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悲しむな

悲しむな
それをいつまでも抱えてるとどうなる?


悲しみを与えた者をわたしは恐れた
恐れは嘘をつくことを覚えさせた
恐れは憎悪に変わり
すべての未来を腐らせた

それらすべては
呪いのように心と体を蝕み
わたしはそれに酔いさえした
ねじれた心はもうまっすぐにものを見ることもできなかった
始終心が渇いた

その苛つきは
ほかの者に悲しみをわずかに与えられただけで
自動的に恨み
怒りを撒き散らした
傷つけることが格好いいなどと
わたしの心はどんどんにごって
みにくいばかになった


わたしが悲しみを捨てて
それで恐がらずに
あなたを好きよ、と言うことができれば
あなたがたとえ悪魔に見えても
そんな人はいないと
信じることができる強靭さをいまは持っている
悪魔も生まれたては天使そのものの赤子だったことを知ってるから


あるひとが言った
黙っていなよ?みんなうるさいから


それは自分と
他者を守る智慧
だけれど


ならわたしは花を撒こう
黙って
笑って
悪鬼の像にも恋しい人にも神さまにも
おんなじに


誰もわたしを知らないのが
わたしいまはうれしい
特定の神さまもなく
祈って
小さなことを
きっといいと信ずることをして
変な人だと思われてもいい
もともとそう


悲しみは忘れる
怒りは自分の中から消す
それから生まれる自分の中の悪とのみ戦う
人の悪なんて叩かないわ
もう決して


神さまわたしをこれまで通り
どうか隠していてください
知られぬまま
死んでゆけるよう


はい、お花をどうぞ
もう悲しまないで


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