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fluke

電線で刻まれた ずたずたの空
落ちておいで この腕に 抱きとめてあげる
透明なむらさきが世に満ち満ちて
時に手垢がつく前に


閉じたまぶたの裏 しろい鳥がわたる
ひかりのよう、
予感のよう、
はやすぎた春の朝あのひとは眠った




いざや いざ。
空白のてのひら
神の目をぬすんで


この世にはじめてうまれてみせた
ひらめくひとみのいのちのごとく
空はしずかにふるえていた

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