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私の本棚。お気に入りの本一覧。


小さい時から、どこか違う世界に連れていってくれるような本の世界と、図書館や本屋の落ち着いた空気感が好きで。

窓から差し込む木漏れ日と風を感じながら、少しゆったりとしたソファ席で書棚を眺めながら時間を過ごせる近所の図書館がとても好きでした。

進学で地元を離れてからも、よく図書館には行くけれど少し遠いので、今度社会人になって引っ越す時は図書館のすぐ近くに住もう!と心に決めてる最近です。

そんな昔から身近にあった本の中でも、特に心に残ってる本、何度も繰り返し読み返している本を紹介します。


シヴェルニーの食卓/原田マハ

モネやセザンヌ、マティス、ドガなど有名な画家のそばで生活してきた家政婦の視点から、彼らの生活について書かれた作品。彼らのこだわりや視点、苦悩や葛藤、表現するって、こういうことだよね!と改めて思わせられる1冊です。

私自身、小さい時から何かものを作ったり、絵を描いたりすることが好きだったこともあり、母が昔からよく展覧会に連れていってくれてて。子どもながらに、自分の好みの絵を探したりしていたけど、あの頃は「よくわかんない」という気持ちも大きかった。この本を読むと、セザンヌやモネ、マティスなど小さい時に観た色々な絵画にもう一度会いに行きたくなります。


雲と鉛筆/吉田篤弘

夜寝る前に手に取りたくなるのが、吉田篤弘さんの本。この「雲と鉛筆」という作品は、鉛筆工場で働く主人公が、屋根裏部屋で雲を描くという、ちょっと非日常感が漂う素朴なお話。雲を描く中での日常の機微を丁寧にすくい上げて綴る、繊細な文章がすごく好きです。

この本では「曖昧さ」をテーマに物語が進んでいくのですが、この白黒はっきりつけないグレーな感じが心地いいなって思わせられます。曖昧なことを好まない人や環境って現代には特に多い気もするけれど、その曖昧さの中にこそ大切なものがたくさん詰まっているんだなって実感できる一冊です。


流れ星が消えないうちに/橋本紡

中学生の時にクラスの友達から「半分の月がのぼる空」という本をオススメしてもらってから、橋本紡さんの書く文章や世界観が好きで彼の著書を色々読み漁ってました。その中でも、「流れ星が消えないうちに」はすごく心に残る作品でした。この本は、大好きな人の死を乗り越えた先にある"日常"について書かれています。

死と言いつつも、そんな重苦しい物語ではなくて、大切な人が亡くなった後にも続いていく毎日の暮らしと心の機微を丁寧に綴りながら、悲しいだけじゃない、いろいろな感情が織り混ざった中でどう生きていくか、を書いた切ないけどやさしい気持ちになれる作品だと思います。


星の王子さま/サン・テグジュペリ

小さい頃読んだときは、イマイチ意味がわからなくて「何が面白いんだろう...?」なんて思ったりしてた星の王子さま。

改めて読んだきっかけは、習い事としてやっていたミュージカルで「星の王子さま」を上演するようになったとき。実際に演じるとなれば、その物語の背景や登場人物の心情なんかを理解しなきゃいけないし、星の王子さまはなぜ自分の星に帰ろうと思ったのだろう?とか、結局この物語が伝えたいことはなんだろう?ってたくさんの疑問も湧いてきて。

実際に舞台をやってみて思ったのは、主人公の王子さまの純粋で真っ直ぐだけどどこか儚い愛らしさと、本当に大切なものがいつの間にか手からすり抜けてしまわないように心にしっかりと持っておくことの大切さを感じました。

大人になると、小さい時の記憶とか忘れがちだけれど、その純粋さなんかを思い出したいなって時に読んでる一冊です。

シンプルに生きる/ドミニック・ローホー 

今から9年ほど前の中学生ぐらいの時に、ドミニック・ローホー さんの本に出会って、純粋に「こういう生き方したいな〜」と思うきっかけになった一冊。ミニマリズムの本質って何?断捨離ってなぜするの?とか本質的な問題に基づいて、彼女らしい生き方や過ごし方が書かれています。

シンプルなものには、"洗練された美しさ"があると思うのですが、その"美しさ"に辿り着くまでって、たくさん紆余曲折したり失敗したり色々なものが積み重なって、その上で削ぎ落とすからこそ、美しいんだと思います。そんな洗練された美しさを、この本を読むと感じますし、その美しさがあるからこそ、こういうシンプルな生き方したい...!と思わされます。

住宅巡礼 / 中村好文

「建築って難しいな...」から「建築って面白い...!」と変わったきっかけが中村好文さんの本。彼の本には、彼が巡った有名な建築家の作品を文章とスケッチで記録されているのだけれど、数ある本の中でも「住宅巡礼」が一番好きな一冊。

茶目っ気のあるはじまりと、実際にその建築を知ってから訪れて出会うまでのお話、あたたかみのあるスケッチに、「私もここに訪れて色々見てみたい!」と純粋に思わせられるワクワクする文章。中村好文さんらしい視点で建築を紹介していて、読んでてとても楽しいです。

大学に入って建築を勉強した今だからこそ「建築って楽しい!面白い!」と素直に思える最近ですが、高校生の頃は少し近寄りがたい存在でした。それでも間取りを見たりするのは好きで、暮らし系や部屋の本とかはよく読んでたりしたのですが、その時にこの本に出会えて、建築に興味を持ててよかったな〜と思います。


違国日記/ヤマシタトモコ

人と分かり合えないことって悪いことなのか?むしろ分かり合えないからこその関係性もいいんじゃないか?そう思わせてくれる漫画。

内容としては女性の小説家とそこに住むことになった高校生の女の子の日常の機微を描いた作品なんだけれど、普通なら見過ごしてしまいそうな感情や行動をすくい上げて、そこから人と人の関係性について考えることができる作品。私はとにかく、この漫画の持つ空気感みたいなものが好きで、人と分かり合えることを諦めるわけでもなく、だからといって無理して自分を作るわけでもなく、純粋で素直な高校生に寄り添うように一緒に暮らす、二人の関係性が素敵だなと思いました。まだ社会人したことないからわからないけれど、こんな大人っていいなと思います。


ブルーピリオド/山口つばさ

今度アニメ化されることで知ってる人も多いかもしれないけれど、主人公の美大受験〜美大での生活を描いた漫画。同じ美大受験の道のりを辿ってきた自分としては、分かりまくり!という共感の嵐。

美大生にしかわからない話かというと、そんなことはなくて。"表現する"ということを続けている人たちにとって、その時その時でぶつかる壁とそれを乗り越える時や、「何で自分って作品を作ってるんだろう(絵を描いているんだろう)?」ってふと思う瞬間とその理由を思い出す瞬間、これだから作品を作り続けてよかった..!と感動する瞬間など表現することによって付随してくる様々な出来事があります。それを思い出したり気づかせてくれて、表現したい!と思わせてくれる心あたたまる作品です。


私の本棚

小さい時から好きだった本、大学に入ってから好きになった本、その時期その時期の心に留めていることや環境によって本を読んでの感じ方って全然違いますよね。後から振り返ると、あの本と出会えたから、今の自分の状況があるなぁ...と思えることも多くて、とても嬉しい気持ちになります。

そういう偶然の出会いや自分の興味の幅が広がったりする瞬間が面白くて、本を読むのはやめられないな...と思います。もっと色々な面白い作品を読みたい...!

また自分の中で大切になった作品ができたら少しずつこの本棚にも追加していきたいと思います。






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