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文学フリマ、技術書典と「ビズケット」が登壇/街の印刷所起点・即売会に大きな可能性

個人出版ビジネス書マーケット『ビズケット』
2020年2月に開催された印刷メディアビジネス展示会「page2020」での基調講演「ライト出版市場の誕生と広がり」に登壇しました。

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まだ新参者ながら「文学フリマ」望月倫彦さん、「技術書典」高橋征義さんと共に「ビズケット」代表が並ばせてもらえて光栄なことでした。

また、この講演に向けた打合せと会食で、望月さん・高橋さんと語らう機会を持ったことで、「紙の本の新たなる展開」について改めて考察を深めることができたのも収穫でした。

中でも、街の印刷所による冊子の即売会については、非常に大きな可能性を感じています。

■本の地産地消、広告代理店機能… 「街の印刷所」起点・即売会のメリット

2016年05月15日のブログ記事「サードウェーブ・パブリッシング」という希望:出版の10年後において、私は以下のように記していました。

製紙所、印刷所、製本所など、これまでは完全に裏方だった人たちの存在が表に出てくるのではないでしょうか。
その人たちが、どんな価値観を持って、本という物体作りに携わっているのか、
ストーリーや、価値観の表出がカギになってくるはずです。
今後、印刷所や製本所が次々と廃業していくことは、残念ながら避けられないことだと思います。
そこを、作家や編集プロダクションが受け継ぎ、
「事務所」兼「製作所」兼「小売り場」
とする動きが出てくるかもしれません。

これまでの出版において、印刷所などは、あくまで「裏方」「縁の下の力持ち」といった存在でした。

しかし、「場の価値」がより際立ってくる2020年代においては、
印刷所(特に、地元密着型の印刷所)が出版の起点となることで、
紙の本の可能性が広がっていくと考えています。


街の印刷所が受注元ではなく、発起人となることで、
成果物をその場で刷って渡す、ということが格段にやりやすくなりますし、意義も大きくなってきます。

結果、「本の地産地消」が成立しやすくなります。


また、街の印刷所は、その地域の小売店や中小企業のチラシやポスターを請けおっていることが少なくありません。

即売会の冊子もメディアですから、
印刷所が即売会を開催すると、もれなく
メディアとクライアント、両方とつながっている
という状態になります。

街の印刷所が、広告代理店機能を持つことが可能になるのです。


その他、
地域の商店街、特に書店とのつながり等々、
街の印刷所が即売会を主催するからこその可能性は数限りなくあります。


2010年代の出版は、印刷所(特に中小規模の印刷所)がひたすら厳しい状況に陥っていく10年間だったと思います。

2020年代の出版は、地元密着型・印刷所こそがスポットライトを浴びる時代になるはずです。

■10年前の「瞬刊リアルタイム」を今こそやりたい

2009年、私はヨシナガさんや横山シンスケさんたちと共に、東京カルチャーカルチャーで、
瞬刊リアルタイムというイベントを主催しました。

イベント内のコーナーをリアルタイムで編集して印刷。
終了時にそれを雑誌として売る
という世界最速の出版イベント
です。

日経新聞の書評欄でも取り上げられたり、と話題になりましたが、
10年早かったかもしれません。笑

このイベントを今、印刷所とがっちりタッグを組んで開催できたら、
かなり面白いことになりそうです。

我こそは…!という印刷所の方、
ご連絡をお待ちしております!!!

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