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指輪物語、読後とりあえず書く
力を捨てる旅、ということでもっと武力の登場しない作品なのかと思っていたら、そうでもなかった。
滅びの山への旅を自ら引き受けるフロド、自由意志で旅に参加せよと指示するエルロンド、ギムリだけに目隠しをするのではなく皆で目隠しを引き受けようと提案するアラゴルン、あたりの物事の考えかたが好き。
作戦会議が長引いたときのビルボの「エルフは言葉を食べても生きられる、ドワーフはいくらでも耐えられる、ただホビ
味わい深く広く大きく
カラマーゾフを読んでいたとき「この小説には何というかもう全部が詰まっているよなんてこったハアハア!」というような感想を抱いていたけど、いま指輪物語を読みながらカラマーゾフをふと振り返ると、カラマーゾフがぎゅっと狭く思えてきて不思議……。
単に物語のカテゴリーが違うだけなのかもしれないけど、なんというか、なんなんだろう(笑)。
カラマーゾフは、登場人物たちが自意識に満ち満ちていて、語り手も抽象的な単
カラマーゾフの兄弟の読後にぶつぶつ、つぶやく。
初読時はアリョーシャの信仰とミーチャの讃歌が面白かったけど、今回はスメルジャコフの独りぼっち加減が面白かった。
「おそらくフョードルとスメルジャーシチャヤの息子」っていう噂の種みたいな生まれで、頭はいいのに召使いとして育てられて、自尊心が傷ついて発酵してて、そのヤバい部分を小出しに披露してくる、あのヤラシーい感じ......(笑
スメルジャコフはミーチャ的に言えば「童」で、事件はある意味「
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一番好きなアリョーシャが思ったほど人気無くて、おいら寂しい(´・ω・`)
矢川澄子の復刊を願う。
気がついたら本棚にいた。初めて知ったのがいつだったか、記憶にない。矢川澄子はそんなひそやかな登場が似合う人だ。ミヒャエル・エンデを翻訳し、森茉莉にあとがきを寄せ、野溝七生子やアナイス・ニンを教えてくれる、優しくて知的なお姉さん。矢川澄子は、私にとって渋澤龍彦の妻ではなかった。
初めて意識したのは森茉莉のあとがきに名前を見つけたときだった。矢川澄子という美しい字並びが、強烈な既視感を引き起こした。な