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傷つかない程度になぐり合うのが多様性

私の初めての起業の大失敗はずばり、自分1人がぐいぐい引っ張って事業を立ち上げたことです。これが本当にしんどかったし、成果もほんとでなかった!

起業すると自分の時間をコントロールでき、子供との時間も増やせるはずだったのに、会社員のときよりも長時間労働で、深夜も休日も駆り立てられるように働くし・・更に、自分だけが長時間働いて責任を負っているんだというピリピリ感が、周囲のメンバーにも伝わり、今思うと最悪でした。

この反省から、非営利活動の「子連れMBA」では、6年前からメンバーの1人ひとりを活かす仕組みを徹底的に追求し、ティール組織などを参考に実践に組み込んだ結果、「多様性をいかす組織」で活動しています。

でも、この「多様性をいかす組織」、決して夢の組織ではないのです。今日は「多様性をいかす組織」の実情をお話しします。

多様性をいかす組織への幻想

みなさんの「多様性をいかす組織」のイメージって、多様な人がお互いに助け合う、明るいほんわかしたイメージでしょうか?これは間違いではないのですが、ひとつ忘れてはいけないのが、「多様性をいかす組織」には「殴り合い」がつきものなこと。

子連れMBAのメンバーは、子育て世代の女性がほとんどです。でも、本業の職種としては、イベント企画のようなノリで勝負系から、リスクを常に考える管理部門系、そして、職場のサイズも超大企業から中小・個人企業まで。そんな多様性に飛んだバックグラウンドのメンバーがごちゃまぜで、プロジェクトを企画したり運営するのです。そうすると自然に発生するのが「殴り合い」です。

もちろん実際には殴りません。私達は時間制約の中で活動しているので、主なコミュニケーションはチャットで行っています。なのでチャット上での非同期な「殴り合い」がよくあるパターン。チャットでバチバチ、忌憚ないコメントが飛びかいます。殴り合いの最中はチャットを離れていてもドキドキです・・

怪我しない程度に殴り合うのが多様性

先日、私が参加しているリーダーシッププログラム、「アメリカン・エキスプレス・リーダーシップ・アカデミー」で、サイボウズの青野さんが話されていた表現がぴったりで、頷きまくりました!

多様性のある組織は、つねに互いが意見をだして対話をし合うので、面倒くさい。いつも、怪我しない程度に殴り合いをしている状態。

「殴り合い」もするし、ぶっちゃけ「多様性をいかす組織」って面倒くさいのです。上からの指示に従う「ヒエラルキー組織」のほうが、圧倒的に効率は良いし、怪我しないかな・・というドキドキ感もなく、平穏に過ごせるのです。 

それでも私達が「殴り合い」の日常を選ぶのは、振り返ってみても、「殴り合い」の結果こそが、思いもよらなかった成果を生み出しているから。要は、「殴り合い」からイノベーションが生まれているのです。

殴り合いをイノベーションに変える4つの土台

ただし、何でもかんでも「殴り合い」がイノベーションを生むわけではありません。イノベーションを生む「殴り合い」には土台が必要です。

流行り言葉の「心理的安全性」もありますが、これだけでは足りません。この土台をピッタリ表しているのが、サイボウズの青野さんが「わがままをチーム力にかえる、4つの風土」として紹介されたものです。

多様な個性を重視・自立と議論・理想への共感・公明正大

ふむふむ、と思われるかもしれませんが、この4つの土台づくりこそが「多様性をいかす組織」が超面倒臭い理由です。

特に、私達のような小さな組織や、立ち上げ間もないチームでは、前の2つはそこまで難しくありません。特に後半の2つ「理想への共感」「公明生大」が大変!

「理想への共感」のための、常にミッションを伝え続けなければいけないし、「公明生大」のためには、組織側も情報公開できる仕組みも作って、情報を伝え続けなければいけない。
こんな、中のメンバーに向けた「伝える」仕事、小さな組織には、専門の社内広報スタッフなんているはずもなく、誰がやるかというと・・だいたい言い出しっぺ=代表です。がんばります!(↑単に自分を鼓舞したかっただけのコメントです💦)

「殴り合い」からのイノベーション

実は面倒くさいし「殴り合い」がつきものの「多様性をいかす組織」ですが、「殴り合い」が成果に結びついたときには最高の気分です!

経営学でも、イノベーションは「知の組み合わせ」によって生まれると言われています。まさに「殴り合い」こそが知が組み合わさる瞬間!

この「殴り合い」、誰もができるかというと、実はそうではありません。
ひとつの組織で長く働く人が増えると、お互い理解が進み、打ち解けあって効率良くなります。その反面、似たような考えの人が増えてきて「殴り合い」になるほど多様な考えも出にくくなります。子連れMBAが副業(複業・パラレルキャリア)を推奨しているのはこれが理由です。

多様なバックグラウンドの仲間との「殴り合い」から、イノベーションを体験したい方は、子連れMBAにぜひ遊びにきてくださいね!
Makers of Business Art講座では、年末年始にイノベーションも学べますよ!(ちょっぴりPR笑)


#オープン社内報 #私のしごと






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