みなこ

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最近の記事

間違った出口

ここ最近、自死に関する本を数冊読んだ。以下に記載する。 藤原俊通「自殺予防カウンセリング」 松本俊彦『「死にたい」に現場で向き合う 自殺予防の最前線』 末井昭「自殺」 春日武彦「自殺帳」 はじめは自分自身の希死念慮を知識として消化する為に、読みはじめた。 そうでなくても、一時期精神医学や臨床心理学にはまりこんでいたせいで、そういった類の本ばかり読んでは頭でっかちになっていたし、数年前に私と同じ年の知人が自死を選んでしまったこと、好きな芸能人たちの悲しい選択などからこの分野

    • 闘争心

      最近、妹といろんな話をするようになった。 主にはお互いの性格の違いに関して(だけど好きなものとかは似てる)、とか、好きなアニメの話とかをする。 彼女はよく自らの性格のことを闘争心が強い人だと語っていて、私も彼女のことはその通りだと思う。幼い頃から、徒競走でも部活動でも何かと目立つ存在だった。彼女がそこまで熱心になれる理由は、彼女自身がもつ「闘争心」の強さにあると言う。常に、何かと戦っているし、それに絶対に負けたくないのだそうだ。かっこいい。 一方の私はというと、運動会ど

      • ここではないどこかへ

        ↑ 最近買った本で点滅社の「鬱の本」に、「怪談という窓」という青木海青子さんのエッセイがある。 鬱状態に陥ってしまったころ、ベランダに出ては下に飛び降りるイメージトレーニングに余念がなかったそうだ。その頃に、怪談の本を手にとっては読み漁っていたという。 『私はこれらの怪談を怖がりながら読んでいたわけではなく、見え隠   れする向こう側の世界の存在に、どこか安心感を覚えていたように思います。今ここが苦しくても大丈夫、全然違う異界がひろがっているのだから、そこではここと全く違う

        • 親密な洞窟

          私と彼の音はすごく親密だった。 誰かがSNSにアップしていたこの写真を見た時に、私の、誕生日の次の日だったのが気になった。えっ。と思った。誰が、また偉人になってしまったのだろうと。 私は、「どんな音楽聴くの?」と他人に聞かれる時必ず、「あんまり音楽のことはよく知らないんです。坂本龍一くらいしか聞かない。」 と答えていた。自ら進んでよく聴きたいと思うのが彼の音しかなかったからだ。 彼の作る音に初めて出会ったのは、母が弾くピアノだ。 昔、私の家には白いカワイのピアノがあった

        間違った出口

          確かに知っている感情

          「まるで、冷たくて重くて分厚い鉄のような板と板の間に挟まる様にして、土の下に隠れているようなんです」 カウンセラーに「今のあなたはどんな状態なのでしょうか?」と聞かれたときに、私はそう答えた。 少し前までの私には、崖のつま先にいて、一歩でも間違えれば崖の下へ落ちていってしまうようなそんな中にずっと立っている感覚があった。 それがこの何年かの間で、土の下にひっそりと隠れて息を潜めているような感覚の方が強くなってきたのだ。 「なるほど、そうなんですね..。」 私はカウン

          確かに知っている感情

          暗い部屋 ー写真を撮ることについての覚書ー

          iphoneの新型がなにやら発表されたらしい。私は未だに8という型を使っており、事あるごとに他人に「まだホームボタンあるの使ってるの?」と言われる。人のiphoneくらい、ほうっておいてほしいとつくづく思う。 しかし、ここのところ続けざまに他人に「まだそれ使ってるの」と言われてしまうので、ニューモデルはどんなかな。と情報収集してみると、とりあえずカメラ機能がすげぇことになっている。ということくらいしか分からなかった。所詮スマホに興味がないのだ、私は。さぞかし、人々はスマホに

          暗い部屋 ー写真を撮ることについての覚書ー

          カエルは帰る

          私はカエルを踏んずけたことがある。あれは、確かにカエルだった。カエルに違いない。うん、そう。カエルだったと思う。 あの踏みつけた時の感覚は、なにを踏んづけた時とも違っていた。最も、私は大したものを踏んづけてきたわけではない。犬のフンを踏んづけたのだってこの人生で1度くらいだ。 あれは、夏の夜の迷路のような住宅街の中をどんどんと迷宮入りしていってしまいそうな暗い小道へ、そして小道へ、と進むYの家までの帰路だった。Yが週に1度くらい、恋人に会うような日ー大抵決まって日曜日だっ

          カエルは帰る

          推しが入隊する

          知らせは突然だった。 いや、突然なんかではない。ずっと心構えはしていたことだった。 私の最推しであるイ・テミン君は今年で29歳(韓国年齢)を迎える1993年生まれの男性である。 マイケルジャクソンを初めてテレビで見てから、舞台の上で歌って踊ることを夢みた少年は14年前SHINeeの末っ子として輝かなるデビューをした。 私が彼を知ったのは、彼らがデビューしてから2年経ったころだろうか。5人いるメンバーのなかでも私は彼にどうしようもなく惹かれてしまった。どんな服を着ていよ

          推しが入隊する

          君の呪いは神のせい

          先日、東畑開人さんの「野の医者は笑う 心の治療とは何か?」(誠信書房) を拝読した。実の母親が「スピリチュアルカウンセラー」であり、その上で「臨床心理学」という学問を覗き見している私にとっては最初から最後まで興味深く、一気に読み終えてしまった。(もっと読んでいたかった)東畑さんの言葉では、「スピリチュアルカウンセラー」や「ヒーラー」と名乗る人々を総合して「野の医者」と呼ばれる。 私の母がスピリチュアルカウンセラー、「野の医者」となったのは10年ほど前のことだった気がする。

          君の呪いは神のせい

          私は君がお茶の時間に何を好むのか知らない

          1日に一回、私はかならずお茶の時間を設ける。 特別そう意識しているわけではないのだが、思い返してみればおそらく幼少期からずっとそうだったのかもしれない。子供のころは母や父の一服タイムに付き合うことから始まり、そして定着していったのだろう。 私に忙しい日なんて特にないけれど、例えあったとしても、駅のホームかなんかでお茶と甘いものを少しだけ口にいれるだろう。(実際忙しなくしていた時期のお茶タイムはこんなだった)1日のうちで少しの時間だけ、立ち止まって何も考えずボゥっとする時間

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          セフレ君のリミット

          セフレ。ある時からこの言葉はみんなが使うような言葉になっていた。言葉は文化だ。つまりそれだけ、セフレという関係をみんな持っているということになる。 私がセフレとなる人と関係を持つ際、どんな相手であれ死守するルールがある。「酒の場以外の同伴外出の一切を禁ずる」だ。つまり、対象人物と時間を過ごすのは密室内(ホテル・自宅等)またはバーなどの飲み屋のみで、他のことを一緒にするのは禁止している。相互関係に情が生じすぎるのを防ぐためと、痕跡を至るところに残さないため(記憶という面と、目

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          私が下手くそなこと

          先日、上司に「あなたは器用すぎる」と言われた。確かに私にはそういうところがある。器用貧乏、あるいは八方美人とも言い換えることができるだろう。 改めて、そのように人からその器用な面を指摘されると自分でも驚いてしまうほど、他人の表情や微細な感情を読み取って会話や立ち居振る舞いを行っていることに気がつくのだ。 しかし、これは「社交スイッチ」が入っている時限定である。誰とでも仲良く、楽しく過ごしているように見えているかもしれないが、つまるところ、その相手との関係が深くなく、私自身

          私が下手くそなこと

          俺か、俺以外か。

          ー愛情に関してー もし重石になったとしたら天秤でかけるとちょうどおんなじ重さの愛情で、私はMとAを愛していた。でも、その2つの愛情は両極端に枝分かれしている。 Mへの愛情というと、尊敬が一番最初に存在する。時に私とMは兄弟のように、時にはライバルのように、親密に過ごしていた。彼の素晴らしい部分をもっと多くの人に知ってもらいたいと願うし、私は彼の生涯をずっと見守る役目を勤めたい。彼には、なるべく、長く生きて欲しい。美しい彼の存在を世界の人に広く知ってもらえるくらいには、長く

          俺か、俺以外か。

          自己愛

          私は可愛い。 何度鏡で見ても顔の作りから身体のバランスまで、全て自分の好み通りの仕上がりである。 ただ、そのことは私だけが知っていれば良い。 私のことを「可愛い」「可愛くない」と他人から判断される必要性は全く無くて、私は、私の基準によって「最高に可愛い」私であるのだ。 「可愛い」これはもはや呪いのように世の中にはびこっている。 私は私の基準によって最高に可愛いだけなのだが、多数の男性になぜか「可愛い」と言われる。はっきりと申し上げるが、全く嬉しく無い。 「余計なお

          苦しくてキライなのにとめられないもの

          恋だ。 恋をすることは苦しい。みんなそんなこと知っている。 男女共学の中学校時代で密かに憧れていた男子生徒がいた。彼は学校中の人気者で特別目立つ彼の一挙一動にいちいち胸が締め付けられたり、勝手に影響されたりしてしまったりしてしまうので、なるべく彼を視界に入れぬよう、なるべく学校には近寄らないよう(コラ)に努めた。今思うと相当好きだったな。これ。 そして一人の美しい男子生徒への思いからそんな行動に出てしまう私を「ほとほと馬鹿げてる」と言える冷静な私と、どうしても彼の美しさ

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          ネオ☆青果店について考えてみる

          ある晴れた秋の日の午後に、私はいつものコーヒーショップのテラス席から街のフルーツ屋眺めていた。 そういえば、フルーツ屋をはじめとした青果店と呼ばれる商売は、人類の文明の中で誕生してからというもの、その営業形態を大幅に変更したことが全世界的に見てもほぼない。 青果店の普遍的な営業形態・大抵の商品は市場或いは農家から仕入れている ・販売者は商品である野菜や果物を店頭に直接陳列(そして客は陳列されているものをそのまま購入する) ・その商品に対する情報:商品名、値段そして産地

          ネオ☆青果店について考えてみる