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要望と回答並びに意見交換のズレ

難病患者(団体)と大分市との意見交換会に出席、所感として少しだけ。

 難病患者団体からの要望事項は24項目に及ぶ。事前に大分市に書面で申入れしておいて、この意見交換の席で書面で回答を頂いて、その回答についての意見交換をする形式だ。出席者は患者団体が11名に対して、保健所7名、障害福祉課他各関係課から19名が無相対する形で進行して行く。

 一つ目が私が事務局長を務める患者会のだったので紹介するとこんな感じ。

要望事項

「通年かつ長期」の考え方について(大分SCD・MSA友の会)

移動支援サービスや重度訪問介護サービスの利用にあったては、「通年かつ長期」に及ぶ活動、例えば文化活動や定期的な社会参加活動には使えないと言われているが、国や地方公共団体、市町村が推進する障害者の社会参加推進の方向性と大いに矛盾していると思うが大分市としての見解と、制度矛盾を理解しているのであれば、そのことの県や国への働きかけをしているのかいないのか聞かせて頂きたい。例えば、大分SCD・MSA友の会の会長が大分合同新聞社やトキハ会館で定期開催の「わくわく文章塾」に通いたいという希望がありますが、やはり参加はまかりならぬと言うのでしょうか。

回答

 障がい者の移動を支援するサービスについては、国が「通勤、営業活動等の経済活動にかかる外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出は対象外とする」との見解を示しておりますが、本市においては、それぞれの事情を勘案し、サービスを提供するとともに、現行のサービスの別枠として設けられた国の制度なども活用し、通勤や職場における支援を行う「重度障がい者等就労支援特別事業」にも取り組んでいるところです。本市といたしましては、引き続き制度の拡充・利便性の向上について、中核市市長会などを通じて、国に要望してまいります。

 まあ、こんな風な回答だったから、質問をしてみた。「国は~との見解を示しておりますが、本市においては、~サービスを提供する」と言うことは、大分市は定期的に開催される文化活動にヘルパーを伴って通って良いと言っているのか、それなら次の患者会で、みんな良かった、これからは文化活動に重度訪問介護サービスヘルパーを伴って通うことが出来るぞと、もろ手を挙げて喜ぶところだけど、そういう解釈でいいのかと確認してみると、そうではないやはり国の言うところの「通年かつ長期」に当るかどうかは個別に判断しなければならないと。全く納得が行かない。これまでも書面でやり取りはしているように、国も市町村も障害差の社会参加を推進しているのに、この「通年かつ長期」が足を引っ張っている。とまあ、こんなやり取りから意見交換は始まった。

 長くなるので、他の要望項目はドカッと割愛して、気になることを少し。回答に頻出する文言に、「中核市市長会などを通じて国に要望してまいります」、「周知に努めてまいります」、「柔軟な対応に努めてまいります」、「検討をすすめているところです」といった表現のなんと多いこと。何もしてないんじゃないだろうか。分からんけど。もっと気の利いた具体的にこういうアプローチをして数字としてはこういった変化、兆しが出ていますくらいの答えが欲しいところなんだけどな。

 最後に、俯瞰的に感じることは、行政サイドが制度推しで回答をする。出来ない根拠を制度というフィルターでふるう。フィルターを通過出来る案件は良いが、そうでない個別困難案件が取り残される。生身の患者、家族の状況ありきでの議論はこれっぽっちも見受けられない。もう一つ、大分市ではここまでしか出来ない現状があるけれども、患者、家族の皆さんがこうした動きを作ってくれると大分市も制度運用を見直すことが出来るかも知れない。そんな逆提案でもしてくれないだろうか。是非、神奈川県座間市生活保護課の「誰も断らない」取り組みを学んで欲しいものだ。20231012

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