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#詩

「夜にいとく」(詩)

「夜にいとく」(詩)

眠れない夜を書き続けていたら
眠らない夜を愛していた

わずかな歪みが私を保つ
理解の端々の崩壊が私を溌剌をさせる

醒めない夢は嫌いじゃない
永遠を約束しながら

灯火を吹き消して
私は夜を纏う

本が自分で作れるかもよ、と

本が自分で作れるかもよ、と

今日は、
朝からどきどきとしていました。

どうしてかと言えば、
星野灯さんに、
直々に(ファンの方すみません!)
冊子の作り方を教えて頂ける、
という日だったからです。

いつものギャラリー喫茶あいうゑむさんにて。
DMを受け取りにきたいろはさんと、
のりさんもご一緒のなか、
Wordでとにかく本分をつくります、
そしてこの製作所のページをひらき、
まずここをクリック、、、
と、それはもう小学一

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「本を」(詩)

「本を」(詩)

本を一生愛しています
本を一生愛していきます
本に一生愛されて
生きていくのを許します
それはとても幸せです
そしてとても浮世です
けして離れないものだと誓います

「わたしの書く」(詩)

「わたしの書く」(詩)

詩が書けなくなることって
あると思う?

私はずっとずーっと
書いていたいわ

書けなくなっても
無茶を書きなぐっていると思う

言葉は我慢強いもの
私のそばにずっといたもの

詩が書けなくなったらって
こわくない?

こわい
だけどこわくていい

大切にも乱暴にも不埒にも
扱うって丁寧さはかわらない

私は言葉が好き
いつまでも書いてる

「紫煙」(詩)

「紫煙」(詩)

トカレフ
かっこいい銃ね
私のこめかみが強請ってしまう

カトレア
なんて可愛い花なの
耳に挿したい

アネモネ
私の心にあのようなものを与えてよ

ああ 味わい深い白いマイクをなぞる
私はメロウにカナリアに成り
夜を明かさず消えてしまう

煙る幻
あなたの紫煙になりたいわ

「花」(詩)

「花」(詩)

花が湧く
咲くために
咲くために
すきまを探り当てて
ひかりをきき分けて
花が湧き上がる

つよく

あたたかい拍手はない
とめどない平日
夕暮れ

うつくしくも派手さはない一点
花は湧く

沸き立ち
蕾は顔を上げる

さあ
咲け

「書かなければ死ぬ」(詩)

「書かなければ死ぬ」(詩)

書かなければ死ぬと思う

こんなにも読むために
私が集めた本たちに
呆れられようと
私は書く合間でしか
読むことのできない
よろしくない読書家だと
みなが理解してくれたため
やはり書くほうを選び選び
本を途中で閉じるのです

静かすぎる唇に投げかけるものを淵に滲ませ
閉じた本は またひたと時の安らぎに
自己の痛みを放つのです

「書くからだ」(詩)

「書くからだ」(詩)

すこし動けば 床にへばりつく
この身体で 書いていく
 
荒れ野を行く夜
暴風の砂浜
黒い黒い海が聞こえるときも
日を撫でるのと同じ
この手が 書く

幻も 死も 水際も
花も 癖も 土の目も
胸を萎ませながら
血の流れ 骨の重みも 組み込んで
私で 書かれている

「私の詩」(詩)

「私の詩」(詩)

私の中の詩
たましいのスケッチだと言ったり
窓枠で切り取った世界の一瞬だと言ったり
私の鼓動をうつしたものと言ったり
口の端に上った音だったり

それはつまり本体よりも本体らしい顔をした
つまみ食いの一口
私を語らず
私の語りたいもので描かれた
私の細胞に触った光と影だ

私の詩を抱いて
私は眠り 起き
あなたに会い あなたを去る
何度も振り返りながら

私の詩が花だったなら
大きな大きな花束をお

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「わたしの樹々を切りなさい」(詩)

「わたしの樹々を切りなさい」(詩)

木こりよ
私の内の山肌が
光に飢えて 細やかに震える
だから
腕のいい木こり
私の内に繁る樹々を
切っておくれ

お前は
大きな斧を振りかぶり
固い手は握りしめ
静かに脈を打つように
長く生きた私の樹々を
安らかに横たえてくれる

木こり
お前の朝は早く 
日が熟れる頃に手を止めて
必要な動きで一日をおさめる
夜は星を仰ぎ休んでくれ
山はその肩を抱くだろう
柔らかに草は足を撫でて

木こり
ああそ

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「わたしの文章」(詩)

「わたしの文章」(詩)

私は私の文章を知らなかった
私の中で
私の文章は
面白味が薄く
ありきたりの風景の連続を
どうにか整えて色を感じることができる程度の
文章だと思っていた
 
はじめて視るときには疑問に浸され
じっくり見つめると ぼんやりと影が捕えられ
そっと覗いてやると やっと中心の輪郭を見る
そんな分かりにくいものだったとは
一切 横切りもしなかった
そういった私に
ひとは驚いた目
 
ひとの目に反射するさまを

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「私が綴ったというくらいで」(詩)

「私が綴ったというくらいで」(詩)

私が孤独だったとか
私が苦労を呑んできたとか
私が憐れな日々を抱いていたとか
たとえ私が綴った日記にだって
言われたくはない
私を呼ばわれるものは
私を総じることができるものは
生きても死んでも私だけだ

「骨と羽」(詩)

「骨と羽」(詩)

孤独は 骨
その枝々に繁る
いつまでも若葉のままの自由
余り気味の羽は
肩を凝らせる