味わい深く広く大きく
カラマーゾフを読んでいたとき「この小説には何というかもう全部が詰まっているよなんてこったハアハア!」というような感想を抱いていたけど、いま指輪物語を読みながらカラマーゾフをふと振り返ると、カラマーゾフがぎゅっと狭く思えてきて不思議……。
単に物語のカテゴリーが違うだけなのかもしれないけど、なんというか、なんなんだろう(笑)。
カラマーゾフは、登場人物たちが自意識に満ち満ちていて、語り手も抽象的な単語をぼんぼん投げてきて、この世の現象も人の心の中も、俺の観察眼とこの世への憤りで