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『枯れ葉』は風を受け、舞い上がる。


2024年3月23日(土)

相変わらず桜は咲かない。
寒い。
天気も悪い。
でもまぁ、その内晴れるし、あったかくもなるし、何はともあれ桜は咲く。
希望がある話だ。

天気予報では毎日のように、桜の開花がいつになるか話している。
開花予想は先へ先へとどんどん伸びていき、まだ咲きません・・・と。
マヂで全く咲かない可能性があるならともかく、待ってれば確実にいつか咲くんだから、そう1日単位で気にしなくても良いような気がするなぁと思っていた。
でも桜の開花(気象庁が観測している桜の標本木の開花)は長年観測を続けている気象データだと思うから、我々みたいな桜を見てキレイだなーと思えたら満足出来る一般人の感覚とは違って、厳密にいつ咲いたのかを記録することが、気象観測として大事なのかもしれない。
適当なこと考えてすみません、という気持ちになる。
今日は高知で、日本最速で桜が開花したというニュースがあった。
おめでとう。

せっかく休みの日で全試合見れるとこだったのに、雨のせいで高校野球は中止だった。
残念だ。
春の選抜はやっぱり雨が多い。
亡くなった祖父がよくそう言っていたことを懐かしく思い出す。

朝からSlackで研究室のボスとやり取りをしていた。
生物学が好きで進んできたこの道だけど、いつの間にか生物物理学(例えば細胞の形とか動きとか、生物の物理的な側面を研究する分野)とかソフトマター物理学(水滴みたいな柔らかいものの物理的性質を研究する分野)とか、物理寄りの興味が強くなっている。
強くなっていると言うか、今では純粋な生物学よりそっちの方が遥かに好きだ。
物理は高校でも学んでおらず(文系だったので)、なんか色々無知なんだけど、学んでおります。
結局、博士の学位はそっち方面だなぁ。

色々予定があって、休日も一日があっという間に終わってしまった。
ありがたい話で。
調整が下手で、ダブルブッキングみたいになってしまって申し訳ない。
こういう不誠実なことはやめたい。

夕方、昨年東京都写真美術館で学芸員実習をした時に仲良くなった貝吹千宙さんと会った。
お互いアートとサイエンスに興味がある所は共通していて、実習中から色々語っている。
貝吹さんの方でも色々動きがあるようで、楽しみだ。
一緒に面白いことが出来たらと思う。

夜は渋谷のユーロスペースにアキ・カウリスマキ監督の『枯れ葉』を見に行った。
フィンランド語の響きが体の内側に響く。
英語のタイトルが"Fallen Leaves"になってたから、「枯れ葉」というより「落ち葉」なのでは?と思ったけど、フィンランド語の原題"Kuolleet lehdet"をGoogle翻訳に直訳してもらうと"Dead Leaves"、つまり「死んだ葉っぱ」みたいだから、「枯れ葉」の方が合っているように思った。
むしろ、なんで英語は"Fallen Leaves"にしたんだろうか?
"dead leaves"という表現も「枯れ葉」という意味で使われるみたいなのに、なんで使わなかったんだろうと思い、"dead leaves"で検索すると同名の日本のアニメ映画が出てきた。
『天元突破グレンラガン』で有名な今石洋之監督の作品だ。
そのせい・・・?

でも作品としては、"dead"より"fallen"の方が良いよなぁと思った。
枯れてしまっても、終わってはいない。
時に風が吹き、舞い上がる瞬間がある。
むしろ枯れているからこそ、とらえられる風がある、と思えた。

あと、映画を見て、やっぱ酒ってダメだわと思った。
ほどほどに。
そんなことを考えながら少しブランデーを飲んで寝た。

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