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【就活】 残り10%を「熱意」にしなかった、そんな選択

就活を終えたら これだけは書こうと決めていたことを書いてみる。

就活はマッチングであり、他人と比べて勝負するものではないし、学歴は全てではないし、知名度のある企業に入れたとして全員が幸せになれるわけでもない。

面接という場において企業側の人間と学生はなかなか対等にならないし、ガクチカを盛る人は山ほどいるし、企業の良い点・強みしか発信しない人は山ほどいる。


そんな中でも確かに言えるのが、
「就活は、ある一定の『慣れ』が必要であり、慣れれば合格率が上がる、という部分がある」
ということである。

GDも面接も、経験値が上がるほど話し方は上手くなったかもなぁと思うし、想定質問への答えの内容もどんどん磨かれていったし、緊張しなくなったし、30分の面接の時間配分も分かったし、オンライン面接のコツも徐々に身につけていった。



でもそれは就活における「90%」なのだ。私自身、そう思っていた。
そしてそう思っていたタイミングで、noteを通じてお話しした社会人の方に、こう言われた。(一言一句正確ではない)

「ミモザさんはある程度就活を『ハック』していますよね。面接が得意というか、慣れているんだなぁと(こちらが)感じる話し方をしているなぁ、と思う。
でもその『慣れ』だけでは○社も内々定はいただけないのではないかな?とも思います。
残りの10%って何でしたか?面接にある程度慣れて、受けたい企業も固まってきて、相手に緊張しているね〜と言われたくなった。

90%が『経験値』という領域だとしたら、残り10%は何でしたか?熱意?想いを伝えること?その会社でなければならない理由をうまく伝えることでしたか?」



その時の私はあまり深く考えずに、「確かに最後は"熱意"が大事だと 一般的に言われていますよね、逆質問の内容で熱意を見ている、なんていう話もありますし。」
なんていうふうに伝えた記憶がある。

どんなに経験値を積もうが落ちる時は落ちるに決まっているし、全ての企業から内定をもらうために「自分を偽る」なんてことをするのはすごく醜いことのように思ってしまう。




この後1人でじっくり考えてみて、気づいたことがある。
私にとっての残り10%は熱意ではなく、「ありのままの自分でいること」だったように思う。
そして、選ばれるという意識だけではなく、選ぶという意識を持って面接という場に臨むこと。

この残り10%のおかげで私は就活を楽しめたと思うし、落ちても自分の全てを否定してしまうことはなかったし、誰かと比べて変に卑屈になることも少なかったように思う。


「ありのままの自分をアピールすること」、「自分も企業を『判断する』という姿勢で臨むこと」。
どちらも綺麗事だと笑われてしまうだろうか。

それでも 自分が魅せたい自分をアピールして、自分のことを語って、自分とその企業が合うかを確かめるための判断に費やした多くの時間は、この"10%"があったからこそ決して無駄なものではなかったように思える。




そして何より、企業と学生がイーブンな就活を目指すこと。ありのままの自分で選考に臨むこと。
これは私が「体現したい価値観」でもあったのだ。

これは1度も面接で口にしたことはないけれど、私は就活を通して、今 長期インターンで関わっている"とあるサービス"が目指す価値観(世界)、そして サービスをつくっている組織で体現されている価値観を 学生という立場から誰よりも体現できる人になりたかった。


「組織にミッションやビジョンが浸透していること」「カルチャーを体現しようとしている人が多いこと」「立ち止まってしまった時に振り返るのが組織で大切にされている価値観・考え方であること」
......これは私がいつも1番最初に挙げていた就活軸であり、

私は「就活」という1つの大きな行動全体を通じて、
今所属する組織の価値観を体現することによって、
 モチベーションの維持をしていた。就活軸の裏付けをしていた。自分にとって大切なものを見失わないようにしていた。


働く上でミッションやビジョン、バリュー、カルチャーを体現できる人に、語れる人になる、それを大事にしたいと言い続けることは簡単である。

でもそれを今から行動に移せていたのだ。
就活生という"学生"の立場の今から、自分が所属する組織のそれらを体現できたこと、ずっと考え続けられたこと.....
自分にとってすごく大きな「幸せ」になっていたのだと思う。




全ての企業が学生のことだけを考えて採用をしてくれるわけではない。
圧迫面接はあるし、オワハラはあるし、うちの会社が第一志望か?というほぼ無意味な質問は消えないし。

それでも私が巡り会うことができた 数多くの企業さんたちが
ただ自社を勧めるだけでなく 私のキャリアを一緒に考えてくださった。
私と自社が合わない理由を教えてくださった。判断できるだけの要素をくださった。
社会に出て働く上でのこと、キャリアに対する考え方、、、1つのその方の人生観を 教えてくださった。


正面から向き合いたかった時に、正面から向き合ってくれる方々がたくさんいた。

私が体現したいことを体現し続けながら、自分がその一員となる組織選びができたこと。未来の自分を想像できたこと。


私にとって就活は、私の土台にある価値観の上に そのバランスを崩すことなく真っ直ぐに乗せることのできた、小さな行動の積み重ねである。




これはインターン先を卒業する時に社員さんたちに向けて書こうと思った話だけれど、
就活が終わったタイミングで 私に関わってくださった全ての人への感謝と、最後に大事だった10%は「熱意」ではなかったのだ、という思いを込めて。
3月21日の今日、ここに確かに書き残しておきたい。



終わり。

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