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精神疾患伝説

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精神障害2級(双極性障害、ほか依存症。色々の玉手箱)の 戦ったこと、戦わないこと。苦しみはポイ🌈
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#詩

スモークパイ

スモークパイ

究極のお菓子
わたしの煙のパイ
でも特別なコンビニで
特別ないつものお姉さんから買わなきゃだめで
うんと掃除してクタクタになったあと
クーと安いワインを飲む
その時にしか出来ない

最初にジャンルを選ぶ
アートかワークかファミリーかホビーかフード、その他
樹木の下で
どの枝にどれが実るか
一番分かるのは小さい頃
うんと下からだと全部見える
どれが好きかもすぐわかる

あれがいいな
その枝に遊ぶ可愛

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コクーン・アゲイン

コクーン・アゲイン

また、コクーン(まゆ)の中。

かつて一度だけ、出版した。エッセイである。
今から二十年近く前で、パソコンすらなかった上、家族の監視が厳しく、夜自室で灯りをつけて書いていると怒鳴り込まれるのを恐れて仏壇からろうそくを失敬し、その灯りで書いた。

何度もの精神病院、閉鎖病棟での体験を交え、基本くだらない笑い話と、情緒的というか感傷的な風景や記憶のスケッチなどを綴り、もちろん「しっかりカネを取られて」

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明け方の夢

明け方の夢

明け方の夢の中。
いつもまどろむときそうしているように、私は夫の愛猫になってそのうでの中に丸められ、安心しきって眠っていた。
ああ大好き。
ああ安心。

もういくつか満月がめぐると帰って来る。

夢は、夢によくあるようにふわりと形を変える。

それまで私は私自身でいたはずなのに……。
まだ黎明の冷え切った部屋で、目を覚ます。朦朧としている。
体の痛み。いつもの痛み。
それまで「私自身」だった者が、

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悲しむな

悲しむな

悲しむな
それをいつまでも抱えてるとどうなる?

悲しみを与えた者をわたしは恐れた
恐れは嘘をつくことを覚えさせた
恐れは憎悪に変わり
すべての未来を腐らせた

それらすべては
呪いのように心と体を蝕み
わたしはそれに酔いさえした
ねじれた心はもうまっすぐにものを見ることもできなかった
始終心が渇いた

その苛つきは
ほかの者に悲しみをわずかに与えられただけで
自動的に恨み
怒りを撒き散らした

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Hide,disappear,run away

Hide,disappear,run away

声が聞こえる

ささやき なのに響く

繰り返す

「隠れろ、消えろ、逃げろ」

そしてそれは私の秘密の名で呼びかける

数十メートル背後で小さくドアが開く音
私はするりと隠れる
言われるままに

何故?人間が危険だから?

「それもある。お前も危険な人間だし。だが、出てはいけない。見つかるな。耳目ある者がお前を見つけるまで」

誰なのか

有意識と夢の中に日々

ヒトではないだろうし

もとヒト

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