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超戦闘民族ADHD向けキャリア戦略3/3【結局、どういう企業がいいんだってばよ?】

※あくまでも個人の体験談にになります。皆さんの企業選択の参考になれば幸いです。

【前回のおさらい】

前回、以下の理由で、日系メーカーや金融企業はADHDにとって鬼門である可能性が高いと述べた。

〈上記企業群がADHDの鬼門となる理由〉

【条件①】業務の目標・目的が明確化されていないことが多く、ゴールが不明確≒報酬が不明確な業態であること

【条件②】業務目標・目的が曖昧模糊としているため、組織内で明確な”勝ち筋”が言語化されておらず、ゆえに曖昧模糊としたコミュニケーションが飛び交う風土であること

【条件③】”10年目で1人前”という人材育成思想であり、それまでは圧倒的に”単独で打席に立てない”こと

【条件④】(特に金融は)ケアレスミスが人事評価に直結すること

今回は、ADHDの特性を踏まえたうえで、筆者の考える適性のありそうな企業・業界について述べたいと思う。


【じゃあどういう企業がいいのか?】

結論から先にお伝えすると、筆者の考えでは、以下の企業群に活路があるのではと考えている。

〈ADHDでも努力すれば適応できる可能性がある業界〉
①人材業界※
②マスコミ・広告業界※
③コンサルティング業界※

※但し、大手企業であること、が条件である。

一見、一般的な業界と比べるとハードワークな業界のように認知され、実際そうだが、先に述べたJTCよりは、相対的に業務環境に適性があるのでは、と思っている。

理由としては以下である。

〈適性があると考える理由〉

【理由①】抽象度が高い商材を扱っているから

高学歴ADHDは、幼少期に脳のシナプスが刈り込まれておらず、シナプス結合が多いので思考が発散しすぎるが、結果的に発揮される着想力の強さゆえに、抽象度が高い議論、そもそも論で議論することが好き・得意な勢が多い。

上記の企業群の業務アプローチは、外部環境の変化、環境変化により顧客内に生じている課題仮説の構築、ソリューション設計、のステップを踏むことが多く、ADHDの発想力が活きる可能性が高いのではと考える。

【理由②】成果主義であるがゆえに、成果創出のアプローチが組織内で言語化されていることが多いから

ADHDは目的がなく、プロセスが曖昧なもの、阿吽の呼吸、成果が見えない間接業務に回されると一気に五里霧中になって、メンタルが死ぬ。

一方で、ADHDは、議論好きであり合理主義であることが多いため、明確な目標に対して高い成果を出すために合理的な業務プロセスを設計、実行することについては、腹落ちしてモチベーションが減速しない特性を持つのではないかと考えている。

そのため、組織自体が明確な目標に対して合理的な業務プロセスを設計する風土であること、勘、コツではなく、ある程度型化された成果創出プロセスがあり、そのプロセスをベースに組織内で業務に関する議論される風土のほうが適性があると考える。

加えて、就学中にありのままの自分では定型発達のコミュニティになじめなかったADHDは、必死に周囲の言動を観察して、定型発達に擬態することで組織適応してきているはずだ。

そのため、周囲の人間の合理的な行動を観察して、組織内で言語化されているアプローチを吸収・踏襲することを必死にやるので、JTCに在籍するより成果が出る可能性が高い。

また、高学歴で、リーダー経験ありのADHDは、メタ認知能力の高さはある程度有しているため、より自分なりの勝ち筋のよい業務プロセス・勝ちパターンをトライ&エラーで作れる可能性がある。

ただし、業務を自分のものにするまでは、定型発達に呆れられながら習得することになるので、心は限界まで追い詰められることに覚悟は必要である。

【理由③】 短期間のプロジェクトサイクルであり、“圧倒的に打席に立てる”から

1か月単位の業績目標・マイルストン設定がされるような短期間のプロジェクトサイクルで業務が遂行される場合、飽き性のADHDでも比較的集中して業務に取り組める。

また、定型発達のように“普通の進め方”を“感覚的に”踏襲できないADHD勢は、自分なりに経験学習のサイクルを回し、言語化、マニュアル化していく必要がある。
この特性を踏まえると、短期間で、プロジェクトサイクルを回せることで、立ち上がりが促進されるのではないかと考えている。

ただし、業務を自分のものにするまでは、定型発達に呆れられながら習得することになるので、心が限界まで追い詰められることに覚悟が必要である。

④   組織内コミュニケーションが明確であるから

ADHDは特性上、曖昧な指示を解釈しかねて、ミスリードすることが多い。定型発達と異なるシナプス結合も影響し、認知がずれているため、悪気なく、相手の発言を咀嚼しているうちに解釈が歪んでしまうことがある。

しかし、明確な業務目標と業務プロセスが設計されている組織であれば、おのずと組織内コミュニケーションも目標・目的に即して明確に行われる可能性が高い。

ゆえに、明確な業務目標と目標達成のための業務プロセスが設計されているような組織であれば、ADHDでも適性があるのではないかと考えている。

また、【理由①】で述べた抽象的なテーマを扱っているという条件に立ち返ると、業務の特性上、認識の齟齬が致命的となるので、組織内で認識の擦り合わせを行うこと自体が、さほど咎められない風土であることが多いのではと思っている。(もちろん確認回数や頻度は極小化する努力は必要である)


以上のADHDに適した要件が比較的該当するのが、人材系業界、マスコミ・広告業界、コンサルティング業界、であると考えている。

ただし、これまでも述べている通り、上記の企業群は、業務スピードが速く、求められる業務水準も高く、ハードワークであることは自明の理であるため、ADHDにとって、非常にハイリスク・ハイリターンなキャリアチャレンジとなる。覚悟したうえで志望することが必要である。

上記の適した要件と、過去の成功体験・失敗体験を見比べて、該当する要件があれば、その要件をもとに企業選択を進めてもらえると幸いだ。

次回は、【他人に言えないことが多すぎる問題】について投稿したいと思う。


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