日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(13) 2章 「O教授の“丸写し“発覚する」2

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 あきれたことには、私の誤記まで忠実に転写している。私が書いた上の文章のうち「2012年度」とあるのは、じつは「2011年度」の誤りだ。その点について、O氏の『奨学金が日本を滅ぼす』でも、「2012年度」と同じまちがいをしている。オリジナルのデータをもっていればまずあり得ないミスだ。失望とも怒りとも言いかねる複雑な感情にとらわれ、とても冷静でいられなくなった。
 小豆島から岡山に戻った。頭の中はO教授の「盗用疑惑」でいっぱいだっ
た。非難したかったが、ひとまず我慢して、まずは事情を聞くことにした。

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