい時がある。逃げ出したい時がある。そんな時に普段のしがらみから離れることができる様な、誰かのこころの避難所になれたらと思う。
しかし、いざそうなろうとすると避難所の偉大さに気づいた。
最初は誰かの心に寄り添いたかっただけなのに、彼らの苦難が去ったとき喜べない僕がいたのだ。
辛さを乗り越えると彼らは何事もなかったかの様に普段の生活に戻っていく。僕なんていない人生に戻っていく。
「あのときは頼ってきた癖に」
「結局誰でもよかったんだろ、薄情な奴め」
一度頼られたら自我が芽生え、嫉妬や支配欲に駆られる
避難所はそんな事は決して言わない。
何食わぬ顔で元の姿へ戻り、また求められれば避難所になる。
善意の押し付けでなく、ひたすらに人々の声に応えていく。本当の利他ってこんな姿なのだろうなと思う雨の日の夜でした
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