夫の命の恩人は私です。
うちの夫のぴぴは、あまり言うことを聞かない。特にぴぴが自分で作った食べ物については、よく問題になる。
例えばカスピ海ヨーグルト。
きちんと固まらず、ただダマになったぬるい牛乳で、食べずに捨てることが何度かある。
それなのに、また作りたがる。
なんで、そんな健康食品を作ろうとするかは、ぴぴは結婚してから10キロ近く太っており、時々その事を気にしているから。
この前は、ヘルシーでお腹に貯まるコーヒーゼリーを作ろうと思ったらしく、オオバコという粉を買ってきた。
液体に混ぜると、オオバコが水分を含んで膨らみゼリー状になるそうだ。
ぴぴは、これは簡単に作れるぞ!と思ったらしい。コーヒーを淹れて、その中に基準値を4倍くらい超えるオオバコを調子良く入れてコーヒーゼリーを作ったのだ。
見た目、オオバコが溶けてないところがあり、刻んだ椎茸のように見えるところがある。
なんと恐ろしい。
ぴぴは、そのオオバコゼリーを、1日でバット半分くらい食べようとしていたのだ。
夕食の冷製パスタ2束とお惣菜売り場で買った巻き寿司の小さいの4つを食べたた後、大きなわらびモチのように切ったオオバコゼリーを3切れ食べ始めた。
私「そんなに、食べるのやめーや。オオバコの粉、適量守ってないんやろ。お腹痛くするで。腸閉塞なるよ。」
ぴぴ「大丈夫だし」
私「腸閉塞なったら、のたうちまわるくらい痛いって世界仰天ニュースでやってたで。入院せなあかんで。入院したら、そのゼリーより高くつくから、やめ!」
何回も何回も言うと、しぶしぶ文句を言いながら食べるのをやめた。
こっちは親切で言ってるのにと拗ねながら食器を洗っていると、台所にぴぴが来て横に立っていた。
ぴぴ「ありがとな。」
いつも、そんなことを言わないぴぴが、なんか分からんお礼を言ってきた。
その事を母に話すと、さっき台所に行く前に、お腹をさすってトイレにこもっていたらしい。
たぶん、あのまま食べてたらヤバいと思ったんだろう。
あの人、危うく腸閉塞になるところを救ったのだ。私はぴぴから命の恩人と言われてもいいと思う。
今後、説明書も読まずオオバコのゼリー作るのは、やめてほしい。