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目に見えないものを称えよ

ガラスの球を高い所から落とすと、その球は地面に落ちてバラバラに砕け散る。その近くにいれば、バラバラに砕けたガラスの破片が、落ちた時の衝撃で自分の所に飛んでくることもある。

今、この世界とは、まさにこの状態。

1つにまとまっていたものが、何かの衝撃で壊れ、バラバラに砕けてあちこちに飛び散った。落ちた時の激しい衝撃で、その周りにあるものも影響を被り、皆壊れる。

コロナウィルスによって、今国が、そして社会が壊れ始めた。

私たち一人一人の人間というのは、皆それぞれ社会というものに依存している。そしてその社会とは国に依存している。

私たちひとりひとりの人間というのは、本来自分一人で完結しているべき存在だった。でも、私たちは、自分でこの自分を完結させる事も完成する事も出来なかった。だから、私たちは自分のその不完全な部分を社会という自分よりも大きなものに補償させようとした。私たち個人は、社会に自分の欠けた部分を補わせようとした。

そして、その社会も、全く同じように社会でどうする事も出来ない事があると、その出来ない事を補償してもらう為に国に依存した。

そう考えていくと、この世界の一番トップにあるのは、国という事になるそんな気がする。でも、その国がこの世界のトップではない。

国も自分たちにできない事があり、私たちの住むこの国も何かに依存している。一体何に依存しているのか?といえば、それは世界だ。

自国で補えない事があると、それを補償してもらおうと、他国に私たちは依存する。他国に、自分たちに埋められない部分を補償してもらおうとする。

でも、その他国も自分たちの国で補えない事があると、他国を頼るほか今なくなっている。そうやって、この世界とは共にもちつもたれつの関係に陥っている。共依存っていうやつだ。

でも、この共依存で何とかこの世界を双方に補完しながら生きてきた私たちは今それが静かに崩れ始めているのを毎日実感している。

国同士でまかなえていた事がまかなえなくなってきている。互いに補完し合っていた関係性が崩れ、共に自国を支え切れなくなっている。共依存していた国家は皆、今この時期を境に共倒れする方向に向いている。

人間だけでこの世界を私たちは補おうとしてきた。そして今それが出来なくなりつつある。個人が社会に依存し、その社会は国に依存する。そしてその国は、他の国に依存する。国というのは、この世界というのは、今や他国に助けを求める事しかできなくなっている。この世界は、一番根源にあるものを認めず、それをずっとひた隠しにし、自分たち人間の力だけでこの世界を作り上げてきた。

この世界の一番根っこの部分にあるものを人間である私たちは否定し、自分たちだけで、この文明を築いてきた。

生きる上で、一番抜いてはいけない部分を抜いて、自分たちだけで、この世界を作ってきた。この世界の根幹なる部分を作っているのは、自分たち人間であり、その自分たち人間がこの世で一番尊いものだとそう示す為に、私たち人間は、自分たちの一番根幹にある最も大切な物を否定してきた。

この世界を成り立たせている一番根幹にあるものを否定し、人間というのは、その根幹に自分たち人間というものを置いた。自分たち人間こそが、この世界で一番力を持つものだという事を示す為に。

人間とはとても愚かなもので、自分たちの持っているその力を示したいがために、絶対に否定して排除してはならないものを、この世から排除した。そして見えないものにした。

私たちを根源で支えているものは、神、そして光。でも、それを人間は否定して、排除した。目に見えないものに、信仰を持つよりも、目に見えるものを尊重した。目に見えない神に対する信仰を辞め、私たちはこの目に見える自分を神とした。この世界で何よりも自分を尊いものとした。

人間というのは、神よりも自分たちの方が尊いものであり、価値高いものであるという事を示そうとした。神の存在などなくても、自分たちだけの力でこの世界を形作る事が出来るとそう信じた。

自分たちに特権意識を持ち、神の持つその力をわがものとし、私たちは神の存在を完全に抹殺した。だから、今この世界は、もう何にも依存する事が出来ない。自分たちでどうにかしなければいけない。でも、共依存でつながっている国同士は、今のような事が起こると一気に共倒れしてしまう。

私たちは、私たちの根源にある神の領域を再び再生させ、そこに還る事が出来なければいけない。その根源から、何もかも救い出さなくてはいけない。その源泉を復活させることで、私たちはそこから本当の意味での智慧と力を与えてもらわなければいけない。

私たち人間はこの世界を進化させる事は出来た。これからも出来るだろう。でも、この世界を維持させる力は持ちあわせていない。

その力を持つものは、今は、個人ではない。むろん社会ではない。もっと言えば、国家でもない。この世界でもない。神だけだ。

ずっと抑え込んできた神の力を復活させることで、その力が神に還れば、そこから流れるエネルギーや多くの智慧が、この世界を、そして国を、社会を、個人を徐々に潤していくものになる。

私たちが今何よりもしなくてはいけないのは、ずっと封じ込められ、力を持たないとされてきた目に見えない多くのものに力を認め、それを復活させる事なのではないだろうか?


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