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この仕事で身に着くビジネススキル10選|M&Aアドバイザーのつぶやき

こんにちは。かきもとみさです。私はM&Aのアドバイザーの仕事をしています。

まだまだ女性には縁が遠い、M&Aの世界。
私的には、「ビジネススキルの総合格闘技」という感じがして、こんなに面白い仕事は無いと思うのですが・・・なかなか興味を持つ女子が少ないかもしれません。

そこで、私が思うM&Aアドバイザーを通じて高めることができるビジネススキルについて考えてみました。完全に思いつきの私見ですので悪しからず。

順番は、思いついた順です。

①プロジェクトマネジメントスキル

M&Aというのは、会社同士の運命を背負う一大プロジェクトです。ここにはたくさんの属性の人が関わることになります。

売手と買手の社長同士はもちろんですが、両者それぞれの顧問税理士、顧問弁護士、顧問社労士、または社内の経営企画、コンプラ、業務実行部隊など・・・

プロジェクトをまとめるのが難しいのは、それぞれの立場の人が、それぞれ自分の都合を踏まえて物申してくることです。これは悪いことではなくて、各メンバーの立場から「言うべきこと」があるので、仕方ない。

買手の弁護士であれば「こういうリスクがある」と伝えることが彼らの仕事です。顧問税理士も同じで「こういう税務リスクを踏まえてください」と、プロジェクトを円滑に進めることよりも自分たちの顧問としての役割を果たすことが優先です。(それで然るべきなんです)

そういった各所から寄せられるコメントを踏まえた上でも、アドバイザーがプロジェクトマネジメントの役割を担って案件を前に進める力が必要です。

ここは、難しいところであり、面白いところです。そして、各専門家がどういう指摘をしてくるのかをアドバイザーは全部知ることができるわけですから、めちゃくちゃ勉強になります。

②仮説思考力

売却案件を買手企業へ持っていくときに、「この会社が買収を成約したら、どんな良いことがあるだろうか」ということを必ず考えます。

ビジネスモデルを理解し、両者が提携をしたらどんな良いこと(良くないこと)が起きるのかをリアルに具体的に想定する力が鍛えられます。

これは営業スキルに近い発想ですね。なので、営業っぽい仮説思考というのは相当鍛えられると思います。

最初に買手候補へアプローチする場面に限らず、最後までこの仮説思考力は大事だと思います。

「こういう流れになったら、次はこうフォローしておかないと揉めるかもしれない」と常に先読みをして根回しをしたり配慮したりすることが大切です。

③提案力

これも営業力のひとつではありますが、買手企業にとっての買収メリットを提案できることは当然のアプローチスキルとして必要です。

また、売手と買手の状況を把握して、案件全体の進め方についての提案もアドバイザーが主導で行うことが必要です。

売手と買手は、アドバイザーが思っている以上に心理的には(とくに序盤)お互いに遠い存在だと思いますので、円滑にプロジェクトが進むように、進め方について「こうしていきましょう」というのはアドバイザーがどんどん提案していくと良いと思います。

④コーチング力

経営者にとって、売主だろうと買主だろうと、M&Aに関わる場面では大きく経営自体が変革するきっかけとなるため、さまざまな心理的葛藤や悩み、不安や心配事、また買い手の選定においての決断の場面など、心理的にアドバイザーが支えなければいけない場面がたくさん出てきます。

これは私のやり方かもしれませんが、そういう場面では「コーチング的な」関わり方をするように心がけています。

「コーチング的な」というのは、こちらが「ティーチング」(=何かを教えたり、レクチャーすること)するのではなく、「答えは本人から引き出して導いてあげる」というアプローチです。

迷いや悩みの答えは、アドバイザーが持っているわけではありません。必ず、その経営者本人の中にあるはずです。
それを会話を通じて引き出してあげて、本人が腑に落ちる方向へ導いてあげることがアドバイザーの役目の一つだと思っています。

こういった経営者への関わり方を学べる機会がたくさんあると思います。

⑤ビジネスモデルの理解

M&Aに携わると、必ずその業界のビジネスモデルを理解することができます。
外部環境、内部環境、競合他社の情報、周辺の取引先の状況など、クローズドな情報に触れることができ、当該業界での立ち振る舞い方や商習慣、また対象会社や買手企業の立ち位置を理解することができます。

これはM&Aの世界では、その会社の経営者の話を直接聞くことができる貴重な機会だからです。

売主と買主の経営視点での会話というのは、ものすごく勉強になることが多いものです。

こういう機会に触れられる職業って、なかなか無いのではないかと思います。

⑥財務諸表分析力

まず、この仕事の基本中の基本として、財務諸表が読めないと話になりません。
なので、アドバイザーの仕事を通して財務諸表分析力がゼロから身に着くという話ではありません。

ここでは、基本は勉強した前提でいうと、M&Aアドバイザーを通してたくさんの企業の財務諸表に触れることになるので、非常に財務諸表への理解や分析は磨かれると思います。

財務諸表の分析力は、まず業界やビジネスモデルを抑えることからがスタートだと思います。
在庫管理が肝となるのか、もしくは財務諸表には現れない人材への投資が肝となるのか・・・業種業態によって千差万別。

さまざまな業界の案件を手掛けることで、ビジネスモデルの勘所が理解できるようになり、それに付随して財務諸表への見方(良い点、課題、あるべき姿など)が鋭くなっていきます。

もちろん、財務分析を経てバリュエーションをどうするかなどの思考力も鍛えられます。

⑦ビジネス法務知識

「法務」というと広いのですが、まずは株式譲渡や事業譲渡に必要となる手続きについての会社法の知識は最低限身に着きます。

そして、登記変更などの実務手続きの知識も抑えられるようになります。

あとは、M&Aのさまざまなスキームを検討する際に、法務の観点での知識レベルが豊富になります。私の場合は、会社分割スキームを何度か手掛けたことがあるので、その際にケアすべき税務の観点や債権者保護手続き、公示などについての基本的な知識を知ることができました。

また、最終契約を締結するまでにDDを通して、お互いの弁護士からの指摘に対応するわけなので、リスク観点での知見も身に着きます。

個人的には、弁護士さんと話すのはめちゃくちゃ大好きで、会話するたびに勉強になるので「役得」だと思っています。

⑧税務関連

税務はきちんと勉強しない限り「詳しく」はなれないかもしれませんが、例えば、売主にとって「株式譲渡対価で受け取る方が良いのか」「退職金で受け取る方が良いのか」というのは税務メリットの観点で決定するケースが多いです。

これに限らず、会社分割の際の税務観点のケアなど、相続の際の税務、など、税務については幅ひろく、勉強すべきことがたくさんあります(私もまだまだ未知が多く、ここは勉強が足りてないと感じているところなので、課題。)。

⑨ネゴシエーション力

これは「M&A」から連想しやすいかもしれませんね。交渉力というのは鍛えられます。
どんなM&Aでも、大抵は売手と買手の間に要件の差異が生まれます。

その差異を「どこで着地させるべきか」というのを全体を俯瞰した上で考えることもアドバイザーとしては大切ですし、またネゴシエーションの仕方によって両者が「腑に落ちる」ように話の流れをもっていくスキルも重要だと個人的には考えています。
この辺は心理戦や会話テクニックなども含まれると思いますが、とにかく鍛えられます(笑)

⑩場の空気を読む力

最後のひとつは、私個人的な意見で一般論ではないかもしれません(笑)

M&Aはプロセスの後半になるとどうしても売主と買主との間に要件のギャップが発生したり、きわどい質疑応答が発生したりしてちょっと「テンス(張り詰めた緊張感のある感じ)」な空気になる場面が必ずと言っていいほどあります。

そういう状況を察知して、「ここは深堀しない方がよい」という場面では一呼吸空けて空気を変えてあげる(決して濁すわけではないですよ)とか、「こういう意図での質問ですよ」と柔らかい聞き方に変換してあげるとか、そういうクッションになる役割も必要かなと思います。

なので、売手と買手両者の心の声やメンタル状況を察知する能力も鍛えられると思っているし、それをできてこそのアドバイザーかな、と個人的には思っています。

ただ、そんなことは全く気にも止めない男性アドバイザーが大半だと思うので、大事だと言う人は少ないかもしれませんが、、、あくまで個人の意見ということで参考にしていただければ幸いです。

ざざーっと書いてみましたが、もっと考えてみればまだまだ書ける内容はありそうです。

これからアドバイザーの仕事の魅力も広めていきたいので、引き続き深堀していきたいと思います。

本日はここまでです。

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