高橋勅徳

東京都立大学大学院経営学研究科 准教授 専門は企業家研究です。 学会報告や学会誌への投…

高橋勅徳

東京都立大学大学院経営学研究科 准教授 専門は企業家研究です。 学会報告や学会誌への投稿は出来ないかもな、という内容の論考のまとめて行くためのnoteです。

最近の記事

どうでもよい話⑥:半世紀も生きてみて。

 本日、誕生日を迎えました。  50歳ですよ!  病弱で、ヘタレだった私がよくもここまで生きて、商業出版も手掛ける学者なんて立場までたどり着けたもんだと思います。公私に色々問題を抱えてはいるけど、幼少期に想像していたものより、ずっと面白い人生を送らせてもらっていると思います。    定年のことを考えると、自分の社会的生命は残り最大で10年ちょっと。自分の体の具合を考えると、その前に命が尽きる可能性のほうが高いかなと考えています。  清く正しい大人であれば、人生百年時代でまだ

    • 『なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」』が発売になります!

      「そこそこ起業」、単行本化です!  今年二冊目の書籍、『なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」』が7月26日に発売となります。  今回の本は、2022年度に1年余の期間、集英社のwebサイト「よみタイ」で連載させていただいた「そこそこ起業:異端の経営学者が教える競争せずに気楽に生きる方法」に再編集と描き下ろしを加えた単行本となります。  単行本化のお話を頂いた際、「連載原稿を纏めるだけなので楽ちん!」と思っていたのです

      • どうでも良い話⑤:自分の体と会話すること

         ちょっと考え込むことがあったので、メモ代わりです。  今日は短いぞ!  幼い頃はちょっと冷たい風が吹くと扁桃腺を腫らして病院送りを繰り返す、病弱な子供だった。他の子は感染しないような感染症にかかりまくり、抗生剤漬けの生活を送っていた(不思議と、インフルエンザには感染したこと無いのだけど)。父や母は、私が死ぬことを覚悟したのは、一度や二度ではないらしい。 「大人になるまで、生きられないんだろうな」  10歳の頃にはそう考えていた。20歳の誕生日を迎えたときには、「30歳

        • どうでも良い話④:やっと、お別れ

          昨年3月に亡くなった、坂本龍一氏(以下、教授)の遺作、Opusをようやく見に行くことができた。 実は、ゼミのOBがこの映画の広報に関わっており、私のXで教授についてちょこちょこ呟いたり、リツイートしているのを見て、「すごくいい映画なので、是非見に行ってください!」と、公開直前にメールを貰っていた。 じゃあ、行くか。いや行かねばならないと心に決めてから、実際に映画館のシートに座るまで二ヶ月以上の時間が必要だった。 ただただ、私の教授に対する思い入れが、とても強かったからだ。

        どうでもよい話⑥:半世紀も生きてみて。

          どうでも良い話③:久しぶりの肉体改造

           本日(5月22日)でのXへの投稿で、友人の何人かから「死にかけてないか?」と連絡が来たので、この3ヶ月ほど何をしていたのかの報告です。 ちなみにですが、去年の夏頃(船津先生と学会会場でのツーショット)。 こちらが、病院に行く直前にTV収録した時の様子。 3月末のトークイベント 本日(5月22日)  確かに、死にかけているか、ヤバイ薬をやっているようにしか見えませんわな。 お医者さん 「いい加減痩せろ、入院させるぞ!」 私 「やってやんよ!」  始まりは2024

          どうでも良い話③:久しぶりの肉体改造

          どうでも良い話②:「売らないか?」と家凸してくる投資不動産のビジネスモデル

           私はもともと趣味に全振りした生活で、結婚も諦めて「いつ死んでもええねん!」とノーフューチャーな生活を送っている。とはいえ、全く老後の事を考えていないわけでもなく、うっかり長生きできちゃったときのことも考え、無駄に高い社会的地位に起因する信用力を利用して、投資用マンションを何部屋か保有していたりします。  20年前くらいは一通りの投資不動産会社が「買わないか?」と営業電話やメールが来て煩かったのですが、ここ数年は不動産価格の上昇からかのか「売りませんか」って電話が頻繁に来る

          どうでも良い話②:「売らないか?」と家凸してくる投資不動産のビジネスモデル

          やんなくて良い、無駄な努力の話

          この一ヶ月、何をしていたのか? 久しぶりの投稿なので、どうでも良いことを書きます。  4月11日にXで以下の投稿をしました。  何も説明してないので多くの人に意味不明だったと思いますが、ChromebookにLibreOfficeをインストールして、日本語入力を可能にしたという報告です。昨年度は自宅のMacbookと持ち運び用のWindowsのノートを稼働させwordで原稿書いていたのに、一ヶ月あまり執筆スピードを遅らせてまで何してんのよ、とツッコまれても仕方ないのですが、

          やんなくて良い、無駄な努力の話

          2月13日 『アナーキー経営学』が出版となります!

           昨年10月に『婚活との付き合い方:婚活市場でこじらせないための行為戦略』(中央経済社)を刊行したばかりですが、2月13日にNHK出版から『アナーキー経営学:街中に潜むビジネス感覚』が発売となります。我ながら狂った刊行スケジュールだと思いますが、NHK出版から昨年3月に「書きませんか?」とオファーをもらった際に「3ヶ月で書けますよ」と宣言して、『婚活との付き合い方』の執筆・校正作業と並行しつつ、本当に書いちゃったのだからしょうがない。  さて、いきなり話が変わりますが、私が

          2月13日 『アナーキー経営学』が出版となります!

          『大学准教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。 』がリリースされました!

           重い話を投稿した後は、明るいお話です。  新刊『大学准教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』(クロスメディア・パブリッシング)が発売になります。  書店に並ぶのは1月6日以後となりますが、丸善丸の内店、ジュンク堂書店池袋本店、ジュンク堂梅田店で先行販売が始まっており、amazonでも紙版とkindle版の双方が発売されています。  前著の『婚活戦略:商品化される男女と市場の力学』(中央経済社)が「一般の方も読める

          『大学准教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。 』がリリースされました!

          追悼:木村隆之先生

           2022年10月13日、サバティカル(研究専念期間)中にも実施していた博士課程のオンライン自主ゼミを終えて、翌日(14日)の日本経済学会での報告用スライドの最終確認を行っている時に、その電話は来てしまいました。 「本日、木村先生が亡くなられたそうです」  慌てて彼の電話に連絡を入れてもつながらない。  Lineを入れても既読は付かない。  意を決して、その共通の知人から教えていただいたご家族の電話番号に入れると、13日の授業に出てこず音信不通になったことから心配した

          追悼:木村隆之先生

          『婚活戦略:商品化する男女と市場の力学』が、amazonでの予約が可能になりました。すでに多数のご予約をいただき、結婚カテゴリーで2位、ジェンダーカテゴリーで7位を記録しました。ご予約いただいた皆様、大変感謝いたします。

          『婚活戦略:商品化する男女と市場の力学』が、amazonでの予約が可能になりました。すでに多数のご予約をいただき、結婚カテゴリーで2位、ジェンダーカテゴリーで7位を記録しました。ご予約いただいた皆様、大変感謝いたします。

          『婚活戦略:商品化する男女と市場の力学』、10月12日発売です!

          こんばんわ。 前回の投稿で書きましたが、本の出版日と書影が正式に決まりました! 10月12日に中央経済社から発売となります。 現代の日本の経営学がたどり着いた、極北の一つの本であると勝手に思っています。「そんな山に登らなくても良い!」と言われたらその通りなのですが、経営学者として登りたくなる山=現象が目の前に、手の届くところにあったのだからしょーがない。 単純に、難儀な40半ばの経営学者が、婚活で悪戦苦闘して考えた話として、面白おかしく読んでいただければと思います。

          『婚活戦略:商品化する男女と市場の力学』、10月12日発売です!

          ラディカル・フィールドワーク番外編:今度、本が出ます

           前回の投稿から、しばらく間が空いてしまいました。  前期の成績登録だったり、9月頭の経営哲学学会の学会報告準備をしていたり、やはり9月上旬締め切りの科研費に応募するネタを考えたり、膝蓋骨亜脱臼で動けなくなってしまったり、ケトジェニックダイエットに挑戦していたり、色々忙しく過ごしていました。  とはいえ、このお休み期間、一番時間をかけていたのは、2月に入稿した本の原稿の校正作業でした。  今度出る本は、『婚活戦略』という本です。この本は、2020年に発表した「増大するあなた

          ラディカル・フィールドワーク番外編:今度、本が出ます

          ラディカル・フィールドワーク② 現場を見た、聞いたという幻想

          1. フィールドワークを書く時の不安  大学院入学時に、定性的方法論の講義を受けたときのことだった。確かその日のリーディングはシュッツ(1932)の『生活的世界の意味構成:理解社会学入門』であったと思う。日常世界を生きる人々の状況を、意味から読み解いていく現象学的社会学に衝撃を受けた。当時の私は、研究とは現象を観察して何らかの法則を発見していくものだ、と素朴に捉えていた。その後に先輩に進められてバーガー=ルックマン(1966)の『日常世界の構成:アイデンティティと社会の弁証法

          ラディカル・フィールドワーク② 現場を見た、聞いたという幻想

          ラディカル・フィールドワーク① 例の論法:客観とか主観とか

          1. 例の論法の居心地の悪さ  私は経営学という場で、フィールドワークに基づきて研究報告を行い、論文や書籍を発表してきた。そこで必ずぶち当たる問題が、「客観性ガー」、「一般化ガー」という批判です。  そういう時によくやってしまう反論や執筆戦略が、フィールドワークを通じた解釈を通じて、定量的な研究では見出す事ができなかった変数なりメカニズムなりを発見できて、現象のより深い理解ができる、というものです。程度の差こそあれ、こういう論法で批判をかわしてきた経験がある人も多いのではない

          ラディカル・フィールドワーク① 例の論法:客観とか主観とか

          まえおき:ラディカル・フィールドワークに向けての論考をはじめてみます

           今年のGW中にふと、「自分がどれくらいフィールドワークをしてきたのか」ということが気になり、カウントしてみた。修士論文のために初めてインタビューを経験した大阪ガスの新規事業開発から最新の婚活のフィールドワークまで。1998年から2020年までの22年間、論文や書籍、学会報告として発表されたものから、企画倒れになったりとても表に出せない内容であったりして断念した未発表のものまで含めて、毎年1〜3の調査企画を立てて、合計で150人くらいの人にインタビューしていた。経営学者として

          まえおき:ラディカル・フィールドワークに向けての論考をはじめてみます