やんなくて良い、無駄な努力の話

この一ヶ月、何をしていたのか?

 久しぶりの投稿なので、どうでも良いことを書きます。
 4月11日にXで以下の投稿をしました。

 何も説明してないので多くの人に意味不明だったと思いますが、ChromebookにLibreOfficeをインストールして、日本語入力を可能にしたという報告です。昨年度は自宅のMacbookと持ち運び用のWindowsのノートを稼働させwordで原稿書いていたのに、一ヶ月あまり執筆スピードを遅らせてまで何してんのよ、とツッコまれても仕方ないのですが、やりたくなったのだから、これはどうしようも無い。

なんでそんなことやりたくなったのか?

 事の始まりは、昨年の夏頃のこと。三年ほど使ってたiPadを物理的にぶっ壊してしまいました。そこで新しいのを調達しようとしたのですが、クッソ高くなっていました。 
 そこで、デタッチャブルのChromebookを買って事実上のAndroid端末として運用すれば良いやん、携帯電話も同じ理由でandroidに移行して連携しやすくなったし、緊急時のパソコン代わりにもなるしメリットしか無いよねと思いついたわけです。
 そこで、LenovoのLenovo IdeaPad Duetを早速購入しました。使い始めるとタブレットとしてはipadより性能面で粗が散見されるものの、パソコンとして考えると軽いし起動も早いし、バッテリーも長持ちするしで、気がつくと半メイン機としてChromebookを使っている状態になりました。
 実際、『アナーキー経営学』は各章の下書き段階はChromebookで書いています。WordやExcelファイルの作業も、図表入れ込んだレイアウトとか、マクロ組んでいるとかじゃない限り、Office365で問題なく作業が済んでしまいますし、5万円前後でこれだけできるなら、もうこの先はChromebookだけで大体の仕事は完結するじゃん、と考え始めたのが泥沼への第一歩でした。

縦書きができない!

 半メイン機じゃなく、ほぼメイン機で使えるか可能性を模索するために、4月からは授業も執筆もChromebookを利用しようと、意味のない挑戦を決めたのが確定申告が終わった2月末のこと。
 それならばと、Windows/Macのノートパソコンを持ち歩かないことから始めてみたら、自分的には大問題がちょこちょこ生じましてしまいました。
 まず、これでええやんと思っていたGoogleドキュメントの使い勝手です。Wordファイルを読み込めて編集しますが、レイアウトが狂うのは許容しても、Word↔Googleドキュメントで作業を繰り返していると、文字化けしちゃうときもある。その他、脚注や目次機能とかの面でどうにも使い勝手が悪い。
 次に、結構多くの人が直面している縦書き問題です。商業出版市場で仕事が出来るようになって、縦書き原稿を書く機会が増えてきました。ところがOffice365もGoogleドキュメントも、縦書きは未対応です。
 そんなの後で編集するから横書きで書けばええやん、という意見もありますが、私は印刷時のレイアウトじゃないと書けないという持病があります(どこで段落を切るかは、縦書きと横書きでやり方が異なってきますし、何らかの効果を狙って一行空ける場合は、ページのどこで空白が出来るのかをコントロールしないとうまく機能しないと思い込んでいるので)。

 Chromebookで縦書きと言うと、TATEeditorが定番で、実際に『アナーキー経営学』の時はこれで下書きを書いていたのですが、脚注と目次作成機能が未実装です。

https://tateditor.app/

 なんとかならんかね、と考えていた時にLibreOfficeがChromebookで使えて、Officeとかなり高精度の互換性があると知って、導入を考え始めたわけです。


泥沼の始まり

 試しにメインで使っているWindowsとMacのノートパソコンにLibreofficeを入れてみると、Googleドキュメントと比べてもはるかに使いやすい。縦書きも問題なしですし、Libre↔Office間の互換性も評判通りで、使用できるフォントの違い以外はそれほど気にせず使えそうでした。
 ところがLibreofficeをChromebookに導入するには、Linuxの開発環境(仮想マシン)を立ち上げて、日本語入力環境その他を構築してインストールするという、結構ハードルが高い作業が必要でした。そこで、Libreofficeの軽量android版のCollaboraofficeをインストールして使い始めたのが3月肇のことです。使ってみると、Libreofficeと操作感もやれることも変わりません。
 これでええやんと思って一週間ほど使っていると、Collabora↔Officeで作業を繰り返すうちに、Collaboraの方で誤作動がバンバン起きるという問題に直面です。それどころか、Collabora↔Libre間でもおんなじ問題が生じる。こりゃ、使えそうで使いもんにならねぇとなり、腰を据えてChromebookにLibreを導入することに決めました。
 覚悟を据えて調べ始めると、あちこちのサイトでChromebookへのLibreコマンド付きで導入方法を説明してくれていて、これならコピペでいけるやんと肇たのが泥沼の始まりです。
 人によってコマンド作成の流儀が違うらしく、しかも打ち間違いをそのまま掲載している時もあり、ダウンロードやインストールが出来たり、出来なかったり。なんとかダウンロードができても、今度はハードウェアの構成の違いが影響して、インストールできなかったり、インストールできてもまともに起動しなかったり。
 それを何とかクリアしてLibreofficeをChomebookで起動できる状態にたどり着いたら、今度はどうやっても、日本語入力可能な状態にならない。
 他のLinuxアプリは日本語入力できるのになんでよ!と頭を抱えてしまいました。


なんでそんな発想に飛躍するのよ?

 その後、色々調べているうちに、ubuntu日本語remixであれば、最初から日本語入力環境がセットされていることに気づきました。試しに部屋の隅に転がっていた昔のノートパソコンにubuntu日本語remix入れてみたら、サクサク動いてLibreofficeも日本語入力可能です。
  これはええやん!と嬉しくなった時点でLibreofficeを入れてChromebookをメインに切り替えるという目的から、ubuntu環境に移行することに目的が移行しています。

・WindowsもMacもバージョンアップのサイクルが早くて、それに対応するために研究費を無駄に使うことになるし、この先Office他のソフトがサブクス中心に移行したら、年度跨ぎの予算執行が迫られ、事務との折衝が面倒になるよなぁ。

・ここでLinuxを導入して、初歩的なことを覚えておけば、研究費が無くなってもパソコン環境を維持しやすくなるよねぇ(そろそろ、定年後のことを考え始めている)。

・そもそも、文章書いてプレゼンテーション資料作って、あとはメールしてネットサーフィンするくらいしか無いのだから、Libreでファイル互換効くならWindowsやMac、それどころかChromebookにこだわること無いやん。

・もちろん、仕事上、WordやExcelファイルで編集作業しなきゃならない時あるけど、どうやらMacでもWindowsでも、なんならChromebookでもOSのデュアルブートが可能なようだし、それをやっときゃ良いよね。

 などなどと、いろいろな事後的正当化をしたわけですが、一言で言えば「やりたくなった」わけです。
 

挫折して力技で解決を図る

 それでubuntu日本語remixの導入、それもデュアルブートに挑戦し始めたのですが、これがまたハードウェアの構成の違いで上手くいかない。解決方法を書いてくれるサイトがいっぱいあり、そこから必要な情報をピックアップしてコマンドを修正していく必要があるのですが、そもそもプログラミング知識が大学一年生の時に受講した情報処理の授業で止まっている私には、正解が何なのか全くわからない状態です。
 とりあえず手当たり次第に試して、パソコンをぶっ壊しかけたりした後に、どうやら今の私には、現状の手持ちパソコンでデュアルブート環境を作るのは技術的に難しいと納得したのが4月に入ってから。そろそろ執筆作業に費やす時間を増やさねば、担当編集に宣言している次の本の初稿締切日に間に合わなくなりそうな頃です。
 
 ここでようやく、「要はChromebookでWordファイルを縦書き編集できれば良いわけだよね」という本来の目的に軌道修正して、Chromeのリモートデスクトップの機能を使って書けばええやん、と力技の解決策を思いついて実行しました。

 最初はChromebookの処理能力ではリモートデスクトップは厳しいのではと考えていたのですが、 実際にやってみるとWordの動作はホストの自宅PCの処理能力に依存しているのでサクサク動いて作業に支障ありません。設定の限界でちょっと画面が小さく、老眼には厳しいなと思いましたが、Chromebookをメインに据えるという目的は、この方法で一応の決着が付きました。
 ところが、実際にリモートデスクトップでの作業に慣れ始めると、wifiが繋がる場所でないと作業ができないのと、通信速度によってはリモートデスクトップが上手く機能しない問題が生じたりと気に食わない場面が出てて、もう一度ubuntu日本語remixのデュアルブートに挑戦したりと迷走しはじめました。
 

拍子抜けの解決と、残された欲望

 ようやくこの話も終わりになるのですが、4月10日にubuntu環境の構築に必要な情報収集を進めていくうちに、たまたま私と同じChromebookを保有している人が、Libreofficeの導入と日本語入力環境の構築について説明しているサイトを見つけました。そして、騙されたと思って再挑戦してみたら、あっさり成功してしまいました(笑)。
 あっさりとは言っても、書かれていたコードが自分のChromebookではエラーになったりして、エラー原因を探して、ここまで蓄積してきた知識で修正する必要がありましたが、これまで何十回と試した作業に比べれば本当に「あっさり」でした。 
 念願のChromebook+Libreoffice環境を実現し、この3日ほど利用してみましたが、特に問題なく授業も執筆も進められて快適です。普通にWindowsやMacでやれることを、いらぬ苦労と時間を使って実現したのですから、満足度は倍です。
 
 残るは、Mac/WindowsとUbuntuのデュアルブート環境の構築ですね。
 私の仕事のやり方を考えると、やる意味は殆どありません(笑)。でも、やりたいので仕方ない。仕事が滞らない程度に時間をとってやっていきます。
 パソコンを弄くり倒して楽しい気分になったのは、大学院生の時に初めて自分のパソコンを買った時以来ですしね。


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