22/30年しか知らない私だけど、大好きな人たちに手紙を書きます。
拝啓
敬愛する皆様へ。
東京ドーム初日、いかがでしたか。
きっと大盛り上がり・大成功に違いないライブになったことでしょう。私も近々お邪魔いたしますので、その時はぜひ、最高のパフォーマンスを見せてください。大いに期待しております。
2000年、ミレニアムベイビーとして生まれた私。世の中は、なんだかよくわかんない不安と高揚感に包まれていて、そんな世の中を上手く切り取った歌をみなさんも歌われましたね。「Q」というアルバム、私も好きです。昔からみなさんは、この世のざわめきや変化を捉えるのがお上手でしたね。そんな言葉選びの上手さ、シニカルさ、音作りの絶妙さ。その全てを尊敬しております。
小学生の頃から、私とみなさんの人生は花開き始めました。カーステレオの中で流れる「しるし」「ひびき」。ラジオから唐突に流れてきた「innocent world」。疾走感と解放感に包まれた「擬態」。一番心に刻まれているのは、全部全部あの頃に聴いたみなさんの音です。あの日々が無ければ、今日こうして思いをしたためることも、きっと無かったでしょう。
部活にひたむきに打ち込んだ中学時代。おこづかいを貰えるようになり、必死に貯金してアルバムを自分で買った高校時代。そして、初めてのライブ。進んでいくたびに、みなさんとの思い出がどんどん積み重なっていきます。それらは全部、心の奥の深い場所に刻み込まれ、もう消えはしないのです。
こんなに素敵な音楽があるのだという風に教えてくれた母に、私は恩返しをしなければ。その一心で、今日まで走ってきました。そんな母が、明日、何度目かの誕生日を迎えます。私は、初任給を思いっきりつぎ込んで二つプレゼントを用意しました。
ひとつは、2枚のベストアルバム。
もう一つは、30周年ツアーのチケット2枚。
そう。やっと、母とみなさんが対面することになりました。もう、これだけでも、泣きそうになって、心がいっぱいになってしまいます。まばゆい光がドームを包み込み、盛大な拍手が広がっていくその時、私はきっと泣くでしょう。母と一緒に、泣くでしょう。涙が枯れてもなお泣くでしょう。
こんな時代を生きるなんて、なんてしんどく苦しい人生なのだろうと思わない日は無いです。未知の病が蔓延った世を、よくここまで必死に生きてこれたもんだと時々自分で自分を褒めたくなるのです。でも、それは決して自分だけの力で生きてきたわけではなく、間違いなくみなさんの力もあってこその人生だったと強く思っています。何が起こっても変じゃない。そう思えば、大抵のことは怖くないなと、しみじみ感じています。
どれだけ不安な時代でも、先の見えない人生でも、皆さんが歌ってくれているだけで、まだ頑張ろう。もうちょっと頑張ろう。あとちょっと生きてみよう。そんな気分になるのです。そして恐らく、みなさんがもうこの世から去っていったとしても、それは変わらないでしょう。
こんな人生に、眩い光を照らしてくれて
本当に、ありがとうございます。
伝えきれない感謝を、この記事に込めます。
今日5月10日は、Mr.Chidrenのデビュー30周年記念日。
改めて、心からお祝い申し上げます。
そして、今後の益々のご活躍を心からお祈りいたします。
おしまい。
P.S.
今日は最後に、これまで瑞野蒼人が公開してきたMr.Childrenにまつわる記事をずらりとまとめてみました。これがまさしく瑞野的・ミスチルオールタイムベストです。あす発売となる2枚のベストアルバムと合わせて、お楽しみいただければ幸いです。