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男性の方へ 生理用ナプキンを付けたことがありますか?

いきなりとんでもないタイトルですみません。

男性の方、生理用ナプキンを付けたことがありますか?

こんな突拍子もない質問をした以上、
「え?お前はあるの?」
というリアクションが返ってくると思うのですが、僕はあります。

生理用ナプキンを付けたことがあります。

急性胃腸炎になった時のことです。
山小屋でアルバイトをしていた時でした。

標高2000メートルを越すところでしたので、体調を崩すと悪化する前に、
風邪気味など「○○気味」の段階で山を下ろされます。

危険な山道を、上からも下からも出そうな状況で急いで駆け降りたのを鮮明に覚えています。

そして、麓の街のホテルで一泊してから実家の京都へ戻って療養することになったのですが、その一泊でなんとパンツを2枚も犠牲にしてしまったのです。

ホテルの部屋のトイレに間に合わないくらいひどい状態でした。

次の日には新幹線に乗って京都へ帰らなければならないのに、こんな状態では…
そう思った僕は、なんとかコンビニまで急ぎ、まずは高齢者用のおむつを探しました。

しかし、コンビニには置いておらず。
女性用のナプキンしか選択肢は無かったのです。

その時が、僕の初めてのナプキン体験でした。
僕は男ですので、当然真珠が2つ付いています。
なので女性の方達と着用時の不快感は違うと思いますが、
「女性達はこの着用感を頻繁に感じているのか」
と思ったのを覚えています。

先ほど「初めて」と言いましたが、
ということは「2回目」もあるということです。

2回目は胃腸炎ではなく、生理ではない方のお尻からの出血。
そう、痔でした。

現在、予備軍や隠れ痔主を合わせると、日本国民の約7割が痔民党員であるとまで言われています。
僕も付き合いは長く、治療も重ねてきました。

住み込みでの季節労働をしていた時のことです。

京都でお茶刈り、和歌山でみかん取りのアルバイトをしていたのですが、
どちらも基本的に足腰の踏ん張りが大事です。

京都の茶畑は傾斜がキツく、その上2人用のお茶刈り機は両手が塞がるので、基本的にずっと踏ん張らないといけません。

みかん取りも基本的にはずっと木登りをしている状態なので、踏ん張りが続きます。

この「踏ん張りが続く」ということがいかに辛いかは、痔っ友の皆さんならお分かりと思います。

そのせいで僕の痔は悪化の一途をたどり、時にはパンツが赤く染まるなんてこともありました。

もうここまで来たらお分かりかと思うのですが、そうです。
ここで2度目のナプキンの出番です。

どちらも本来の用途とは違うのですが、とても僕の力になってくれました。

そしてなんと、僕とナプキンの付き合いは、農業バイトを離れてからも、
まだ続くのです。

痔の治療を本格的に始めてから、薬を注入したときに、その塗った薬がパンツにつかないように、塗った日に限ってナプキンをつけるようになりました。

記事を書いている今現在は、状態はそこまで悪くないので、お世話になっていませんが、こうして僕とナプキンの関係は現在まで続いています。

さて、僕がこの記事を通して何が言いたいかというと、
男性達への提言です。

あなたは、生理と排卵の違いが言えますか?
ナプキンとおりものシートの違いがわかりますか?
羽付き、羽なし、多い時用などの違いがわかりますか?

僕は偶然、生来の胃腸の弱さと、痔によって、
少しではありますが女性の気持ちを、ほんのわずかではありますがその一端を知ることができました。

男性諸君、ナプキンを付けよ!
などと言いたいわけではありません。

普段から、どれだけ女性の立場を考えて物事を考えていますか?
ということです。

どうやったって運動能力的に男性に勝ることができないこと。
性交渉においては人間の体の構造上受け身に回らざるを得ないこと。

家事や育児に女性により適性があるなんて事実は存在しないこと。

「女性らしさ」という看板を、自分が身近な女性に背負わせてはいないか。
逆に「男性らしさ」の檻に閉じこもっていないか。

僕は、ナプキンを着用するという経験は、馬鹿らしいと思う人もいるかもしれませんが、
本当に良い経験だったと思っています。

私たちが日頃当たり前にしていることを「良い経験」だと?
ふざけるな!
そんなお声が聞こえてきそうな気もしますが、
していないよりは絶対に良い経験だと思います。

僕たち男性はどうやったって生理の辛さは理解できないし、
妊娠出産の辛さや達成感、嬉しさ、幸せも味わえない。

100%わかることはできないけれど、
わかろうとすることはできる。

僕はナプキン着用経験を通して、
体感で学べないのならば、本を読もう、せめて知識としては身につけておこう、
と思い立ち、生理のことや女性の体のことについて書かれた書籍をいくつか読みました。

もちろんまだ理解には程遠いですが、女性でも知らないかもしれないホルモンの名前や作用などを知ることができました。

最後にもう一度。
女性、男性、あらゆる立場に関係なく、「他者」という時点で
「お互いを100%理解し合う」なんてことは不可能です。
しかし、「わかり合いたいよね」という姿勢を示すことはできるはずです。

その姿勢を見せ合うだけでも、夫婦喧嘩、恋人同士の痴話喧嘩、
女性に配慮の無い職場などは、少しずつ減っていくのでは無いでしょうか。

熱くなって来たので、今日はこの辺で。

痔・Endです。

小野トロ

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