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ぐみ
2017年12月24日 18:43
大ぶりなネオンと笑い声で満たされた深夜の繁華街何も考えてなさそうな幸せな顔をした奴らばかりでもこの路地を裏手に回れば輝きと裏腹のはきだめをなかったことにして避ける先進国とはその名ばかり毎日どこかで人が人を殺し、知らない誰かに祈り捧げ産んだかと思えばすぐにゴミ箱へ投げ捨てる希望の薄明かりこの白々しい騒がしさに全身を染めることもできずにだからといって真っ向から戦う勇気もなく人を憚りマ
2017年11月16日 02:00
仕事は今日辞めた 彼女とも別れた俺は今やっと 俺のために生きていくどこかでエンジン音が響く 用もなく外へ出る誰も止めない 何も待っていない 深い夜へ踏み出す人づてにきいた話 昔の仕事仲間の話あいつは辞めたあとで 夢を追って死んだという家出同然で飛び出した故郷 ネオン街と重ねて照らされてできた影の中 思い出が亡霊のように浮かぶこんな時に誰かに電話しそうになる頑張ったねと言っても
2017年11月16日 01:52
二人ベッドで寝がえりで 目が合って笑いあって声上げて笑いあって 濡れた朝日に目を細める水たまりの道標 どこまでも照らされていてそんな日曜日 今日はどこか出かけよう昨日夜更かしして観た映画を返さなきゃそういえばシャンプーも切れていたよね近場の街に行くべ 寝ぼけて訛る君が可愛くてそんな日曜日 今日はもう少し遠出しよう虹色のレジャーシート もしものビニール傘2本コーヒー、紅茶、魔法
2017年11月10日 02:26
紙ににじむインクをただ見ている黒板の文字はどんどん増えていって見失ったからノートをとる意味はもうないおもちゃ箱から飛び出した世界は思ったほど面白くなくて散らかったままが好きだった片づけるのは苦手だったゆらゆら枯れ葉が舞い落ちる見せつけるように舞い踊る飛べないのは、僕だけみたいだマーカーペンが手元から 離れて床の上をはねたふとした勢いで目は前を見る僕がたどって線を引きた
2017年10月15日 22:35
ここにいるのを運命ではなく 宿命とするのであれば逃げようなんて思わない なんでだって、楽だから君と話をしているその一瞬 頭の隅にある思想例えばそこのカミソリを 僕は君の喉元へ例えばそこの包丁を 君は僕の下腹部へ自由というのは そういうことだと思う球体アクリルの中覗けば ちび屑ぎっしりそれは箱庭の中 僕らは十分もがいている自由の大きさにもがいている 飼いならせずに困っている自由
2017年10月5日 22:52
ガラス越しドアの窓から覗く ブラインドが閉まった君の部屋ちょっとつま先をたてて覗く 静まり返った部屋が、水で満たされた海のようで開けたら闇に飲まれそうで ここで黙ってみていた入るとおぼれてしまいそうで ここで黙ってみていた君が泳いでいる こっちにおいでと 僕に誘いかける真夏の湿度が外の僕を包むこの部屋だけは海の底のように冷たく孤独でアクアリウムのように君がおどるもう会えない君
2017年10月4日 23:34
春夏秋冬 何回回ったかな 色とりどりどこに行ったか 何をしてるか君は 帰ってこないとりあえず私は 君が「ただいま」言うまで 「おかえり」の用意部屋は模様替えして 前より陽がさし込むよでも君のお気に入りの時計は 相変わらずのポンコツだけど捨ててはいないからほんとに戻ってくるかわからないあの日何も言わずいなくなった君のことこうやってずっと信じていればよかったのに風が鼻をつつく 今