見出し画像

拝啓、音楽を愛するすべての皆様へ

こんばんは、瑞野蒼人です。

基本的に時事ネタはあまり書かない路線でやってますが、今回ばかりはどうしても黙ってられなくて筆を執りました。ひとりの音楽好きの個人的意見だと思って、お付き合いください。


一部のニュースで話題になってますが、愛知県で開催されたヒップホップの音楽フェスが、コロナウイルス感染防止のガイドラインをあまりに逸脱した環境下で強行されていたことが判明し、ネット上などでいわゆる「炎上」状態となっています。主催者側や出演者が相次いで謝罪をしていますが、このフェスが音楽業界全体に与えた風評被害は計り知れません。

本当に、本当に、本当に心底がっかりしました。

これでまた「音楽フェス」や「ライブ」が全てひとくくりにされて「感染拡大するに決まってるから中止しろ!」の大合唱に戻ってしまうかもしれない。そう思うと、残念でなりません。世の良識ある大多数のアーティストが対策を打てるだけ打って細心の注意を払って興行を行っているにも関わらず、たった少数の人間によってその努力を水の泡にされる。これほど理不尽なことはありません。言葉にならない怒りです。


思えば、2020年は様々なライブやコンサートが中止になりましたね。きっと沢山の音楽好きが耐え忍んで、悔しさを飲み込んだ1年だったと思います。私もそうでした。アーティストのみなさんもじっと耐えながら、しかし少しでも音楽を届けるために努力を重ねておられたはずです。

”離れていてもひとつになれる”

数限りない新しい音楽の中で、
沢山開催されたオンラインライブの中で、
歌手の皆さんはそのことをしっかりと伝えてくださいました。


私は今年、横浜でのOfficial髭男dismのライブに、コロナ後初めて対面で参戦しました。主催者側でも出来る限りの対策を取り、私自身もPCR検査を受けたうえで鑑賞上のルールも守り、やれるだけのことをやったうえで参加しました。その上で味わった生の音楽は格別で、これまでの辛いことや苦しいことがやっと報われたような、ほっとした気持ちを抱きました。音楽は、間違いなく私の希望でした。

それだけではありません。今後も、Official髭男dismが9月から開催するツアーに参戦する予定があります。現状は緊急事態宣言下でもガイドラインを厳守しながら開催される予定ですが、正直どうなるかわかりません。このツアーは、2020年に予定されていたアリーナツアーが全公演延期となり、振替の見通しも立たないまま1年が過ぎ、ようやく再開の見通しが立って、振替になるべく多くのファンが足を運べるように公演も増やし、ようやく実現目前までやってこれたわけです。

そう、すべては、アーティストとプロモーターのいくつもの配慮と熟考の上に成り立っているのです。我々ファンが会場に行って鑑賞して帰ってハイおしまいではないんです。会場を押えるための努力、設営をするための手配や準備、出演者のリハーサル、もちろん感染対策もあって初めてライブができる。そしてその全てに数えきれないほど多くの人間が関わっている。コロナのリスクを抱えながら、それでも音楽を届けたいという志を持って働いてくれる人がまだ日本に沢山いるんです。でも。いや、だからこそ。たった一回ルール破りをしたという既成事実ができただけで、全ての音楽が悪者になってしまうのです。

そしてそれがバレた時に言い放つ
決まり文句だってもうわかってます。
「自分さえよければそれでいい」。そうでしょう?


どうか日本中のアーティストの皆さん、
プロモーターの皆さん、
そして音楽ファンの皆さん。

もう、もう、お願いですから、決まりは守ってください。大人の配慮をしてください。ガイドライン守ってください。三密避けてください。やっちゃったことは嘘付かないで謝ってください。せめて、百歩譲って会場を提供してくれた地域の人を不安にさせるようなことしないでください。せっかく我々が取り戻せそうだった「ライブがある日常」を、沢山儲けたいとか、ただの風邪だから大丈夫だとか、そんなエゴで奪わないでください。


最後に。今夜も日本中のどこかで働いてくださる医療従事者のみなさん、エッセンシャルワーカーのみなさん。感謝してもしきれません。みなさんの顔に泥を塗る連中がこれ以上現れないことを願っております。



駄文失礼いたしました。

おしまい。