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牛丼屋のお冷が熱熱の緑茶に代わる頃

ネクタイ毎日締めるのめんどくさいなー。
こんにちは。瑞野蒼人です。

だんだんと寒さが感じられるようになってきたこの頃。ワイシャツ1枚で外に出るのがしんどくなってきたので、昼休憩にはジャケットが欠かせない。私は相変わらずの牛丼生活を送っている。以前より若干ペースは落ちたが、それでも週3~4日は松屋に通う毎日だ。

松屋はどこの店も大体セルフサービスで、お冷とかも自分らで注ぐようになっている。ウォーターサーバーみたいなやつがあって、冷たい水と玄米茶、温かい水と玄米茶がそれぞれ選べるようになっている。私も夏の間はずっと水だったが、先日ちょっと風が強くて肌寒い日があった。こんな日はやっぱり暖かさが欲しくなる。今年初めてコップに暖かい玄米茶を注いだ。

誤算だったのは、その玄米茶がのどちんこがひっくり返るほど熱かったことである。喉元過ぎれば熱さを忘れる、じゃないが、喉をぐーっと熱いものが胃まで駆け下りていくのがよく分かるほどの熱さだった。

結果、熱々の牛丼を頬張りながらアツアツの味噌汁を飲み、ちんちんに熱された玄米茶をぶち込むというこれは何の拷問だ状態になってしまった。いくら寒くなってきたとはいえ、まだお冷をお茶にするぐらいの寒さではなかったと、私は学習をした。


牛丼屋のお冷が熱いお茶に変わる瞬間が
一番季節を感じる瞬間だなと私は思う。

学生時代、バイト上がりにわざと遠回りして一番近い吉野家まで行って、飯を食ってから帰ることが結構あった。特に冬場なんかは『牛すき鍋』シリーズが凄く好きだったから、それを食べたくて息を切らしながら自転車を漕いでいた。

バイパス沿いの煙たさの混じった空気。大きな車が通る度に歩道に風が吹きつけて、肌を刺してくる。とにかく早く、体の芯から温まるほど暖かいものが食べたくなる。そんな道中を何度も過ごした。

そんな想いをしてやっと到着した吉野家で、最初に出されるあの暖かい緑茶。吉野家は他の牛丼屋と違って、かなりどっしりとした重厚感ある湯呑でお茶を出してくれる。持つだけで手がジンジンして、これは絶対冷まして飲まないとやけどするな、というのを本能レベルで訴えかけてくる。

それでも、飲まずにはいられない。
とにかくまず、温まりたいのだ。
手も、腹の中も。

意を決してぐっと一口すすると、案の定チンっチンに熱い。しかし、自然と胃の中がかっかとしてきて、ぐつぐつ熱せられた牛すき鍋を受け入れる体勢ができてしまう。鍋が運ばれてくるころにはすっかり、熱い物どんとこい!というようなポーズをとることができるのだ。

別に牛すき鍋をベストコンディションで食ってほしいがためにわざわざアツアツの緑茶を出しているわけでは決してないとは思うのだが、吉野家の分厚い湯呑に入ったあいつは、この時期になると何となく欲してしまう不思議な存在なのだ。

今年こそはアイツで絶対にやけどしない。
と、思ってても結局やけどしてしまう。
畜生、憎い奴だぜ。



おしまい。



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