Death
おまえの名前を呼んでいる
こんなにひどい雨の夜は特に
しずくがそのままおまえになって
この身をやわく濡らせばいいと
そうしてそのまま立てずにいても
まなうらには良し悪し思い出が集う
やさしげや いとしげで ひとはさまざまだ
くれた灯りと偽りをかぞえてひまつぶしもできる
胸のくらがりには星をかざろう
いつかただひとり見上げた名の知らぬ冬の星
時間も頬も切るような風の中で
まぶたにふれる闇い手に
幼いままの恐怖をかくして
おまえの名前を呼んでいる
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?