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恋は盲目

 「恋に落ちると理性や常識を失ってしまう事」

恋は盲目とはこのような意味で用いられる。そして誰もが経験した事がある感覚だろう。

この言葉はシェイクスピアがよく使った表現だった。

  「Love is blind,and lovers cannot see the    
   pretty follies that themselves commit.」
  (恋は盲目で、恋人たちは自分達が犯す小さな
   愚行がわからない。)『ヴェニスの商人』

しかし、本当にそうなのだろうか。

同じシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』

この2人は盲目だったのだろうか。

家同士の仇があるにも関わらず、争いの垣根を超えて愛しあったロミオとジュリエット。

そして「お互いがいなければ生きていく意味などない」と自ら命を絶っていった2人の真実の愛を目の当たりにし、争いの愚かさに気づき和解していった両家。

大切なものが見えていなかったのはどちらか。

「家」という勝手に作り上げたカテゴリーに目を塞がれているのは、まさに人間愛への盲目だろう。

そしてその垣根を超え、お互いの実存に惹かれ合った2人の姿は正に人間愛への目覚めそのものである。

 「恋に落ちると理性や常識を失ってしまう事」

常識に縛られた理性的な人間からは恋をしている者は現実の見えていない滑稽な姿に見えるのだろう。

しかし、僕達が正しいと思い込んでいる理性や常識がいかに下らないものであるかを教え

人間の実存に目覚めさせるようなものこそ真実の愛や恋である。

そんな気がして文章を書いたものの、本当は語ることすら野暮なんだろうと小っ恥ずかしくなったのでここら辺で終わりにしますね

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