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内田涼さんの個展のトークイベントを聞いた。


2024年5月23日(木)

今日は夕方からOtherwise Galleryに内田涼さんの個展「ウィンド・ウィンドウ」(https://otherwise-gallery.com/jp/tokyo/785/)を見に行って、トークイベント「ままならないままのことについて」を聞いた。
参加者は内田さんと、作家の栗田平手さんと、堀田ゆうかさん、キュレーターの池田佳穂さん。
みんな、去年末から東京駅そばのBUGでの展示「バグスクール:うごかしてみる!」に参加したメンバーだ。
観客にも参加作家の光岡幸一くんや柿坪満実子さんに加え、お客さんとして来ていた方(僕もそうだが)もいて、めっちゃバグスクールだった。
この繋がりは留まることなく、ずっと続いていっている。

トークは、バグスクールをきっかけに皆が読んだ伊藤亜紗さんの『記憶する体』について、それぞれが記したメモを元に話を広げていく内容だった。
展示の内容についてはほぼ触れることなく、本当に本を読んでどこでどう感じたか、それが自分の制作とどう結び付いているか、という話に焦点を絞っていて、展示のトークとしてはかなり新鮮だった。
皆、安心して自分の想い・考えを言葉にして、相手に伝えている感じがした。
4人がお互いのことをよく知っていて、信頼しているからこそ出来ることだと思った。
伝わるか、受け止めてもらえるか、不安だったらこんなに豊かな語りにはならないことだろう。
やっぱり、このトークはバグスクールの繋がりの延長線上にあるから出来たことだし、これからどこに続いていくのか楽しみだなと思った。

色々印象に残る言葉があったけど、平手さんが「経験によって消えていく欲望と、消えない欲望」と言ってたことを記しておく。
子どもの頃、魔女の宅急便みたいにホウキで空を飛びたいと思って試したけど、やっぱり無理だった。
その欲望は後から飛行機が解消してくれたし、同じようなことは他にもあるけど、大人になってもどうにもならない欲望もまだある。
制作はそれを解消してくれるもの・・・という話だった。
なんらかの表現を求める人には共通する想いだろうか?
平手さんの作品を見るとすごくしっくりくるし、聞いている自分にもスッと入ってくる素直な言葉だと思った。

ほとんど自分の制作についての内省的な話だったので、こういう展示で他人に見せる意味や、自分と展示の関係についても気になった。
またお話しする機会があれば伺ってみたい。

皆さん、制作にも言葉にも、とにかく真摯で誠実で、加えて言葉にするのがとてもお上手だなと深く感じ入るトークだった。

『記憶する体』、買わないと。

会場には、写真家の久家靖秀さんもいた。
誘おうかなぁと思ってたので、偶然会えて良かった。
トークが終わった後、久家さんと光岡くんや村上慧さんたちとしばしお話をして会場を後にした。
久家さんと飲みに行こうかと思ったけど、久家さんの家の洗濯機が壊れて水浸しになったそうで、来週からの久家さんやOさんたちの6人展が始まってから、改めてということになった。
6人の「うつす」展は30日から学芸大学駅のBOOK AND SONSで(https://bookandsons.com/blog/utsusu.php)。
楽しみだ。
洗濯機大丈夫だったかなぁ。

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