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渡れぬ川があるのか

まあ古い歌ですが、「黒の舟歌」というのがあって、「男と女の間には、深くて暗い川がある。 誰も渡れぬ川なれどエンヤコラ今夜も舟を出す」っていう歌詞が、最近心に響くのです。そう障害当事者と私たち健常者の関係性のことです。私たちの仕事の基盤は自立生活運動です。ですから当事者主体なのです。全国にある多くのセンターが工夫していることに、 障害当事者が主導権を持つことで、健常者主導にならないような体制を作っているそうです。私たちのセンターも当事者主導のスタイルは絶対なのです。仕事にしても生活にしても当事者主体なのです。実に奥深い意味深い理念なのです。この運動に出会って6年目を走っていますが、時々、思うことがあります。問題解決の手法として、あるいは当事者力を高めるために、当事者には自立生活プログラムやピアカウンセリングなどがあリます。健常者にも何がしかの手法があるわけですが、こと両者、当事者と健常者が一緒に研鑽するステージがないのです。うーん、必要ではないのかも知れません。以前にも書きましたが、健常者が前に出続けた結果が今、当事者不在で多くの仕組みが決められてしまう社会にな ってしまったわけですから。ここらあたりの溝、氷雪にぽっかり空いたクレバス、どこまでも深い川だと思うんです。それでも渡れそうにない川なんだけど、私たちはエンヤコラと漕ぎ続けないとダメなんですよね。苦しいんですね、これが。だから私は考えました。当事者が徹底的に私たちの師であり続けてくれればいいのだと。私たちの指導者になって頂くために応援すればいい、そのために必要な支援をすることが、私たち健常者が出来る運動であり仕事なんだと思うことにしました。
20161031

ここで頂く幾ばくかの支援が、アマチュア雑文家になる為のモチベーションになります。