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コーチングとは?(人間におけるマインドのからくり)

最近、「コーチング」というワードが聞き馴染んできましたが、今回の記事では、じゃあ実際に私が実施しているコーチングってどういうことをするの?どんな理論なの?を説明していきます。

今回の記事で、認知科学をベースにしたコーチングセッション(1on1)って何をするのか?という全体感・ベースとなる考え方が理解できると思います。

「認知科学」という言葉に表されるように、学術的なベースをもとにしているため、再現性が高く、対個人もそうですが、会社全体がより良い組織メンタルモデルになり成果を上げ続ける、という「コーポレートコーチング」に活用できたりします。

コーチングセッションでは「共感・傾聴」など「答えはあなたの中にある」系のコーチングはしません。

なぜなら、共感・傾聴をしてしまうと、現状に留まる力が強烈に働いてしまうため。マネジメントツールのようなものでもないため。(結果的にマネジメントに転用でき大きな成果を上げることもできますが、それはあくまで結果論です)


コーチングには様々な流派が存在しますが、僕が行なっているのは「認知科学」に基づいたコーチングです。

一番の特徴はマインド(脳/心)のカラクリを使って、クライアントのゴール設定を促し、ゴールを達成出来るマインドの構築をサポートするコーチングです。

認知科学コーチングの特徴は、人がこれまでの経験や他人からの影響によって作り上げられてきたルールや常識、無意識のうちに出来上がった縛りである信念(ビリーフ)を書き換えることで、未来を変えることです。

そのための、大事な5つのワードをご紹介します。


1、エフィカシー

ゴールを達成するために最も必要なものが「エフィカシー」です。

でもエフィカシーって何?って思ったかと思います。
僕もコーチングと出会う前はなんのこっちゃ、って思っていました。笑


エフィカシーとはなんなのか?ちょいうと、
これは、ゴールを達成する自己能力の自己評価のことであり、言い換えれば、自分のゴール達成を信じる力です。

わかりやすく言うと、「根拠のない自信」とも言えます。

自分がゴールを達成出来る!!!
と信じている人は、そのGOALに向かって、自ら行動をし、外部からの刺激を必要としません。

重要なことは、自分が出来ると自ら信じていることであり、実際にその能力があるかどうかは関係ありません。

できるかできないかでジャッジしていないということです。

やるか、やるか、みたいな、謎の自信とも言えるパワーみたいなものです。


わかりやすい例で言うと、本田圭佑やイチロー、大谷翔平がわかりやすいと思います。

本田圭佑選手の卒業文集で目を引くのは、一行目の断定形。 「なりたいではなく、なる」と自分で言い直して、言い切っています。

ここに夢を叶える為に必要な、アファメーション(自己肯定)と覚悟が見えます。

イチロー選手の卒業文集


自分は将来必ず一流のプロ選手になるんだ!
絶対になるんだ。

という、自信があると、そこに向かっていくエネルギーが勝手に出てくる。

なので、有名スポーツ選手などはエフィカシーが高いと言われています。

多くの人は自分でエフィカシーを上げるのは難しいと考えていますが、マインドの使い方を変えることで、自然とエフィカシーが高まるようになります。

コーチの仕事は、究極、クライアントのエフィカシーを上げることだけとも言えます。


2、RASとスコトーマ

・スコトーマ
スコトーマとは、心理的盲点のことを言います。

人間には意識・無意識があり、人間は自分が重要だと思っていることしか、実は見えていません。

自分達の評価基準によって、無意識のうちに見えるものと見えないものに分けているんです。

例えば、毎日使っている通勤路でも、いつもは車で通っていた道を歩いてみたりすると、道路のガタガタとか、こんなところにこんな家があったんだ、とか、こんなところに公園あったんだとか、美味しいパン屋さんが実は近所にあったとか、なんてことに気づくでしょう。

これらは今までと何ら変わりありませんが、我々の日頃の生活にとって重要でなかったから見えてなかっただけなんです。


RAS(Reticular Activating System/網様体賦活系)
RASとは、Reticular Activating Systemの略で、日本語では、網様体賦活系(もうようたいふかつけい)と言います。

なんやねん!ってなりますよね。笑

この機能を簡単にお伝えすると、その人がもつ関心事に対して、脳は情報を集めるのに鋭敏になる、というものですRASとは脳を活性化させるシステムのことです。

実は人間は全てのものは見えていて、RASが重要なものだけを意識に上げ、重要でないものを無意識下にして活性させていないんです。

例えば、ベンツを買うと決めると、やたらと道端を走っているベンツが目に入るようになったり、赤色の服を着た日には、赤を着た他人や赤色の物が急に目につくようになります。(李さん例えパクってすいません)

このように「スコトーマ」と「RAS」は裏表のような関係であり、人間は重要度によってものが見えなくなっていたり、急に見えたりするようになります。

そして、その重要度は外部からの情報や指摘によって比較的簡単に変わる特性もあります。

コーチングにおいては、スコトーマを外すこと(心理的盲点)外すことで、現状の外に行くことが行きやすくなります。

そして、現状の外に本当にやりたいゴールを設定することで、RASが発火する様になります。(今まで見えなかったものが、次々見えるようになってくる)なので、これからGOAL設定のお話しもするんですが、現状の外にゴールを設定すれば無意識下でRASが働き、自然とゴールへの道が拓けてきます。


3、コンフォートゾーン

コンフォートゾーン(CZ)とは、安心安全なゾーンのことです。
言い換えると、自分にとっての居心地の良い空間のことです。

人間には常にコンフォートゾーンというものに守られています。
言い換えると、居続けようとする機能が備わっているんです。

これをホメオスタシス(恒常性維持機能)と言います。

コンフォートゾーンから抜け出そうと思っても、ホメオスタシスによってコンフォートゾーンに戻ろうとする力が働くので、抜け出すことは出来ません。

この力は意識ではなく、無意識の力なのでコントロールすることが出来ません。

で、その力は超強力です。めちゃめちゃ強力。


例えて話すとめちゃめちゃわかりやすいんですが、
例えば、僕サウナがめちゃめちゃ好きなんですね。

で、平熱36.5°の僕が、100°のサウナに入るとどうなるか?

僕の体温は100°にならないですよね?

元の36.5°を維持しようとする働きが生まれてきます。
これがホメオスタシスが作動している証拠です。

言ってしまうと、僕の平熱の体温36.5
これが僕のコンフォートゾーンなんです。

なので、気温が変化しても体温は変化することは基本的にはありません。

100°のサウナに入っても、元の36.5に戻せー!!!!!
って指令が脳から出るので、人間の体は汗をかくことで体温をキープしようとするんですね。

逆も同じで、寒くなっても、体が震えたりすることで体温の低下を防ぎます。鳥肌とかサブイボが出るのも同じです。

怪我が勝手に治るのも同じロジックです。


そしてですね、これめっちゃ大事なんですが、
コンフォートゾーンは一つしか取れません。


コーチングにおいては、このコンフォートゾーンの概念と、ホメオスタシスの働きをゴール達成に利用します。

現状のコンフォートゾーンと、現状の外のゴールは離れているのは、なんとなくわかりますよね?

ゴール側に向かっ頑張ろうとしても、現状のコンフォートゾーンにすぐに引き戻されてしまいます。

そこで、コンフォートゾーンは2つ取ることは出来ない、臨場感の高い方のゴールを採用するという脳の仕組みを利用します。

つまり、現状のコンフォートゾーンから抜け出すのではなく、ゴールに対する臨場感を高めることでコンフォートゾーンをゴール側にズラします。

ゴールを達成した自分から現状の自分を見たら、今のコンフォートゾーンの方が居心地が悪くなります。こっちに行ってない自分が気持ち悪い!ってなる感覚です。


なんで、身体で例えるとわかりやすいんですが、
ダイエットの例で言うと、体重を30kg減らす!

という数値目標をゴールにするのではなく、痩せた後に想像出来る新しいライフスタイルをイメージします。

素敵な洋服を着て、颯爽と生活する。
雑誌に載る。
新しい人との出会う。とかとかですね

なので、モチベーションを上げるとかではなく、コンフォートゾーンをずらすマインドセットが大事ってことです。

こうやってゴールの世界の解像度が上がり、その臨場感が上がると、脳はそのゴール側の世界こそが本当のコンフォートゾーンと判断します。

そうすると、今の状態の方が居心地が悪くなり、自然と行動が変わりリバウンドすることもなくなります。

このゴールへの臨場感を上げ、コンフォートゾーンをゴール側に動かすために必要なことが「セルフトーク」です。


4、セルフトーク

セルフトークとは、簡単にいうと、無意識に自分自身に話しかけている言葉のことを言います。

要は自分を作っているもの。パフォーマンスを決定付けるものです。

人間は1日に3万~5万回も意思決定をしています。
自分に語りかけていると言われています。


この「セルフトーク」を変えることが、ゴール達成の鍵になります。

セルフトークによって自分が成功している映像をつくる。
その映像が感情を想起させます。それによって自己イメージが形成され、これが新しいコンフォートゾーンを作ります。ってことです。


いくら高いゴールを設定しても、毎日自分には出来ない、無理だと自らに語り掛けていたら、ゴールを達成出来る訳ありません。

これらをネガティブ・セルフトークと言って、これをポジティブに書き換えていきます。

例え失敗しても、「しまった」ではなく、「自分らしくない」で良いのです。
また失敗しちゃった!ではなく、これで成功に1歩近づいた!って感じでいいんです!

でもこれが、GOALへの臨場感を高めて行きますし、エフィカシーが高い状態ですと、これを全てリフレーミング(捉え方)を全てポジティブの変換できるんですね。

なので、セルフトークはめちゃめちゃ重要なんです。


5、ゴール設定

最後、ゴール設定ですね。

コーチングにおいて、最も重要な概念とも言えます。

でですね、ゴール設定っていうのはそう簡単にできるものじゃないんです。

ゴール設定の重要なポイントは以下の3つあります。

1、現状の外側
2、Want toに基づくもの
3、オールライフで設定する

この3つがめちゃめちゃ大事です。

では、1個ずつ説明していきます。

1、現状の外側

「現状の外にゴールを設定する」は認知科学コーチングのコア・コンセプトであり、他のコーチングとの大きな違いでもあります。
僕はこれこそ本物のコーチングでもあると思っています。

まず現状の定義からお話しした方が早いんですが、
現状とは、「現在の状態ままいけば十分に起こりうると予測される未来のこと」これ全部現状です。

スポーツ選手が金メダルを獲る、業界でNo.1になる、会社の社長になるなどは今の延長線上にあることなので、どれだけ高いゴールでもこれはは現状です。

これを「理想の現状」と呼びます。


現状の外とは、今の延長線上にはなく、「今の置かれている環境からは想像もつかない未来」のことをいいます。

現状の外のゴールとは、これまで考えたこともなければ、やり方も全くわからないし、リソースなどあるわけがない。そんなことやれたら最高で、考えるだけでワクワクする。

でもこんなこと言ったら、言ったら絶対に止められるし、行動に移すのは怖い。

でも、それこそが「現状の外側のゴール」です。

現状の外のゴールとは、国レベルで言えば、法律を変えなきゃできないこと。現行法を改正する。

会社・企業であれば組織構造、事業ポートフォリオ、ビジネスモデルを変更しないと辿り着かない未来です。

個人で言えば、日々の習慣やものごとの見方、態度、大切にしていることが変わらない辿り着かない未来と考えます。

2、Want toに基づくもの


これはですね、やらなきゃ〜!とか、
しなきゃ〜!とかのhave toではなく、

心からやりたいこと。本音でやりたいこと。Want toであること。

「Want to」とはですね、「本当に自分がやりたいこと」です。
なので「want to」であることが重要です。

なんで、これが大事かっていうと、徹底したゴールに対して、恋するような感覚を持つことが大事なんですね!

現状の中で自分がやりたいことではなく、禁止されてもやりたいこと、やってしまっていることです。「願望」というレベルではなく、「喪失感」というレベルで自分が心の底から欲しているものです。

現状に不満を持っている人にとって、本当にやりたいことというのは過去に禁止されたことによって抑圧されていたり、「have to」や思い込みによって見えなくなっていることが非常に多いです。コーチはこの本当の欲求を見つけ出し、現状の外に押し出してあげることも大事な仕事です。

なので、GOALは「Want to」に基づくものがめちゃめちゃ大事ってことです。

3、オールライフで設定する

ゴールは複数の領域で用意することが大切です。

例えば、よくありがちなゴールを聞くと、会社の社長とかでいうと、
「会社を上場させる」、「億万長者になる」、みたいなのがありますが、これは一つの領域でのゴールに過ぎません。

コーチングにおいては、バランスホイールでGOALを設定するんですが、8つの領域でゴールを設定することが大事ってことです。


仕事:身銭を切ってでも、人の役に立つこと。
趣味:本音のwant toであり、人の役に立たないこと
人間関係:仕事とプライベートの人間関係
家族:自分の両親、自分が作る家族、自分の子どもにとって、どう在るか
社会貢献:自分の利益ゼロで、自分の重要度の外への貢献(慈悲心のこと)
知性:抽象度を高める、体系知識を身につける学び(生涯学習)
健康・美容:上記のゴールに対して必要な運動・栄養・休息・美容の在り方
ファイナンス:上記のゴールを実現している際の、収入と支出の差額(資産)



仕事、趣味、人間関係、社会貢献、知性、家族、健康、ファイナンスと8つの領域において、それぞれゴールを設定します。

いくら仕事のゴールを達成したと言っても、それで健康を害したり、家族が崩壊しては意味がありません。

いくらお金を稼いでも、趣味も知性も人間関係もない人が魅力的と言えますか?

本当の意味で幸せになるためには、オールライフでゴールを設定して、その全てをバランス良く回すことが大切です。


まとめると


6、まとめ

っていう感じで、以上が認知科学に基づくコーチングのベースとなるコンセプトです。

このコーチングの最大の特徴は、「ゴールを現状の外側」に設定すること。

それによって、ストコーマが外れ、RASが発火し、エネルギーと創造性が生まれる。

ゴール側にコンフォートゾーンをずらすことで、現状の自分の状態の居心地が悪くなり、自然と行動が変わる。高いエフィカシーを持って、自分がゴールを達成出来ると信じ、日々のセルフトークを変えていく。

これが人生を劇的に変えられるマインドのからくりになります。

そして、一つの領域でなく、8つの領域にバランスよくゴールを設定し、人生を豊かになっていく。

コーチの仕事は、そのゴール達成に向けて、上手なマインドの使い方を教えて、クライアントのゴール達成を全力で信じ、サポートしていくことです。

ぜひ一緒に人生を劇的に変化させていきましょう。




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