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「コーヒーが冷めないうちに」感想

「コーヒーが冷めないうちに」感想

題名通り「コーヒーが冷めないうちに」のほんの少しの間、過去に戻ることが出来る。しかし、現実は変えられない。過去をやり直す事で変わるものはあるのか。コーヒーの香がふわっと心の引っ掛かりを解いてくれるようなお話。

p.s.過去ツイ転載12冊目
奇抜な設定ながらも誰もが「そうだよな」と共感する。人とのわだかまりやすれ違いについて見つめ直す機会を与えてくれる。

「九十歳。何がめでたい」感想

「九十歳。何がめでたい」感想

まるで雑記ノートに思ったことを書き殴るような…。世の中について、また身近に起こった出来事を佐藤さんならではの視点で表現をしている。90歳と歳を重ねてもまだまだ熱量たっぷりに辛口のコメントをされているので、ある意味で気持ちがいい。

p.s.過去ツイ転載11冊目
忖度せず、真正直な発言が痛快だし、憧れます。大爆笑間違いなしの一冊。続編の「九八歳。戦いやまず日は暮れず」もぜひ読みたい。

「博士の愛した数式」感想

「博士の愛した数式」感想

とても純粋な気持ちにさせてくれた。「僕の記憶は80分しかもたない」という人とどう交わっていくんだろうと、読み進めた。数式を語る博士の言葉一つ一つが柔らかな温度を持っていて、日常を色付かせたり、確かに繋がっていくものがあると感じさせてくれた。

p.s.過去ツイ転載7冊目。
登場人物がそれぞれの形で思いやり、慈愛に満ちた作品。映画も大好きで何度見ても良いものは良い。

「がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!」感想

「がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!」感想

がばいばあちゃんシリーズ
これは2作目。元気を貰いたい時に時々読み返す1冊。豪快でありながら繊細な人生観を教えてくれる。がばいばあちゃん大好きだわ。雑多な今だからこそ逞しく生きたいよね。

p.s.過去ツイ転載8冊目。
戦後の大混乱の中でも、心は貧乏にしない。
ご年配の方からあるものをうまく使う知恵をよく教えてもらうのだけど、まさにそれ。便利になった世の中でも活きてくる心構えが詰まってる。

がば

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「落語小説集 芝浜」感想

「落語小説集 芝浜」感想

落語ブームがきてると個人的に思う。
井戸の茶碗という話がお気に入り。屑屋を生業とした男が貧乏な浪人のところで紙くずを買い取ることから話が始まる。真面目気がお金を呼び、お金が回り回って縁を結ぶ感じの話。
落語は体験していないのに、ありありと眼に浮かぶので好き。読みやすい本だった。

p.s.過去ツイ転載9冊目。
5年前に初めて寄席に行った時、まるでテーマパークに行ってきたようなワクワク感を味わいまし

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「ツバキ文具店」感想

「ツバキ文具店」感想

絶縁状態にあった先代の祖母が営んでいた代書屋を引き継いだ鳩子。言葉にしたい想いを抱えた人々と向き合ううちに、鳩子は先代への伝えられなかった気持ちに気付いていく。たおやかな文章に、心が洗われたようだった。手紙という形で紡がれるからこそ届き、残る想いがあった。

p.s.過去ツイ転載10冊目
代書屋は依頼主の気持ちを形にするお仕事。ヒヤリングでは語られなかった本音までもを読み取って、「これだ」という言

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「書店員の恋」感想

「書店員の恋」感想

以前、書店で働くことに興味があったので読んでみた。女性の結婚観や仕事、将来の不安を繊細に描いている。大ヒットケータイ小説家からのアプローチも魅力的だったし、夢を追いかける恋人との出会いのシーンもお気に入り。物語を完結的な文章にせず、ふんわり匂わすように書かれているのが好きだった。

p.s.過去ツイ転載4冊目
文庫本と単行本でジャケットのデザイン違うのね。堅苦しさがなくすらすら読めた印象。ケータイ

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「羊と鋼の森」感想

「羊と鋼の森」感想

学校に来た調律師との出会いで少年も同じ道を志す。今を悩む人にこそオススメしたい1冊。たくさんのものを吸収して自分の中にある変わらない絶対を実現するために変わり続けたいと思った。

p.s.過去ツイ転載5冊目
上昇志向にある人の背中を押してくれる物語。職人気質にコツコツひたむきに努力することが、現状を変えるのだと教えてくれる。

「家康、江戸を建てる」感想

「家康、江戸を建てる」感想

江戸がどうやって拓かれたか分かる本。当時の街並みを考えながら散策したくなるような楽しさがあった。家康本人の目線ではなく書かれているのが良かった。

p.s.過去ツイ転載6冊目
なんかよくわからん文章やなと過去の自分を笑ってしまう。

家康がどんな思想で街づくりをしてきたのか。
江戸の町が時代とともにどう変わっていくのか。臨場感あふれた描写で想像を掻き立てられる一冊。

私自身、寺内町や城の石垣やら

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「和菓子のアン」感想

「和菓子のアン」感想

もちもちと大福みたいな女の子アンちゃんが、デパ地下の和菓子屋みつ屋で働き出す。ユニークな店員と和菓子の魅力を教えてくれる。和菓子を通じて誰かを思う温かさや日本のくらし、四季についても触れられる可愛らしいお話。読んだ後、和菓子とお茶でほっこりしたくなる一冊。

p.s.過去ツイ転載3冊目。
高校卒業後、夢中になれるものがなかったアンちゃんが和菓子の奥深さに魅了されていく。18歳の等身大の感性で成長し

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「僕の人生には事件が起きない」感想

「僕の人生には事件が起きない」感想

日常の一コマを切り取り、「これ面白いんじゃないの?」というなんてことないテンションで笑いをとってくる。
見事に岩井さんの策略にハマってしまったので、シェアしますね。

「ストーリー・セラー」感想

「ストーリー・セラー」感想

作家の妻が亡くなるsideAと作家の夫が亡くなるsideBの対の話が綴られた作品。コミカルでポップな夫婦間の会話とシリアスな場面が対になってるようにも感じた。作者の執筆のありのままを全面的に押し出してるみたいで楽しかった。夫の妻の甘やかし、とてもかわいい。

p.s.過去の読書ツイ載せてるんですけど、文章力はともかく…笑
読み返すとちゃんと思い出せるからいいですね。

「流星ワゴン」感想

「流星ワゴン」感想

死にたいくらい後悔をしている人の前に夜な夜な現れる1台のオデッセイ。それに乗車する親子が、その人が気付かずに過ぎてしまった「大切な場所=人生の分岐点」に連れていってくれる。
大事にしたいこと、ホントの気持ち、失くしたくないものは何なのか考えさせてくれる1冊。

p.s.過去ツイ転載2冊目。
深層心理について考えるきっかけになった一冊。非現実と現実の狭間で何に重きを置くのか、どう選択するのか。全ては

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