miho U

ピアノ弾き、歌うたい、曲作りびと。朝の楽しみは珈琲を丁寧に淹れること。写真と版画が好き。

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最近の記事

風変わりで何も言わない時期

私にはピアノの先生が高校を卒業するまでに3人いる。最初は私がピアノを始めた4歳の時に習った先生、そして小学校一年の時にできた友だちが「今日はピアノの日だから一緒に行こうよ」と誘ってくれて着いていくことになり、その着いて行った先で出会った先生、そしてその後、中学生の時に預けられた先生だ。 今でもお会いしているのは小学校一年生で出会った先生で、今回はその方に十何年ぶりにお会いした時のことやそれから考えたことを書いてみる。 ピアノのレッスンについて行ってどういう経緯で4歳から習っ

    • 彼女が見せてくれたアメリカ〜その声と歌の秘密〜

      "Abox展2023"が横浜市民ギャラリーにて10/5から10/9まで開催された。 ※Aboxについてはこちら→https://www.a-box.jp この展示に参加するのは昨年に続いて2回目。今年のテーマは「彼女が見せてくれたアメリカ〜その声と歌の秘密〜」。 1973年に創立され、シアトルが活動拠点のPatrinell"Pat"WrightさんとTotal Experience Gospel Choir(2018年に45周年記念コンサートで終了)の写真を展示し、QRコ

      • Total Experience Gospel ChoirのPatrinell "PAT" Wrightさんのこと

        アメリカ、Seattleの"Total Experience Gospel Choir"のDirectorであり牧師であり、私のアメリカの母と慕ったPatrinell "Pat" Wright さんが亡くなってから早三つき半。 けれど、私はまだ彼女が生きていて、どこかで誰かのために歌い続けているって思っている。頭の中にはいつでも彼女の歌が響き渡る。 きっとこの先シアトルに行っても現実味がないんだろう。 このゴスペル合唱団のコンサートを過去5回日本に招致し、多分、40回近く

        • 大空はるみさんのこと

          私には3人の母がいる。 この世に送りだし大切に育ててくれた母 今年亡くなったシアトルのThe Total Experience Gospel Choirの創立者であり牧師のPatrinell Wrightさん そして、Singerの大空はるみさん もうかなり前のこと、私がある時期に通った音楽学校MESAR HAUSではるみさんの歌のクラスの開講が決まり そのクラスのピアノのアシスタントを私が担当することになった はるみさんと初めて会った日のことを今でも覚えている 「初め

        風変わりで何も言わない時期

          春の音楽かわらばん

          ※ほぼ毎月お送りしているミウミュージックからのメールマガジンから 登録はこちら(メルマガ希望と記載ください) 皆さま 暑さ寒さも彼岸まで、という言葉が当てはまらない今年の春は花冷えと初夏のような陽気を繰り返しています。 気温の差は身体や気持ちをアップダウンさせますが、それでも桜を見たり、他の植物の芽吹きに気づくと心がすっと軽くなります。 自然は関係なく春折々の成長を始めています。 私は春分辺りまでは気持ちを穏やかに、毎日を過ごしていました。今はこもる時期と決めて積んで

          春の音楽かわらばん

          冬眠中のコミュニケーション

          先日友人宅でランチ+ゆるゆると話す会。友人ご夫婦がちょこちょこお料理しては出してくれて、その間をぬってとりとめもない話をしていた。 南向きの窓からは光がふわりと差し込んでくる。「こんな穏やかな時間を過ごせるなんて、幸せ」と身体の真ん中あたりに囲炉裏の火みたいな暖かさをじんわり感じていた。 この2年、人と会って話す時間が激減した。それを埋めるようにネット上でテレビ電話のごとく友人と話す。その時間はマスクをしなくてもいいし、時間を気にしなくてもいい。こうやってコミュニケーション

          冬眠中のコミュニケーション

          さようなら、こんにちはと深海魚

          【意味】 「さようなら」は「左様であるなら(お別れです)」 「こんにちは」は「今日は(ご機嫌いかがですか?)」 私は小さい頃なかなか「さようなら」が言えなかった。小学校の時、一緒に帰る友達に「またね」「じゃあね」は言えても「さようなら」が言えない。「う」が抜けて「さよなら」も言えない。この響きにどうしようもできない気持ちが湧き上がり、それが泉のごとく溢れ出てくるように、心が大きく揺れ動いていた。 一旦家に入ればそんな揺れ動きはなかったように本を読んだり、ピアノを弾いたり、

          さようなら、こんにちはと深海魚

          新年だけど節分まではまだアイドリング

          2022年になった。年明けから寒い日が続いていて一昨日は東京でも大雪。 久しぶりにこんなに積もる雪を眼の前にして、少し気持ちが上がる。 雪雲の仕事は着々と辺りを白に塗り替える。私は目の前の世界が変わっていくのを実感する。この世の終わりっていきなりやってくるのではなく、こんな感じで少しずつやってくるのかもしれない。そして、この世の始まりも。 私は寒さにそんなに免疫がないので、この時期は半分冬ごもり。昨年は1月から全力疾走だったので調子が少し狂った気がする。やはり慣れないことは

          新年だけど節分まではまだアイドリング

          It's Time To Go-新しい日・新しい月

          2月にレコーディングした曲の配信が始まりました。リリース自体は4/1でしたがいろいろあってSNS上で発表したのは5/2。時期的によかったと感じています。この曲のイメージがまさにこのGW中の気持ちのいい風と光の中で聞いて欲しいと思っていたから。 昨年コロナ禍で世界の動きが止まり、自分自身試行錯誤の毎日でした。内省的な方向に作るものが進んでいくこともありましたが、この"It's time to go-新しい日・新しい月-"は5年ほど前からモチーフがあり、昨年の冬ごろに全体のイメ

          It's Time To Go-新しい日・新しい月

          黒人音楽と「Mandela and Sunshine」

          私がこの20年近く交流があるパット・ライトさん(Patrinell "Pat" Wright)はアメリカのワシントン州シアトル市に住んでいます。彼女は1944年テキサス州カーテイジで生まれ、その後10代後半にシアトルに住み始めたとのこと。牧師であり、1973年に始まり2018年に45年間の活動の幕を閉じたトータル・エクスペリエンス・ゴスペルクワイヤー(Total Experience Gospel Choir)の創始者であり、ディレクターです。 彼女、パットさんに出会っ

          黒人音楽と「Mandela and Sunshine」

          気持ち的には新年前日

          今日は124年ぶりの2月2日の節分らしい。偶数が続く、キリがいい日のような気がした。朝は雨が降っていたけれどお昼に近づくに従ってお日さまの光が眩しい。 今年のプロジェクトはもう2つ進んでいる。ひとつは一昨年から始まった「Mandela and Sunshine」の映像化。アメリカ系黒人音楽が歴史上どのように作られ、そして人々に影響を与えてきたのかをナレーションでお伝えし音楽を楽しめる演目。なぜタイトルが「Mandela and Sunshine」なのかは映像ができあがったと

          気持ち的には新年前日

          2020年10月まできたのであと2ヶ月で今年は終わる

          今年はあと2ヶ月と少し。まだ2ヶ月あるとも思うけれど2020年は歴史からみても特別な年になるんだろう。世界同時にパンデミック→国によってロックダウンという流れは衝撃的だ。日本は4月の緊急事態宣言で一時的に社会の動きが緩やかになった。経済も人の流れも、もしかしたら心の動きもスピードが遅くなり、停まった。私はその時期、仕事や音楽活動ができなくなって失望感を感じながら一方で自分でもびっくりするくらいの心地よさを感じていた。年始に「今年はやることを決めていくのではなく、やめることを決

          2020年10月まできたのであと2ヶ月で今年は終わる

          年にいちどの

          年一の確定申告だけど必ず税務署に出向き、ハンコをもらって「ご苦労さまでした」(さらに褒めて欲しいくらいだ)の職員さんの言葉をもらって今年度終わり。 これをもう何回やったんだろ。 eTaxにはいつでもできるけど、しない。自分の事業がどのように税金に関わっているかを最後まで実感したいから。 そういうことって会社員じゃないからこそ、味わえることだって思ってる。 自分が思った通りには税金が使われていないなんてことはよくあること。ここ、使うところ?とか。でも、ここは使ってるんだと思う

          年にいちどの

          静謐さ

          このところの世界は新型ウイルスを通して見えなかったことを表出させているように感じる。物理的に繋がった世界のいいところと、そうでないところ。そして人の強さと脆さ。さまざまなシステム。 目に見えない小さなウイルスが増殖するだけで人の様々な活動が制限されていくけれど、それを知恵や想像力で抗い、時には人が活動を一時的に止めることで今まで見えなかったことが見える。 その中で自分は、と思うと、恐れの気持ち、その反面変化に対する戸惑いと自分に対する期待、そして自分にとっての静謐さとは何

          成長するために

          今年もあと2日。やっと「あと」という気持ちになった。12月はいつも以上に「まだ」の気持ちが強かった。というのも今までやったことがないことが連続して3つ。 ひとつ目は6年目になる大人の部活「ミウミュージック合唱部」の初めてのクリスマスコンサート。6年の間に部員さんが卒業したり新しい仲間が増えたりとそれなりに変化してきたこの合唱部だけれど、真剣さは変わらない。楽しいけれど誰も甘えはないところがさすが。1年前から少しづつ準備をして当日を迎えた。コンサート後はお客さまの中でも涙を浮

          成長するために

          オタクと音楽と表現者

          私には何人かの音楽の生徒さんがいる。そしてレッスン中や後に音楽にまつわることや日常に起こるたわいもないことを話すのだけど。 この間、話の流れで生徒のA君が「この間、知り合いと一緒にベーシストのトークイベントに行ってその人の話を聴いてたら僕ミュージシャンにはなれないなって思ったんです」と。 どういうことかと思ったら、どうもそのミュージシャンが歴代1960年代あたりからのベーシストの名前を目まぐるしく出し、凄い勢いでそのベーシストたちの素晴らしい演奏について語ったそうだ。しか

          オタクと音楽と表現者