一陽来復の娘 13
↑の続きとなります。
日も暮れて、ぱら、ぱら、と小雨が降ってきた中、
「参加の方はこちらに並んで下さい。」
との警備の方の誘導に従い、私は、そっと並びました。
「お父さん、何も見えないよぉ」「まだ始まってないから」
皆さん、ご家族や、お友達と楽しげにお話しをされています(*´ω`*)✨
「始まっても真っ暗で見えないんだよ」「あー○○は、このお祭りはじめてだったなぁ?」「前来た時はまだ生まれてなかったもんねえ」
お祭りに参加されて、ご家族の歴史を感じられているようなお話し声が聞こえてきました。
他の皆さんも、
「寒いねぇ」「おトイレ行きたーい」「○○ちゃん、お母さんの手離さないでね」「迷子になったら帰れなくなるよ」「○○さん来た?」「迷ってるのかなあ」
と、とても楽しそうに、にぎやかにされています。
(私も次は、誰かと一緒に来たいなぁ…(*´ω`*)✨
などと思いながらしばらく待っていると、
雨が止みました。
(お浄めの雨だったのかな?)
と思い、ふと空を見上げると、
(わあ…!)
そこには、
宇宙さながらに、
広く、大きな、濃紺の夜空がひろがっていて、
満天の星が、ちか、ちか、と、輝いていました。
(…すごい…すごい…!来てよかった!(*´ω`*)✨
私は、その、普段見ないような星空に、
吸い込まれそうになりながら、
果てがどこだかわからない、
広い、広い、夜空を見上げていると、
今まで、いろいろ考えていた事や、
もやもやしていた事、
それらが、少しずつ消えて行き…
(気持ちいいなぁ…)
どんどん、どんどん…
心も、身体も…
すーっと…
清々しく、浄められていき、
「軽く」なって行くのを感じました。
そして、
なぜか、様々な事が走馬灯のように、
浮かんで来ました。
幼い頃のこと、
大きくなってから、
そして、大人になってからの事…
楽しい事や、嬉しい事も、勿論ありましたが、
家の事や体質、「役目」などもあり、
「そうではない事」も、たくさんありました。
それでも、
お恥ずかしいのですが、
なぜだか、いつも、私の心の中には、
「すべてがいとおしい」
という気持ちがあり、
決して口にした事はありませんでしたが、
どこかで、
自分も、みんなも、
どのような事があったとしても、本当は、
過去にも、未来にも、今現在の状況にも、
なにものにもとらわれずに、
今、自分がどうあるか、どうありたいかを、
選び、生きる…
それが、出来る。
私たちは、本当は、自由なんだ、自在なんだ、
自分で自分を助けてあげられるんだ、と。
そう思う気持ちがありました。
様々な理由で持つことになった
「とらわれ」や「思い込み」で、
自分や周りを痛めつける人と「出会う」たび、
私自身も、辛い思いをしましたが、
そんな中、
(このような苦しみは、自分一人の身の内に留め置きたい)
というような思いと、
(大した事は出来ないけど、苦しむ人を、そのままにしておきたくない…)
という思いが生まれ、
そして、やがて、
(全てを大切に思う心に従って、生きてみようか…)
と、思った事を、静かに、思い出したのでした。
(そうだった…そうだったなぁ…懐かしいなあ…)
私は、しまっていた宝物を思い出したような
気持ちになり、
胸の奥が、ぽかぽかとあたたかくなりました。
…どぉーん…どぉーん…
と合図の太鼓の音が辺りに響きました。
いよいよ追儺祭の始まりです。
皆さん、私語をぴたりとやめられ、辺りは
しん…
と静まり返りました。
境内の灯りが順々と消されてゆき、
神職の方の祝詞が始まります。
続きますm(_ _)m💦↓
※今回、ご相談の方が立て込んでしまいまして、更新の間が少しあいてしまいました。
もし待っている方がおられましたら、誠に申し訳ございませんでしたm(_ _)m💦
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