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現場からの福祉

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当事者の生きたい生き方が出来ない。 いつまで経っても不完全な制度や仕組み、 どんなに組み合わせても私たちは満足出来ない。 求めているのは、皆さんがしている普通の暮らし。。
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おおいた口唇口蓋裂・親の会かけはし

おおいた口唇口蓋裂・親の会かけはし

 なになに「おおいた口唇口蓋裂・親の会かけはし」と「大分口唇口蓋裂友の会レインボー」というのがあって、今日、参加したのが前者、親の会なんだな。たまたま我が家の長男は当事者として私は当事者と親として一緒に参加することになった。
 参加者は皆さん若いお父さんお母さん方が多く、医師に看護師、医療関係者、会場のあちらことらに可愛い子供たちが遊んでいいる。堅苦しくないふわっとした雰囲気がいい。
 岩本代表の

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NPO法人大分県難病・疾病連絡協議会の連理事会に出席

NPO法人大分県難病・疾病連絡協議会の連理事会に出席

 長いコロナのトンネルから抜けてようやくこうして顔を合わせて会議が持てるようになった。話題は難病連が運営する就労支援B型作業所の運営状況の報告から九州ブロックの交流など多岐に及ぶ。午後からは助成金セミナーがあるものの、私は所用があったので美味しい弁当と暖かい珈琲を飲んで中座。

 就労Bの利用者工賃や作業内容の話は、20数年前に私が授産施設で働いていた頃と、工賃が少し高くなったくらいで仕事内容は何

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運動の火

運動の火

 やっと秋らしくなった週末、土曜日の午前中は大分トキハ前で「優生保護法裁判に正義・公平の判決を」最高裁に求める街頭署名活動に参加。秋のイベント最盛時期と重なったこともあって、トキハデパート前の人出は驚くほど少ない。道行く人に声を掛けチラシを手渡す、署名をお願いする。

 さあ適当だけど10人に一人がチラシを受け取ってくれて、30人に一人が署名をしてくれる感じだったろうか。

 私はチラシを担当した

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要望と回答並びに意見交換のズレ

要望と回答並びに意見交換のズレ

難病患者(団体)と大分市との意見交換会に出席、所感として少しだけ。

 難病患者団体からの要望事項は24項目に及ぶ。事前に大分市に書面で申入れしておいて、この意見交換の席で書面で回答を頂いて、その回答についての意見交換をする形式だ。出席者は患者団体が11名に対して、保健所7名、障害福祉課他各関係課から19名が無相対する形で進行して行く。

 一つ目が私が事務局長を務める患者会のだったので紹介すると

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カルと会議と海老ちゃん

カルと会議と海老ちゃん

 担当者会議を理由にしてカルちゃんに会いに行く。おーカル、カル、会いに来たよ。8歳のカル、成長著しきかな。と思ったけど、太っただけなのか。食欲の秋だったからな。ちょっと、会議をちゃんちゃんとやっつけて来るよ。また後で遊ぼうな。
 会議が終わり外に出る。カルが見当たらない。初冬の裏山や野原に、カルカルと呼んでみる。暫くすると、裏手の山から走り降りて来た。街の犬と違って、そこらじゅうがドッグランになっ

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社会参加してなかったのか

社会参加してなかったのか

 JR九州駅無人化訴訟の第一回口頭弁論での平松弁護士の意見を聞いて、ずっと考えていた。
「私は原告のみなさんの不自由さを体験することはできません。そのため、駅無人化による被告の施策ではなぜ「合理的配慮」とは言えないのか、ということに常に思考を働かせ、想像力を強く鍛えなければならないと思っています。そうしなければ、原告のみなさんの訴えの本質を見抜けず、ひいては社会に厳然とはびこる障がい者差別を見逃し

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かみさんと裁判所に行く

かみさんと裁判所に行く

 あらあら夫婦喧嘩の仲裁に行くのか、ついに裁かれに行くのか、そんなんじゃあない。
 3人の障害当事者が原告なって、巨大企業JR九州に闘いを挑むという、まるでドラマにでもなりそうな裁判の傍聴に行って来た。このお三方は共にFB友で、弁護してくれる先生方も薬害訴訟でお馴染み、どんな時でも障害当事者や支援者である私たちの味方の徳田先生を中心とした弁護団だ。
 昨年の9月に提訴したJR九州駅無人化反対訴訟、

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推進力は矛盾か

推進力は矛盾か

 朝、うつ伏せの格好で目が覚める。枕元にあるiPhoneのホームボタンを押すと5時45分、7時にセットしている設定を解除、読みかけの文藝春秋を引き寄せて、挟んである栞のページを開く。読みながら寝落ちした行を探す。2ページくらいで昨日までの物語に接続完了。切りのいいところまで読んで微睡んでいると、飼い犬のうみが二階から降りて来て、かみさんのベッドに飛び乗る。かみさんと朝の挨拶を交わしている。それが終

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ベクトルの違い

ベクトルの違い

 アパートの外にあるセキュリティーから教えられた部屋番号を入力して、呼び出しを押すと、しばらくして、本人が手すりを伝うようにして、外扉のロックを解除しに出て来る。室内からの開錠はうまく動作しないらしい。玄関から通されて、お邪魔すると、1Kのアパートは、玄関から左手にユニットバス、右手に対面のキッチンがあり、その奥がとベッドとホットカーペット、ただ、そのカーペットの上には趣味のアニメやら時代劇のDV

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渡れぬ川があるのか

渡れぬ川があるのか

まあ古い歌ですが、「黒の舟歌」というのがあって、「男と女の間には、深くて暗い川がある。 誰も渡れぬ川なれどエンヤコラ今夜も舟を出す」っていう歌詞が、最近心に響くのです。そう障害当事者と私たち健常者の関係性のことです。私たちの仕事の基盤は自立生活運動です。ですから当事者主体なのです。全国にある多くのセンターが工夫していることに、 障害当事者が主導権を持つことで、健常者主導にならないような体制を作って

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相模原障害者施設殺傷事件

相模原障害者施設殺傷事件

 7月26日、朝からとんでもないニュースが飛び込んで来た。目を背け、思考を強制的に止めた。連日のワイドショーなどのコメンテーターの言葉にも耳を閉ざした。
 3日後に当事者研究の第一人者である東大先端技術の熊谷晋一郎准教授がファイスブックに次のような投稿をした。・・・相模原の事件報道以降、気持ちが落ち着かない理由の一つは、リハビリキャンプでの記憶が侵入的に思い出されるからだということに、今朝、なんと

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幸せのミッション

幸せのミッション

病院駐車場に向かう間に雪が舞い始めた。鉄輪線ですれ違う人や車に師走の慌ただしさが行きかう。指示された時間ギリギリに病室に駆け込むと、居合わせたスタッフが他の患者さんの看護の手を止めて、大林さんの着替えから車椅子への移乗と、声かけと笑顔を絶やさずに行う所作が手際よく見ていて気持ちいい。スーツに身を包んだ大林さんに来たことを告げると、顎をしゃくりサイドテーブルに置かれたパソコンを見るように目で促して来

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