「メランコリック」
仕事が入り、観にいけないかと思われていた「メランコリック」の試写会。
幸いにも早めに終わり、無事会場に向かうことができました!
まずこのポスターを観て思ったのが
暗い。怖い=サスペンスホラー?
生気を感じられないような暗い表情をした真面目そうな青年の背後には、暗い銭湯のタイル床に惨殺された死体。髪に隠れて目が見えない怖い金髪兄ちゃん。
ヤクザものみたいな感じかなという印象でした。
しかし観終わった後は全く違う印象になりました!
私が好きだなぁと思ったところは、伝えたいことのテーマを持ちつつ、エンタメ性ある映画であるところ。
現実の世界を舞台にしているからといって必ずしもリアリティを追求しなくても良い。伝えなくても良いところは削ぎ落として、1つのヒューマンドラマとして物語が作られていると思いました。
東大出身だけど卒業してからアルバイトを転々としたり、ニートだったりする主人公と
人生は楽しみながら生きていくものだという常識がなく、ただただ生きているだけという元殺し屋、松本。
この2人の価値観、セリフにドラマ性があり、この作品から伝えたいことが詰まっている気がしました。
しかしその伝えたいことだけをしっかり伝えるだけで終わらず映画として楽しませる要素を盛り込んでいて、そこが上手くマッチしているところがとても面白かったです。
そのヒューマンドラマを軸に
「殺し屋」という日常的でない要素が絡んでくる。
現実的でない要素と日常を繋げることって、何か噛み合ってないとチャチくみえたりして、観ていて物語が入ってこない、冷めちゃう作品になりやすいなと思うのですが、この作品はその「違和感」を堂々と見せていることによってファンタジーのような映画として面白い要素の一部分にしていました。
試写会後のトークイベントで「メランコリック」のタイトルの意味を聞かれた時の監督の回答は「意味は”憂鬱”という意味だけど、響は可愛いらしくて、そこがこの物語に合っている」と言っていました。
私もこのタイトル、この作品に合ってるなぁと思ったのですが、初めてこのタイトルを見たときパッと思いついたのは「メリーゴーランド=ファンタジー」みたいな言葉の意味よりも思いっきり響きから入りました笑
そしてあのポスター。可愛らしいタイトルに反しているので、何となく狂気的な物語かなというイメージが付きました。
そしたら、鑑賞後とのギャップ!
キャラクターそれぞれに愛らしさを持てたし、
私にとっては納得できるファンタジー要素がしっかりとありました。
特にスッキリと違和感がハマってるなぁ!と感じたのは主人公の実家部分。
突っ込みたくなるところ含めて、最後にあの良きシーンに持っていったのは確かに「第二のカメ止め」と言われるほどの脚本の計算高さを感じました。
そして、何と言っても芝居力の高さに驚嘆。。。
あっこれ芝居なんだよね…ってハッとさせられるほどナチュラルすぎて印象的だったセリフ。
金髪の松本が、仕事が深夜にまで及び主人公と2人で早朝に銭湯から出てきたところ。
あくびをしてから一言「3秒で寝れる。」
日常的にこんな感じで言う人いる!って身近に感じすぎてびっくりしました笑
これはめっちゃピンポイントでしたが
全体的にもナチュラルで、一人一人キャラクターがしっかり立っていたから、分かりやすい。そして面白い!
トークショー司会はアップリンク代表の浅井隆さん。
いつも面白い作品をあのくつろげる独特の空間で流してくれる渋谷の大好きな映画館です。
公開は8/3からアップリンク渋谷、吉祥寺、イオンシネマ等で順次公開とのことです。
noteを始めてから間も無くして知ることのできたこの機会。イベントディレクターの方々、良い機会を設けていただきありがとうございました!
右:磯崎義知さん(松本役&アクションシーン演出)真ん中:皆川暢二さん(主演&プロデューサー)左:田中征爾監督
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