群青 すい

「むれあお すい」です。 詩を書く場所をさがしてきました。 心機一転、ぼちぼちと。 …

群青 すい

「むれあお すい」です。 詩を書く場所をさがしてきました。 心機一転、ぼちぼちと。 以前書いていた場所はこちら→ https://t.co/fGMmSOLUBC

記事一覧

第一座右の銘

それは愛です 他には何もない 第二、第三? そんなものはない それは愛です 他には何もない 目を閉じていてもわかる ひかりが喜々として肌を焦がす熱 時々涼しい風がくる…

群青 すい
1日前
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無限のかたち

よく眠れる花のお茶をさがす いつもの棚のあおい箱 死角から男がやってきて わたしの名を呼んで壁になる 限度を超えて見開いた目が床に落ちる前に つかまれたわたしの腕が…

群青 すい
3か月前
25

jiffy

すぐかえる ってあなたは言って ふいとわたしはこころを離した 世にはあまりに光と色があり プリズムのあなたをわたしは忘れた 珈琲 けむりのように苦くて (底無し沼に…

群青 すい
3か月前
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天国と地獄

「現」 例えば目が覚めて枕辺のタオルには血がついていて 流れ出たあれこれで粘着力失った絆創膏をいくつも剥がして 例えば母から家中の刃物を捨てると罵られ 窒息するみ…

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群青 すい
3か月前
6

indispensable

ひかりの中で 為す術なくて 過ちをおかせとチャイムが鳴るの わたしたち 心臓がうごいてた ふりかかる汗が 夕立のようで あんなにまぶしい日だったのに 目をつむればつめ…

群青 すい
3か月前
3

十月の国

あまねく甘く有無を言わせず 秋を支配する金木犀 つめたい真冬のすがしさに焦がれ 見捨ててどこへいこうか 十月の国 荒れ果てた庭で老母が夢見てる 曲がった指から花束は…

群青 すい
3か月前
3

完璧な日曜日

いつかこの憎しみを はなびらちらすように手放したら それはもう知らないわたしだろうな 硬くつめたい冬の夜風に 両頬を傷つけてほしいと願ってた 意味をさがしていた 仏…

群青 すい
5か月前
13

hesitate

きみは眠っていた 怠惰さをののしられても ぼくは知っていた 結実のための眠りだと 水中のように息苦しく まっしろにひかる廊下で きみは眠っていた 制服の裏に絶叫が隠れ…

群青 すい
6か月前
3

grope

時がはしっていったから わたしの髪はきらきらゆれた 朝日をはじく波のように けがれることなどないかのように 光の残り香をかぎわけた 熱くて甘いチャイに似ていた かが…

群青 すい
11か月前

fluke

電線で刻まれた ずたずたの空 落ちておいで この腕に 抱きとめてあげる 透明なむらさきが世に満ち満ちて 時に手垢がつく前に 閉じたまぶたの裏 しろい鳥がわたる ひか…

群青 すい
11か月前

err

制服の内側 素裸のうんめい ひび割れたような赤い傷 伏せたまつげに降る罵声は黒い雪 (鎖ざした胸には  何の音もしない  何の  声もしない) 「おまえがうまれたとき…

群青 すい
1年前
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Death

おまえの名前を呼んでいる こんなにひどい雨の夜は特に しずくがそのままおまえになって この身をやわく濡らせばいいと そうしてそのまま立てずにいても まなうらには良し…

群青 すい
2年前
1

consolation

浅く眠っていた 風の音が聴こえるほど 夢はみたくなかった その中で死ぬのは飽きたから 淡く生きていた 思考が結ばぬほど 赤く咲くチューリップ 生きているのがふしぎだっ…

群青 すい
2年前
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bone

骨になるのをまっていた 風のはげしい火葬場で かなしみの速度に 追いつけないからだのままぼんやりと 骨になるのをまっていた 切り離してわらいながら そのかたちが消え…

群青 すい
2年前
1

affinty

硬いかなしみがガラスのように 成す術なくぶつかりあった あたためあえず つながりあえず ひとつになるのは業火の中で 光が遠い放課後で ことばもころがるだけの教室 窓…

群青 すい
2年前
1

ひとなみ

さいごの煙草が切れたから やれやれ サンダルをつっかけた 昔は「おそと」がだいすきで いつでも駆けずりまわっていたが 八月 空があおすぎて どうにもこうにも身をちぢ…

群青 すい
2年前
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第一座右の銘

第一座右の銘

それは愛です
他には何もない
第二、第三?
そんなものはない
それは愛です
他には何もない

目を閉じていてもわかる
ひかりが喜々として肌を焦がす熱
時々涼しい風がくるのは
笹舟流した小川があるから

しかたがねぇなとふるまいを認めることが許しなら
「おまえは」しかたねぇなと受け容れるのが愛です
(あたしにとってはね)
ちょっとわらってくれたりしたら もうそれだけでいいんです

行為の打算を裁くの

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無限のかたち

無限のかたち

よく眠れる花のお茶をさがす
いつもの棚のあおい箱
死角から男がやってきて
わたしの名を呼んで壁になる

限度を超えて見開いた目が床に落ちる前に
つかまれたわたしの腕が言う
「この男を知りません」
爪も言う 指も言う 髪も言う
「知りません」「知りません」「知りません」

男はたじろいで去る
外に出てわたしは息をする
忘れていた息をする

光は言う
「あなたを知りません」
わたしは言う
「ではここか

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jiffy

jiffy

すぐかえる ってあなたは言って
ふいとわたしはこころを離した
世にはあまりに光と色があり
プリズムのあなたをわたしは忘れた

珈琲
けむりのように苦くて
(底無し沼に死体棄てるように)
つまんだ角砂糖沈めた

まがいものじみたあかるさに
金管楽器の音がする
天気雨

サイレント映画のように降るしずく
あなたはいますかいませんか
それとも もう生きてはいませんか?

天国と地獄

天国と地獄

「現」

例えば目が覚めて枕辺のタオルには血がついていて
流れ出たあれこれで粘着力失った絆創膏をいくつも剥がして

例えば母から家中の刃物を捨てると罵られ
窒息するみたいに固く固く心に包帯を巻いてその声から遠ざけて

例えば愛と支配の類似性なんか知らなくて
きらきらと 星光る 夜空のもと肋骨折られてそれに気づいたりなんかして

業火のような憎しみも
果てなき道に似た絶望も
この胸にとぐろを巻くのに

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indispensable

indispensable

ひかりの中で
為す術なくて
過ちをおかせとチャイムが鳴るの
わたしたち 心臓がうごいてた

ふりかかる汗が
夕立のようで
あんなにまぶしい日だったのに
目をつむればつめたくいられた

傷を合わせて
もうきっと
誰もふれられないところにいきましょう

わたしを隠して
くるしめないで
帳のように 金碧朱、いま降りてきて

十月の国

十月の国

あまねく甘く有無を言わせず
秋を支配する金木犀
つめたい真冬のすがしさに焦がれ
見捨ててどこへいこうか 十月の国

荒れ果てた庭で老母が夢見てる
曲がった指から花束はすり抜ける
こわれてゆく先に望むものがあると信じてる
形見の指輪の石は割れてる

きらいでいてもいいでしょう
誰しもすきではないでしょう
言葉にするのはあきらめ、やめても
気持ちひとつ殺さずに持っていたっていいでしょう

思い出を蹴り

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完璧な日曜日

完璧な日曜日

いつかこの憎しみを
はなびらちらすように手放したら
それはもう知らないわたしだろうな
硬くつめたい冬の夜風に
両頬を傷つけてほしいと願ってた

意味をさがしていた
仏花の白さを問うように
意味はなかった
一直線の傷痕は
「それまで」と「これから」の単純なスラッシュ

骨が哭いている
鼓動は物音になったのに

母が家中の刃物を隠し
父が家中の金を盗んで
生まれた空白を怒号と罵声が丁寧に埋める
わたし

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hesitate

hesitate

きみは眠っていた
怠惰さをののしられても
ぼくは知っていた
結実のための眠りだと

水中のように息苦しく
まっしろにひかる廊下で
きみは眠っていた
制服の裏に絶叫が隠れてる

かたわらにいたかなしみが
めざめてきみをだきしめる
きみは激しく紺青に染まる

きみは眠っていた
かなしみの波を胸に飼い
生徒手帳の俤を真っ黒に染めながら

grope

時がはしっていったから
わたしの髪はきらきらゆれた
朝日をはじく波のように
けがれることなどないかのように

光の残り香をかぎわけた
熱くて甘いチャイに似ていた
かがやくはおなじ太陽(あの日と)
つめたきはわたしの影(あの日の)

てのひらいっぱいに
愛という名の
おぞましい花びらが降りしきる

あとから、
あとから、
あとから、、、、、、、

fluke

fluke

電線で刻まれた ずたずたの空
落ちておいで この腕に 抱きとめてあげる
透明なむらさきが世に満ち満ちて
時に手垢がつく前に

閉じたまぶたの裏 しろい鳥がわたる
ひかりのよう、
予感のよう、
はやすぎた春の朝あのひとは眠った

いざや いざ。
空白のてのひら
神の目をぬすんで

この世にはじめてうまれてみせた
ひらめくひとみのいのちのごとく
空はしずかにふるえていた

err

err

制服の内側
素裸のうんめい
ひび割れたような赤い傷
伏せたまつげに降る罵声は黒い雪

(鎖ざした胸には
 何の音もしない
 何の
 声もしない)

「おまえがうまれたとき
 またおんなかっていわれて
 おかあさんはくやしくてねえ」

幼さを四捨五入
持たされただけの肉体を思うまま されるまま
それは自傷
する自由、しない自由、死ぬ自由。

Death

おまえの名前を呼んでいる
こんなにひどい雨の夜は特に
しずくがそのままおまえになって
この身をやわく濡らせばいいと

そうしてそのまま立てずにいても
まなうらには良し悪し思い出が集う
やさしげや いとしげで ひとはさまざまだ
くれた灯りと偽りをかぞえてひまつぶしもできる

胸のくらがりには星をかざろう
いつかただひとり見上げた名の知らぬ冬の星
時間も頬も切るような風の中で

まぶたにふれる闇い手に

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consolation

浅く眠っていた
風の音が聴こえるほど
夢はみたくなかった
その中で死ぬのは飽きたから

淡く生きていた
思考が結ばぬほど
赤く咲くチューリップ
生きているのがふしぎだった

開けた窓から
腕を突き出し
天使よとまれ とつぶやいて

かすめたものが
花か雪か
眼を閉じたぼくは知らないまま

bone

骨になるのをまっていた
風のはげしい火葬場で
かなしみの速度に
追いつけないからだのままぼんやりと

骨になるのをまっていた
切り離してわらいながら
そのかたちが消えていくのがつらすぎて
フォーカスできずにぼやけるこころ

白小菊
初春の
ちいさな苺大福

眼に馴れて
共に燃された
外着のいろのサファイア・ブルー

affinty

硬いかなしみがガラスのように
成す術なくぶつかりあった
あたためあえず つながりあえず
ひとつになるのは業火の中で

光が遠い放課後で
ことばもころがるだけの教室
窓の外ほうり投げられたまなざし
鳥でも雲でもなく死をさがしていた

わたしたち
この世にこぼれ落ちた
青空のふち そっと追いやられ

きみをみて
胸をおさえた
傷ついたように時があふれて

ひとなみ

さいごの煙草が切れたから
やれやれ サンダルをつっかけた
昔は「おそと」がだいすきで
いつでも駆けずりまわっていたが
八月 空があおすぎて
どうにもこうにも身をちぢめた

がやがやと肩を寄せ ひとなみ
知らん顔ばかりを盗み見
「せめてなりなさい」と言われてた ひとなみ
あけすけに傲慢な爪先

あのねこうやって他人のなか 歩くように
人生だってどう見えようが孤独だしそうでもなかったりするでしょうが

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