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海外行くと価値観が変わるって本当?

海外行くと価値観変わるらしいよね()

どうもどうも、ますだみずきです
今日は物語ではなく、私の気づきをシェアさせてください。

海外行くと価値観変わるらしいですよね!!

いやー、私あれは嘘だと思っていました。
オーストラリアにやってきて半年ちょい。「うん、だよね」ってことが多くて、そんなに「価値観変わった!!」っていうことはありませんでした。価値観が変わるというよりも、自分が思っていた考えが、より明確になったというか、確かめられたというか、、、。ほんとうにそれだけでした。海外来たくらいで、半年くらいで、そんなに大きく変わらないのかもしれないと思っていました。

はい、えーと、残念ながら私の価値観は変わりませんでした

そんなことを言って終わるもんかーって思っていました。


生まれて初めてデモに参加しました

「価値観が変わる」ということに対して、そんなふうに思っていた1月26日でした。前日の夜に「明日の朝空いてるかい?」って誘われました。
誘ってくれたのは、2週間前とかに友達になったベトナム国籍の人からでした。年齢も20歳と近く、カメラにお互い熱いパッションを持っていたため、仲良くなりました。そんな彼から、「明日デモに行くんだけど、一緒にどう?」とのお誘いが。

私は「Yes!」です。
なんてったって、予定がフリーなもので!(働け)

それでも、こうして誘っていただけることは本当にありがたく、なにせ滅多にないことなもので、とても新鮮で、ワクワクでもありました。


オーストラリア建国記念日に行われるデモ

実は、オーストラリアの建国記念日は1月26日です。国民の祝日であり、休日です。
しかし、そんな休日にも関わらず、多くの人がデモに参加しています。
それは、1月26日は「侵略の日」でもあるからです。

歴史の話をすると長いので、ざっくりと。

ご存知の方も多いかと思いますが、オーストラリアにはもともとアボリジニという先住民族がいました。そこにイギリスがやってきて、植民地にしていったという歴史があります。その後、イギリスから独立をして、オーストラリアが一つの国になった。

それが、ざっくりとしたオーストラリアです。

そのため、歴史的に見ても、オーストラリアは侵略され、国となっているんです。だからこそ、建国ではなく、侵略の日。それが、デモを推進していく側の主張なのです。

そして、先住民族であるアボリジニは現在でもなおカーストでいうと最下層、苦しい生活を強いられている割合が高いそうです。

デモは議会の前で開かれ、決してクレームを全員で言うのではなく、代表者が10分ずつほどスピーチをしていました。そして、何千人もの参加者が「うんうん」と話を聞いて、強く賛同する時はみんなで声をあげ、拍手を送り、指笛を鳴らし、「仲間」を応援する。そんなふうに私は感じました。
中には、涙を流す人もいて、どこか温かい気持ちになり、同時に熱い気持ちが沸いてもきました。

休日なのに、何千人もの人が集まる。凄まじいです。
しかも、ここだけではなく、オーストラリア各地で行われているデモであり、人々の力を感じています。

「鼓舞」 photo by ますだみずき

圧倒されてしまった私

私はただただ圧倒されました。
温かい気持ちにも、熱い気持ちにもなりましたが、この熱量や想い、そして今を生きるための主張に心を動かされました。

デモと聞くと、少しマイナスなイメージがありました。
私自身、主張が上手くなく、むしろ下手で下手で。だからこそ、私自身が「主張」に憧れの部分もあるのでしょう。
それに、私自身が苦手な理由として、自分の意見を強く要求して良いのか、身勝手なのではないか、そんなふうに思っていました。

国に対する主張をすれば「日本が嫌なら海外に行けば良い」そんなふうに言われてしまうんじゃないか。何も変わらないんじゃないか。そんなふうに思うことが自分の中で当たり前になってました。

「拍手」 photo by ますだみずき

しかし、こうして数千人がアボリジニ側の主張に賛同して、毎年集まっていると言うこと。多くの人が話に耳を傾け、承認し、応援し、行動する姿。それが当たり前かのようにアボリジニの主張を聞き、自らも声を出し、拳を突き上げ、拍手を送る。

家族ぐるみで参加するのも当たり前のようで、子供からお年寄りまで、幅広い年齢層が参加していました。もちろん、子供たちは「帰りたい」と泣く子もいれば、飽きてしまう子もいます。親たちもそれをわかっているようで、途中で退席だってよく見た光景でした。

「デモでも」 photo by ますだみずき

日差しの熱い日でした。頭の回転が速いタイプではないかもなので、こうした感想は基本時間が経ってからやってきます。
そして、今回のように出来事から1日経った後も、「昨日のあれはよかったな」と思えるのは、相当印象が強かったのでしょう。言語化したくなり、こうして書かせていただいております。

ここまでまじまじと魅せつけられたのは、初めてで。自分の中で価値観が揺らぎ、崩れ、立て直されているのではないかと思っています。


デモを通じて

私はデモに参加できて、本当に良かったです。
「参加」と言うには動機がしっかりしていないので、完全にカメラマンな動きをしていました。最初は興味本位で、途中から「このことを日本に伝えないと」と言う気持ちで。

世界では、主張が繰り返されています。
この国で笑い、泣き、喜び、歌い、信じて、眠る。それだけれど、より良い明日を作るために、怒り、声をあげる時がある。
みんながみんな笑顔でも、安全な国であっても、それでも人々の想いを汲み取り、政府に対して大きく声を上げる。

個人主義とか言われる時代でしたが、アボリジニの問題は「私たち」の問題であると捉え、「オーストラリア」が声をあげているように見えました。その力強さは決して日本では経験できるものではなかったし、これだから、多くの背景を持った人が共存できる国であるとも思えました。

今回はオーストラリア建国記念日に対するデモでしたが、デモ会場にはあらゆる多様性や今世界で起きている問題に対する小さくない主張もされていました。単なる一つの問題以上に、より多くの多様性の共存を、公平を目指したデモであることがわかります。

「PRIDE」 photo by ますだみずき
「Always was Always will be」 photo by ますだみずき

今回、私にできたことは、写真を撮ることでした。
それが望まれたことかはわかりませんが、少しでもこのことを、こういう文化を、この主張を、私の周りに伝えられたらと思っています。

個人を超えた力。
まだ上手く言語化できていないところもありますが、ぜひ写真から感じ取っていただけると嬉しいです。

改めて、誘ってくれた友達に感謝です。オーストラリア・メルボルンに私を導いてくれた全てに、そして家族に感謝します。

ではでは、また。

「抱擁」 photo by ますだみずき

ますだみずき

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