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鈍化した言葉では自分を破れない

言語というものは、絶えず振動している。

細かくて微細なバイブレーションを持つものから、大きくて巨大なバイブレーションを持つものまでたくさんある。

細かい粒がものすごい速さで振動しているものから、大きな粒がゆっくりとしたスピードで振動しているものまで、それは多岐にわたる。

今私たちの使っている言語(言葉)というものは、エネルギー状態がとても低くて、その振動率もとても低い。イメージ的に言えば、重い球がものすごいゆっくりと動いているようなイメージ。

とても鈍くて、伝わりにくい。言葉が鈍化していて、そこに鋭さは感じられないし、その言葉の持つ粒の大きさもとても重くて、大きいので、人の心の中にもすんなりとは入っていかない。私たちが日々使う言葉は、誰にも吸収される事無く、その辺を漂っている。この空間内を漂っている。そしてそうした言葉は、この空間内で互いにぶつかり合って、絶えず消滅を繰り返している。出来ては消え、出来てはぶつかって消え、それで自己生成消滅を日々繰り返している。

私たちが吸収する事が出来る言葉というのは、その粒がとても小さな粒のものだけ。とても小さな粒は高い振動率を持っていて、そのスピードはとても速い。それにこうした言葉はとても鋭敏に出来ている。だから、粒が小さくて、振動率の高い言葉は、私たちの心の中にスッと入る事が可能になる。

こうした言葉の剣先はとても鋭くとがっているので、心の中に入ってくると、その人の心を一突きにして離さない。

振動率の高い言葉は、人の心の中に入って行って、その高振動率で、心の中にたくさんの穴をあける。何も入らずに一杯一杯になっている心に穴をあけて、空気の通りをよくする。そこに新しい認識が入る余地を作る。

細かいものが、より高い振動率で動けば、どんなものも時間さえかければ、壊す事は出来る。弱い振動を与えていたら壊れないものも、高い振動率を持つものを一点に集中してあて続れば、そこに必ず穴をあける事は出来る様になる。

穴というものが開かなければ、そこに新しい風が入る事はない。新しいものが入る事もない。

私たちは振動率の低い鈍化した言葉をいつも使っているが、それでは、何の認識も変える事は出来ない。何故なら、鈍くて弱いものがいくら振動していようが、その振動が、何か新しい変化をもたらす事はないからである。

高い振動率を持ったものが狭い空間でものすごいスピードで振動する時、その周りにある空間は破られる。空間というものは、破られる事がなければ、その空間の中に新しいものを引き込む事は出来ない。

私たち人間というのは、1つの空間を持つ存在物。だとしたら、この私たちの持つ空間は高い振動率を持つ言葉の力によって破られなければならない。

鈍くて低い振動率を持つものをいくら排出していたところで、それらは私たちの持つ空間外にただ漂っているだけで、それらは私たちに直接何の影響も与えない。

言葉というものは、その振動率を高め、より鋭いものに高めないといけない。言葉を鋭い刃の様に磨き上げ、その言葉によって、私たちは、自分の中にあるこの空間を破らないといけない。

自分の中で大きく風船の様に膨らんだその空間を破る事がなければ、私たちはずっと、何にも気づく事は出来ないだろう。


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