日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(27) 4章 「奨学金問題対策全国会議」を訴える 6

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 話を1年ほど遡る。裁判官忌避によって奨学金問題対策全国会議の入会拒否の違法を問う裁判が中断していた2023年7月12日、 武蔵大学からメールが届いた。研究不正調査の結果だ。はやる気持ちを抑えて添付ファイルを開き、落胆した。特定不正行為ではないという。
 「武蔵大よ、お前もか」
 そう嘆きたくなった。なぜあれが不正でないのか。送られてきたのは結論だけで、理由は記載されていなかった。

 武蔵大学のホームページをみると公表文が掲載されていた。

〈本学における研究活動の不正行為に関する調査結果の公表について〉
 2022 年 9 月に本学教員の著作物に対し、盗用、改ざん及び捏造の告発があり、予備調査を経て本調査を実施いたしました。調査の結果、「武蔵大学における研究活動上の不正行為防止等に関する規程」に定義される「盗用」、「改ざん」、「捏造」及び「その他 特定不正行為以外の研究活動上の不適切な行為であって、科学者の行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の程度が甚だしいもの」には当たらないとの結論に至りました。調査の過程において、本学教員の著作物には故意によらない誤りがあることが判明し、また、本件に関して調査を行っているとの情報がインターネット上で流れていたことから、本学規程第 33 条に基づき、調査結果を公表することといたしました。
 本学教員に研究不正の疑いが生じたことは、大変遺憾であり、調査にあたり、多くの関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今後は一層研究倫理教育を徹底し、研究不正はもとより、疑念を持たれることのないよう、全学をあげて取り組んでまいります。

 やはり、研究不正ではないという理由はわからなかった。「故意によらない誤りがあった」とは具体的に何を指すのか。意味不明である。

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