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親であることは葛藤の連続。|#93

元日の夕方。
私の言葉を聞きながら、唇を結びほっぺたをこわばらる4歳娘がそこにいた。

あ、新年早々またやってしまった。
またイライラに任せて、声を荒げてしまった。
「新年」だからなのか…?

じわっと固まる娘の表情が、私に冷静さを取り戻させる。ただ口から出始めた言葉(の体をしたイライラ)は、出切ってしまうまで止まらない。

いつもながらに後味が悪い。後味が悪いのは「感情的になる」ことが好きではないからだ。好きではないのにやってしまうから、そんな自分がほとほと嫌になる。



自分のイライラが娘への言葉に乗ることは、実に些末なときに起きる。昨日だってそうだった。

元日は県内の義実家に挨拶に行く。
いつも「夕ごはんの足しにしてね」と大量にご馳走を持たせてくれる義母。
お米や野菜含め、持参した手土産の数倍量を持ち帰るのも毎年のことだ。


娘に声を荒げたのは夕方の帰宅後、持って帰ったものを仕分けている最中だった。これは冷蔵庫、これはあそこ、荷物も片付け・・・
そんな仕事はさっさと終わらせたい。

「荷物片づけちゃうから、ちょっと遊んでてね」と声をかけて手を動かす。

でも!4歳の甘えん坊盛りはすぐに始まるんだ、

「ママ、見て!」
「ママ、いっしょにパズルしよ~ぉ!」
「ママ、これどうやればいいの~?」
「ママ、これ開かない~!開けて!!」
「ママ、見てみて~~!」
「ママ、・・・・!!」


私、爆発。

『先に荷物片づけちゃうって言ったでしょ!? 聞いてなかったの? 急いで冷蔵庫に入れたいものもあるの! 終わるまで待ってられないの? 片づけてるの、見ればわかるよね!?』

そして冒頭に戻る。
ああ、やっぱりなんて些末な出来事・・・。
(それでも「早く冷蔵庫に入れたいものの事情」には、共感してくれる人が多いはず…。)


「ママ!!」とニコニコ顔だった娘の表情が、みるみる固くなるのを認識した私の脳は冷静さを取り戻し、言葉を発しつつ自省を始める。

(ほら、またやっちゃってるじゃないか!荷物の片づは置いておいて、駆け寄ってやれよ!なにやってるんだよ!)と。

そうだよな。
とりあえず冷蔵庫に入れるものだけ入れたところで、他のものは後に回し、娘に駆け寄った。



些細なことなはずなのに、イライラが爆発してしまうのはなぜだろう。

お正月、つまり長期休みの真っ最中だから?
丸一日一緒に過ごすのは4日目。普段は土日の2日間だけなのに。逃がしどころのない小さなストレスがたまっていたのかも。

自分のペースで物事が進まないから
逃がしどころのない小さなストレスの1つ目。常に話しかけられるので(4歳女子、実によく喋る!)、脳内で段取りを考えていても中断されることは日常茶飯事。積み重なると地味に心身に堪える。

娘は常に全力で喋っているから
小さなストレスの2つ目。もちろん全力で喋るのはとても可愛い。ただ言葉を探し組み立て声に出す、その全てがあまりに全力で圧倒され続ける。期待通りの反応が返ってくるまで、話しかけ続ける。待って、大人はもっと省エネでコミュニケーションしてるんだ。そんなに常に全力を求められても・・・


と、考えてみてもやっぱり「自分都合」ばかり。ごめん、娘。



これから生きていく世の中では、様々な人やコミュニケーションに揉まれることになる。感情的になりやすい人だって、沢山いる。

「だから、ママが感情的に怒鳴ってしまったとしても、自分を責めちゃダメですよ。大人になったらそういう人もいるわけだし、お子さんも様々な場面を経験しながら、対応を学んでいきますから」

そう保育士さんに励ましてもらったこともある。その通りだと思うし、その理屈も理解している。


だけど、やっぱり感情的になってしまったときは後味が悪い。

後味が悪いのは「感情的になること」が好きではないからだ。
そう、私の好き嫌いの問題。嫌いなら感情的にならなければいいはずだが、でも小さなストレスが許容量を超えた時に「つい」言葉にトゲを仕込んでしまう。

こうありたいと願う姿と実際とのギャップに、葛藤する。


親になるまで、親というものがこんなにも葛藤の多い人種だとは知らなかった。私もそう育ててもらったのか…。


世の中の「親」の皆さん。
毎日の葛藤、本当にお疲れさまです。

私たちは本当に頑張っている。葛藤するのは「親業」と真摯に向き合っている証拠。きっと今日もいろいろあるけれど、きっと昨日より成長できていると信じて。

子どもをぎゅっとハグしよう。

*****

▼ つい先日も後味の悪い接し方をして反省。

▼ 決して子育てが嫌なわけじゃないんです。

▼ 「コミュニケーション」というものにちょっと繊細なだけ。


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